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2007年6月14日 (木)

米も脱帽?プーチン・ビジネス

ここ数ヶ月、東欧での米国ミサイル防衛(MD)施設建設計画への批判を繰り返し、「新冷戦」といわれる緊張状態を演出したプーチン・ロシア大統領。ドイツでのサミットが終わり、米ロ間の懸案であるMD問題と、コソボ独立問題は依然残ったままだが、この間に対米プーチン・ビジネスは大きな成果を挙げた。ことビジネスに関しては米ロ接近は著しい。軍事緊張など、どこ吹く風だ。

まず釣り上げた大魚。8月にもサンクトペテルブルクにロシア産原油のルーブル建て先物取引所を開設する。そのためニューヨーク・マーカンタイル取引所と協力協定を結ぶという。

これまで「中東産原油」が取引所に上場されていなかったこともあり、世界の原油価格はニューヨーク・マーカンタイル取引所で取引される「ウエスト・テキサス・インターミーディエイト」(西テキサス地方の中質原油)取引価格を参考に動いてきた。

そこに、世界最大の産油国ロシアがルーブル建ての取引所開設を打ち出してきたのだ。しかも、米国の協力の下、運営ノウハウまで提供してもらって。

大体、世界に二つの取引所が必要なのかどうかわからないが、もし、仮にサンクトペテルブルグ取引所がNYをしのぐ存在になったら、米国はどうするつもりだろう。ルーブル建てということになれば原油取引の「基軸通貨」であるドルの相場にも長期的に影響を与える可能性がある。とにかく国際的な原油価格の形成で主導権をロシアに握られたくないはずだ。

プーチンはこの計画の実現のためにちゃんと米国にエサを与えている。ブッシュ大統領と会談後の今月9日にサンクトペテルブルクで世界の主要企業約150社のトップらを招き開かれた「国際経済フォーラム」において、米ボーイングとの間で旅客機22機を購入する契約に調印したのだ。

契約内容は、ボーイングからロシア国営アエロフロートが22機の次世代旅客機「787」を購入。その見返りにボーイングはロシアの大手航空機メーカー、スホイの中距離旅客機開発に協力する、というもの。イワノフ第一副首相は「外資には市場を与える代わりに技術を求める」と語り、ロシアビジネスの一貫した姿勢をのぞかせた。

この契約、当然、米国側にとっては大きな収穫だ。。ボーイングはもともと航空機設計をシアトルで行っていたが、今ではオフショアが進み、賃金の安いロシアの豊富な航空エンジニアを数多く採用、モスクワ事務所が事実上、設計の中核部隊となっている。

一方、ロシアにしてみれば、軍需産業でもあるボーイング社を自国に取り込み、技術移転を目論んでいると考えられなくもない。

これまでロシアはエアバスとの取引を重視していたが、いつの間にか方向転換。どうも、アメリカに近づきたがっている気がしてならない。

ミサイル防衛施設の対米大批判も、国民のプーチン人気維持とともに、ビジネス交渉を有利に進めるためのしたたかな戦略であると考えるのは、いくらなんでも穿ち過ぎだろうか。

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