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2007年7月29日 (日)

柏崎刈羽原発被災の衝撃

最近の日本国内のニュースで、海外メディアに最も大きく取り上げられたのは新潟県中越沖地震による柏崎刈羽原発の被災である。チェルノブイリ並みの事故と勘違いした外国政府もあったというから、よほどの扱いだったのだろう。

地球温暖化対策でCO2削減を進める必要から、世界各国が原子力発電所の新規建設に積極姿勢を見せ始めたところだけに、与えた衝撃ははかり知れない。

東電は影響の軽微さを強調するが、とんでもないことだ。震度7の阪神大震災を経験したわが国の原発が、震度6強も想定していない設計であり、断層の存在を知っていながら耐震補強も施してないとは、何ということだろう。地震国日本は、どこで阪神大震災なみの揺れが起きても不思議ではないことくらい常識である。国も地方も電力会社も頭がボケているとしか考えられない。

柏崎刈羽原発6号機から放射性物質を含む水が海に漏れ出した。使用済み核燃料貯蔵プールの水が飛び散った。7号機の排気筒からは放射性物質が検出された。放射能に関わるのは、これらを含め十五件という。

放射能漏れによる人体などへの影響はない、という東電発表。どこまで根拠のあるデータに基づいているのか、きわめて怪しい。

どんな事情があろうが、放射能漏れを起こさないことが原発の絶対条件である。放射能というのは微量でも危険であることを僕たちは再認識しておく必要がある。

米科学アカデミーの報告書は低線量でも発ガンのリスクがあると結論づけている。全身のX線CTを受ける1000人に1人はガンになるという。16年3月に新聞で発表された英国オックスフォード大グループの調査では、日本人の場合、75歳までにガンになる人のうち、3.2%もが放射線診断による被曝で誘発されたという結果が出た。

そして、原子力発電所が過去に起こした最も悲惨な例を再度確認しておこう。

1986年のチェルノブイリ原子力発電所事故では、2度以上の大爆発が起き、原子炉は壊れ、核燃料は粉々になって1000~2000mもの上空に噴き上げられた。放射能は、遠くの国々にまで運ばれ、地球全体に降った。発電所から30キロメートルにわたって、人の住めないところとなり、14万人が避難した。事故による初期の死者は、31人だったが、その後も周辺地域ではガンなどを発症する人が増え続け、いまだに、子供の甲状腺ガンの増加など深刻な状況が続いている。

原子力発電はたしかにCO2を発生させないという点ではクリーンエネルギーと考えられる。しかし、原子力発電で原子力発電所はつくれない。つまり、発電所をつくるには従来通り大型トラックなどで石油エネルギーを使いまくらねばならず、CO2はその分大量発生する。また、原発の燃料は中性子によって核分裂を起こすウラン235だが、今後原発の新設がさかんに行われると21世紀中に枯渇する恐れがある。
 
そこで使用済み核燃料の中に含まれている未分裂の「ウラン235」と、ウラン235同様に核燃料として利用可能な「プルトニウム」を再処理工場で回収して再利用しようという「核燃料サイクル」が進められているのだが、使用済み核燃料には大量の放射性廃棄物が含まれており放射能が危険レベル以下になるには数万年かかる。だから、半永久的に人間や他の生物から隔離した場所に保管しなければならない。

つまりCO2を出さない代わりに、地球上に別の有害物質を蓄積させ、地球環境を汚染するのが原発なのである。

環境問題は部分的に解決できても、その分他方面で問題が起こる。例えば、バイオエタノールで車を走らせCO2を減らせても、原料となるトウモロコシや大豆の畑を開拓するため熱帯雨林を伐採していては、かえって環境に悪影響を及ぼすだろう。

僕たちは、放射能のリスクと、地球破壊の進行によって、電気や車に頼った便利な生活を続けているのだ。

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