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2007年7月27日 (金)

サルコジ夫妻、リビアで得点

トントン拍子とはこのことか。フランスのサルコジ大統領夫人、セシリアさんがリビアを電撃訪問してからの展開は、あまりにも出来過ぎで、かえって不自然な印象を受けた。

まず、流れを整理しておこう。セシリア夫人がリビアを訪問し、最高指導者カダフィ大佐と会談したのが今月12日。リビア当局がHIV感染容疑で8年半にもわたり拘束してきたブルガリア人看護師5人とパレスチナ人医師1人の解放をカダフィ大佐に要請した。

これを受けてリビア当局は24日、6人を捕虜交換協定に基づいてブルガリア政府に引き渡し釈放、全員ソフィアに到着し自由の身になった。

その翌日の25日、早速、サルコジ大統領はリビアを訪問し、カダフィ大佐と会談、リビアでの原子力発電所の建設に協力する覚書に調印した。

そして、ここでアメリカが素早く反応する。ライス米国務長官は25日、米政府が出資するアラビア語放送で「早期にリビアを訪問することを心から望んでいる」と語ったのだ。

以上が、一連の流れだが、リビア側の事情は、というと―。

リビアは1970年代から1980年代にかけ、欧米やイスラエルで数々のテロ事件を引き起こし、「テロ国家」と非難されてきた。1988年のパンナム機爆破事件によって国連に経済制裁を課せられて国際社会から完全に孤立、国の経済はしだいに疲弊した。

しかし近年は態度が軟化し、核開発の全面放棄やパンナム機爆破事件の容疑者引渡しにも応じた結果、国連の経済制裁は解除され、欧米との関係改善も進んでいる。

リビアに資産をすべて接収され一度は撤退した米国のオクシデンタル・ペトロリウムなど石油関連を中心とした外国資本が次々と流入し、経済状況が急激に回復しつつある。

こうした状況のなか、2006年5月15日にアメリカはリビアとの国交正常化を発表した。ところが、一気に関係緊密化とはいかない懸案事項があった。

それが、こどもたちに意図的にHIVを感染させたという疑いがかけられた看護師問題であった。国際的なエイズ専門家は彼らに責任はないとしており、欧米の人権団体からリビアへの非難が高まっていた。

この問題を解決し、未開発の石油資源が豊富なリビアと欧米の緊密化への道筋をつけたのがサルコジ大統領夫妻ということになる。

思い返せば、ドイツのハイリゲンダムでのG8のさい、米仏首脳会談で、米国流の市場競争主義を掲げているサルコジとブッシュ、両大統領の意気投合ぶりはかなりのものだったらしい。似たもの同士、という見方もある。

行動力ではどの国の首脳にも引けを取らないサルコジ大統領が、米仏共通の不安材料である中国のアフリカ進出を見据えて、石油埋蔵量アフリカナンバー1のリビア権益を押さえるのに一役買ったというのが、今回の筋書きだろうか。

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