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2007年8月26日 (日)

イラク、マリキ首相の迷走

イラクは底知れない泥沼に浸かっている。アメリカ軍の駐留と、求心力のないマリキ現政権が、過激派テロを呼び込み、内乱状態に陥っている。脱出への糸口は全く見えない。

そうしたなか、マリキ政権とそれを支援してきた米国との亀裂が深まり、なおさら混迷の度合いを強めているのが現状である。

2006年5月、イラク正式政府の首相に就任したマリキ首相だが、イラク国民の大半はこの政権に不満を感じている。治安、行政サービス、インフラ整備など、いずれをとっても、旧フセイン政権時代より悪化し、人々の生活は困窮している。

生活がよくならない限り、急造の内閣が求心力を持つはずがない。
しかもシーア派、スンニ派、クルド人が互いに国家よりも自派の覇権を目標として争っているありさまである。

過激派テロが横行して、さながら内戦状態となり、日々多くの人々が殺害されている。

マリキ首相は、もはや崖っぷちだ。シーア派からも、スンニ派からも、閣僚の辞任が相次ぎ、閣僚の半数近くが不在である。「マリキ後」の政界再編に向けた動きも水面下では進んでいるようだ。
 
当然、アメリカ側からはマリキのふがいなさへの批判が高まった。米議会ではマリキ更迭論、イラクからの米軍撤退論など、さまざまな声が渦巻いている。

そういう状況をどう捉えたのか、マリキ首相は破れかぶれとも思える行動に出た。 
まず、8月に入って、米国が最も敵視するイランを訪問、経済、安全保障での協力協定を結んだ。次に同じく「反米」を掲げるシリアを初訪問し、オタリ首相らと会談した。

明らかに自らへの批判を強める米国を意識した外交だと思えるが、当然、米国にとって気分のいいものではない。

ブッシュ大統領は「イラクの指導部にいくらか不満があるが、更迭するかどうかを決めるのはイラク国民だ」と、マリキ首相を見放したようなコメントをした。

次期大統領の呼び声が高いヒラリー・クリントン上院議員は「イラク議会が、マリキ首相を交代させ、もっと(各宗派・民族を)まとめられる人物を選ぶことを望む」とする声明を発表した。

サウジアラビアにいたってははシーア派のマリキ首相をシーア派大国イランの「代理人」と見ているとさえいわれ、マリキ政権とイランの接近に警戒を深めている。

こうした複雑な情勢を背景に、ブッシュ大統領への米軍撤退圧力はいっそう強まっている。

米国共和党実力者のウォーナー氏は言う。

「われわれはいつまでもイラク駐留軍を危険にさらし続けることはできない。イラク政府に国民和解の取り組みを促すためにも、クリスマスまでに段階的撤退に着手するべきだ」

米軍の撤退は中東のさらなる混乱を招く恐れがある。かといって、米軍が駐留し続けることもイスラム過激派を刺激し、殺戮の連鎖につながる。

イラクのことはイラクに任せるという正論が通る世界なら誰も苦労はしない。もとはと言えば、アメリカの間違った戦争が招いた惨状だが、イスラム諸国とユダヤ・キリスト教諸国の感情的対立や石油利権といった面も含め、全世界にかかわる問題だけに、僕たち日本人も無関心ではいられない。

 

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