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2007年10月23日 (火)

厚労省の人災C型肝炎、誰が責任を取るのか

15日のブログで日本の製薬会社の腐った体質を書いたが、その新薬を審査する側のトップが昨日のテレビに登場した。

今問題になっているC型肝炎症例リストを厚労省が入手した2002年当時、厚労省の責任者だった人物だ。

宮島彰氏。現在、医薬品の新薬承認審査をする厚労省所管の独立行政法人「医薬品医療機器総合機構」理事長である。

汚染された血液製剤フィブリノゲン。それを投与された後にC型肝炎を発症した可能性のある418人のリストを2002年、製造元の旧三菱ウェルハーマ(現・田辺三菱製薬)が厚労省に提出した。その中の165人については実名、イニシャル、医療機関名、医師名といった患者特定につながる情報が含まれていた。

ところが、厚労省は本人に通知をせず、倉庫の棚に放置したままだった。当時、患者を特定して検査や治療を呼びかけていれば症状の悪化を防げた可能性がある。

テレビ局各社は当然、当時の医薬局長、宮島氏のもとへインタビューにおもむいた。各社、独占インタビューとしているから、個々に行ったのだろう。

TBSのインタビューにこたえた宮島氏。

「こちらは基本的に、当時のメーカーの対応なり行政の対応なり、フィブリノゲンの問題を通じてどうだったのかという事実を解明することを目的として、調査をしてきたわけです。検査を受けるとか干渉するとか、そういうことを目的に入れていない」

この日本語、何を言っているのか僕にはよく分からないが、TBSの説明によると、本人への告知が目的ではなかったということが言いたいらしい。

テレビ朝日に対しては、こうだ。

「こんな資料があったの?知らなかったですね。個別の人には言わなかった。そういう目的ではなかったしね」

「だけど、当時、国民に注意をを呼びかけましたよ、知らなかったんですかね、それを聞いてください」

この人には血も涙もないのだろうか。たしかに厚労省は2004年、製造元の三菱ウェルファーマ社(当時)のデータを基にフィブリノゲン製剤納入先医療機関名を公表しC型肝炎ウイルス検査受診を呼びかけた。

しかし、少なくとも、165人の患者が特定できていたのである。この人たちに直接連絡して、早期治療を促せば、病気の悪化を防げたかもしれないのだ。

C型肝炎は急性ならインターフェロンを発症後6ヶ月以内に投与すれば効果がある。しかし、慢性肝炎を発症した場合は20年で約60%が肝硬変へと進み、肝硬変になった後は年間7~8%が肝細胞癌に進展するといわれる。
 
なぜ、こういう資料が倉庫に眠ったまま、忘れ去られていたのだろうか。

厚労省医薬食品局の中沢一隆総務課長は「当時の肝炎問題の調査チームが解散し、今の担当者が知らなかった」と説明した。

当時の責任者、宮島氏は天下りして、新薬を審査する独立行政法人のトップにおさまり、そのあとを引き継いだはずの人たちは知らぬ存ぜぬである。一体誰が責任を取るのか。

418人のデータは単なる文字や数字や記号ではない。その向こうに418の尊い人命が存在しているのだ。

すべての国民が新聞やインターネットを見ているとは限らない。検査受診をメディアを通して呼びかけたら、あとは個人の責任と割り切れるものだろうか。

何度も言うが、少なくとも165人には直接、早期治療を勧めることができたはずだ。電話一本で済むことではないのか。

目的とか仕事の範疇とか、そういう問題ではない。人の命を救いたいという気持ちがあるかどうかだ。そういう普通の配慮がなされなかったため、「原因不明の肝炎」と医師にいわれたまま気づくのが遅れた人や、今日でさえ感染を知らない人がいるという。

平成6年以前、出血をともなう出産や手術のさいに、止血剤として使われていた血液製剤フィブリノゲン。安心して医師に治療を任せていた患者に何の罪もない。

米国では、フィブリノゲンに疑問を抱いた食品医薬品局(FDA)が、1977年12月、フィブリノゲンと同成分の製剤の製造承認を取り消している。日本では1994年になってようやく有効な手が打たれた。なんという対応の遅れだろう。

憶測を許していただけるなら、厚労省は利益を優先させる製薬会社の要望にしたがって、海外で問題になっていたフィブリノゲン製剤の使用を容認し続けた。実態把握のため、発症者リストを提出させたが、騒ぎの拡大をおそれ、本人に知らせず倉庫にしまった、ということではないのだろうか。

これはHIVと同じ人災である。本来なら米国と同じ1977年から対策を講じなくてはならなかった。

厚労省、天下りOBが支配する新薬検査組織、製薬業界。この三者がなれあい、もたれあって日本の薬事行政をゆがめている。そして、いまも多くの犠牲者が命の危険にさらされ、苦しんでいる。

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コメント

このところ思うのですが、このケース、あまりにヒドいのですから、刑事事件にできないのでしょうかねえ?

宮島のようなヤロウはブタ箱にぶちこむしかないが、日本の刑法には適用する条文が見当たらんのだな。それに、厚労省はこんな輩ばっかしだ。まあ、国民が一斉蜂起して、昔のように各地で大デモをやって古狸の保身官僚や族議員や悪徳天下りOBを追放するしかないのかな。

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