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2007年9月27日 (木)

ミャンマーに光を

「ミャンマーでは、国の軍隊が民間人を捕まえて強制的に労働させ、こどもを兵士として使っている」。2005年11月、アムネスティの声明は耳を疑う内容だった。

日本の国内政治に気をとられているうちに、ミャンマーが大変なことになっている。アズキ色の法衣をまとった敬虔な仏教僧たちの反軍政デモに、情け容赦なく治安部隊の実弾が撃ち込まれた。僧侶に数人の死者が出た。

国民はアウン・サン・スー・チーさんを指導者に平和な国づくりをめざすはずだった。その願いは軍事政権によって阻まれている。

人々の生活は困窮をきわめ、人権弾圧が繰り返され、軍政は世界の非難を浴びている。住民は耐え忍んだ。軍の武器の脅威に反抗することは死を意味した。しかし、我慢の糸は切れた。

きっかけはガソリンなど燃料の値上げだった。これに怒った学生や市民が騒ぎはじめた。すぐに彼らは治安当局に逮捕され、このまま沈静化するかと思われた。9割が仏教徒であるこの国の人々は元来暴力を嫌う民である。

しかし苦しみもがく人々の姿に、僧侶たちが、やむにやまれず立ち上がった。二百人の僧侶が静かなデモの行進をしたのをきっかけに、国内各地に民主化を求める僧侶、学生、一般市民のデモの波が広がった。

留学を通じて日本ともなじみの深い非暴力民主化運動指導者、アウン・サン・スー・チーさんはいぜん自宅に軟禁されたままである。

旧首都ヤンゴンでは10万人にも及ぶデモになった。主要道路は人波で埋まり、商店は休業、交通もマヒ状態になった。

僧侶の一団が、アウン・サン・スー・チーさんの自宅前にやってくると、待ち受けた市民らが拍手と歓声で迎えた。スー・チーさんも玄関の扉を開け、両手を合わせて立ったまま彼らを見つめた。彼女の目には涙がにじんでいた。

政治的なスローガンを唱えず、もの静かな行進だった。軍事政権も当初は国際的な批判を恐れ慎重だった。しかし、規模の拡大にたまらず夜間外出禁止令を発令し、ついにデモ9日目の26日に治安部隊が発砲する事態になった。

民衆が尊敬してやまない仏教の僧侶はミャンマー国内に40万人いるといわれる。軍政はとうとう少数民族への人権侵害、政敵の弾圧に加え、仏教という聖域に踏み込んだ。

「愚か者、愚か者」

僧侶を殴り、引きずり回す治安当局者に市民から罵声が飛んだ。

このままでは、さらに流血の惨事が広がる恐れがある。国連は緊急の会合を開き、事務総長特使の受け入れを軍事政権に求めた。米英仏首脳やダライ・ラマも緊急声明を発表した。

1988年、ネ・ウィン社会主義体制が民主化要求デモで崩壊、国軍のクーデターによるデモ鎮圧のさい、軍の発砲で約3000人が死亡した悲惨な歴史がある。

軍事政権の圧政により、欧米諸国との貿易がストップされ、いまだに世界の最貧国の一つである。天然資源開発は急速に環境を破壊し、資源採掘地域では、強制労働、強制移住などの人権侵害が行なわれている。

「スー・チー」コールはミャンマーだけでなく世界各国から起こっている。英国のミリバンド外相は「アウン・サン・スー・チー氏が選挙で指導者に選出されるべきだ」との見解を表明した。

ミャンマーの政権を民政が取り戻し、スー・チー女史のような立派な指導者の手で民主化させてほしい、と世界の良識ある人々は思っている。

軍事政権がほんとうにこの国の経済発展を考え、国民の生活水準を上げたいのであれば、民主化を進めるしか手立てはない。それが実現すれば各国の支援の手が差し伸べられ、この国に光がさしてくるだろう。

 

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