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2007年8月27日 (月)

新幹事長、麻生太郎の本音

自民党幹事長になった麻生太郎氏は就任記者会見から早くも“らしさ”を出した。

「自民党をぶっ壊すという人を選び、その人は事実ぶっ壊した。ぶっ壊された自民党をどう立て直すかが、われわれに与えられた役目だと自覚している」

口を「への字」に曲げ浪曲師のような渋い声でズバリと言い切る。なかなかの迫力だ。

サブカルチャーのカリスマとしての面ばかりマスコミでクローズアップされるお方だが、実は自民党の中でも飛びぬけて鋭い眼力と洞察力を持っている。かねがね、そう思っていた。

たしかに、ちょっと悪ぶったイメージと歯に衣着せぬ物言いは誤解を与えやすい。テレビでの彼を見ていると「なんだ、偉そうに」と不快な感じを受けることもある。

しかし、発言の内容からは、視聴者の“受けねらい”を全く考えない、独自の視点を感じる。

麻生氏のホームページに掲載されている彼の文章は、大変わかりやすい。

 企業が借入金を銀行に返済するのは当然ですが、全企業が一斉に借入れより返済を優先したら、まず金融業は成り立たなくなる。(中略)企業の借入金返済が年間20兆も25兆円も行われ、個人預金が5兆も10兆も入ってきたら、その25兆から35兆円がデフレ圧力となるわけです。そうなれば30兆円前後の金を借りてくれる人がいなければ、デフレによる大恐慌になります。
 つまり、今回の場合は、政府がその30兆円の金を国債として借りて来られたから、日本の不況はこの程度で済み、GDPもこれだけのデフレ不況下で500兆円を維持できました。
 マスコミが何と言おうと、国債で民間資金を年間30兆円吸い上げ続けたのは正しい選択だった・・・と後世の経済学者は書くと思いますが、今現在、こんな異論を言っているのは私の他はあまり知りません。

そして、「竹中平蔵という経済現場の解っていない人の、銀行の不良資産一掃策」が、ハゲタカファンドに巨利を与えた、と小泉改革を批判する。

この指摘があたっているかどうか、それこそ後世の経済学者に委ねなくてはならない。竹中氏の経済政策には賛否両論がある。

さて、これで、ポスト安倍の最右翼と目される人物が党のまとめ役になったわけだが、あえてこの難しいタイミングで幹事長を引き受けた麻生氏の本当のねらいはどこにあるのだろうか。

下手をすると、安倍首相とともに沈没しかねない。自民党のかつてない危機なのである。同じ船に乗らず、安倍首相の退陣を待つほうが得策ではないのか。

麻生氏は16人の小派閥の領袖である。党内の政敵も多い。「失言」も心配だ。

しかし、自民党を弱体化させたまま安倍内閣を再スタートさせたら、それこそ政権を民主党に奪われかねない。ポスト安倍どころではなくなるかもしれないのだ。

一時よりずいぶん人当たりがソフトになった麻生氏はおそらく、幹事長として党内融和をはかっていく自信をもてるようになったのだろう。どちらかというと、これまで毛並みのわりに党内で不遇であっただけに、党内人脈形成の大きなチャンスと、捉えているに違いない。

安倍人気が復活しても困るが、政権を民主党には渡したくない。微妙な政治バランスをとりながら、自らの勢力を拡大していきたい、というのが本音だろう。

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