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2007年9月 4日 (火)

韓国情報機関トップが人質解放ヒーローの不思議

韓国の国家情報院といえば、かつてはKCIAとよばれた情報機関である。アフガニスタンに乗り込み、タリバンとの交渉のすえ、韓国人の人質を解放させた立役者は何と、この機関のトップ、金万福(キム・マンボク)国家情報院長であった。

40日あまりも続いた人質事件は当初、アフガニスタン政府とタリバン側の交渉が難航し、二人の犠牲者を出した。たまらず、世界の批判を覚悟で韓国政府が直接交渉に乗り出したとたん、状況が一変し、最終的には全員解放で決着した。当然のごとく、そのウラで身代金が支払われたのではないかという憶測が飛び交った。

ロイター通信によると、タリバンは今回の人質解放の代価として2000万ドル(約23億円)以上を受け取り、この資金をテロ活動に使用する計画だと言明しているという。韓国政府はもちろん否定しているが、お金が動いたと考えるのが普通だろう。

身代金は裏金を使うことができる情報機関を通じて支払われると考えられる。その意味で、国家情報院が動いたことは理解できるが、驚いたのは機密を鉄則とする情報機関のトップがマスコミの前に解決の立役者として姿を現したことだ。

中央日報によると、金院長はドバイのホテルや機内などで記者会見をし、アフガンでタリバン側と自ら陣頭指揮で最終交渉をしたことを明らかにした。解放された人質たちと一緒に撮った写真などが入ったCDも配る念の入れようであったという。
 
報道資料には金院長が「国民の生命を救わなければならない」と、情報院幹部たちが引きとめるのをふりはらってアフガンに向かったことなどが記されている。金院長を英雄視するような文面である。

しかしたとえ人質救出のためとはいえ、国家情報機関のトップがその身分と行動の内容を明かしたことは、情報機関の鉄則に反するのではないか。それを承知で金万福氏をヒーローに仕立て上げた背景には、人気凋落が続く盧武鉉政権末期の焦りがあると考えられなくもない。

多くの人命にかかわる問題であり韓国政府がタリバンと直接交渉したのは仕方なかったとしても、本来は極秘裏にコトを進めなければならなかったはずだ。

米国・国際テロ組職研究所のジョシ・デボン首席研究員は「韓国は人質解放に成功したが、タリバンに勝利を与え、アフガン政府の地位を傷つけたという点で高い代価を払った」と分析した。

アフガンの首脳も「今回の決着が悪しき前例となり、タリバンの行動がエスカレートするのでは」と不安を隠せないようだ。

いずれにせよ、韓国政府の直接交渉と身代金支払い疑惑が国際社会に広まったことにより、韓国人がテロ組織のターゲットになるリスクが高まったことは確かだろう。

テロ組織の標的になる可能性のある地域に近づかないことがなによりも大切だ。
  

 

 

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