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2007年10月25日 (木)

天下に恥をさらした渡辺金融相の足銀答弁

政治家というのは立場が変われば、臆面もなく国会で正反対のことをいえるものらしい。

24日の、衆院財務金融委員会。渡辺喜美金融相はかつて、自分自身が当時の金融相、竹中平蔵氏にぶつけた足利銀行破綻についての質問を、そっくりそのまま民主党の福田昭夫氏から受けた。どう答えるかと、興味津々で聞いていたら、これまた竹中氏と寸分違わぬ答弁だった。

足利銀行は2003年9月期の中間決算で、債務超過に陥った。栃木県および地元選出国会議員は、「りそな銀行方式」での存続を要請したが、金融庁から「一時国有化」を地方銀行としては初めて適用され経営破綻した。現在、金融庁は今後の受け皿銀行を探しているが、まだ決定していない。

奇しくも足銀破綻当時、質問者の福田昭夫氏は栃木県知事であった。地元経済界の苦境を身に沁みて知っている人物だ。

渡辺氏も地元選出国会議員として福田氏と同じ足銀を守る立場であった。竹中大臣にかみついたのは、平成15年12月4日の財務金融委員会のことである。まずはこのときの渡辺、竹中両氏のやりとり。

渡辺 「今年度の足利銀行の収益は、拡大基調にあった。こういう銀行を破綻させればどうなるか。生きているものを突然殺すのはなぜか。第一の説は、スケープゴート説。第二は、りそなでコリゴリ説。第三の説は、米国の対日投資促進説。第四は北朝鮮制裁説だ。真相をうかがいたい」

竹中 「預金保険法で債務超過の場合はどうするかが決められている。そうした中で、地域に対する影響を最小化したいという観点からこの三号(一時国有化)の措置をとらせていただいた。」

今回の福田昭夫氏の質問は当時のこのやりとりを踏まえたうえで行われた。では今月24日の委員会での質疑。

福田 「当時、大臣は巷間噂になっていた4つの説を竹中大臣に言っておられたが、なぜ足銀は破綻させられたと思うか」

渡辺 「竹中大臣に質問したことを記憶している。15年9月決算で債務超過になるという報告があった。債務超過の銀行については預金保険法の法体系に従い、三号(一時国有化)ということになった」

福田 「まるっきり竹中さんと同じじゃないですか。金融庁は無理やり債務超過にするために担保物件の評価を収益還元法にかえたのではないのか」

渡辺 「担保物件の収益還元法は金融検査マニュアルに定められている。とりたてて足銀に厳しくしたということではない」

福田議員はこのあと、「それはちがう、収益還元法は初めて地銀に適用された。足銀をつぶすために担保価値を下落させるというのは国家権力の乱用だ。自力再建したら県民の資産を棄損することはなかった」と悔しさをにじませた。

渡辺金融相は「当時はいわば野党的立場にあったからあんな質問ができた。政府の中にいたわけでないのでくわしい情報を知らなかった」と弁解。

なおも、福田議員が「当時のあなたの国会便りに足銀はむりやり破綻させられたと書いてある」と追及すると、渡辺金融相は「今は地元でなく国民全体の利益を考えなければならない。理解をお願いしたい」と妙な理屈をこねた。

「あなたはいい加減な人だとよく分かった」。福田議員はうめくように言った。

同じ、渡辺喜美という人間であり政治家であるはずなのに、いわゆる一兵卒と大臣とでは正反対の考えを述べる。この人は、どうやら一貫した政治家としての信条とか理念とかビジョンというものは持ち合わせてないようだ。

自民党の将来を背負うホープの一人と見られている人物にして、この誠意なき官僚作成答弁である。金融庁という組織のトップとして、過去の大臣答弁との整合性が必要だと考えるのも分からぬでもないし、まさか「足銀をむりやり破綻させた」というわけにはいかないだろう。

しかし、政治家の言葉というものはもっと知恵があってもよいのではないか。竹中氏から返ってきた答弁に不満を漏らしていた人物が、竹中氏のポストについたとたん同じ答弁を繰り返すという矛盾、イカサマ。いかに人間は変わるものとはいえ、お粗末であることには違いない。

しかし、国会という珍奇な“動物園”においては、こうした厚顔無恥な言動が許されるのではないか。そんな悲しい疑念を多くの国民が感じている。永田町や霞ヶ関は、世間の常識とは全くかけ離れた異次元世界なのだろうか。

渡辺喜美内閣府特命担当大臣。あなたには、金融だけでなく行革や公務員制度改革でも国民の期待が寄せられている。お父上、ミッチー譲りの愛嬌があるのはいい。突進力も申し分ない。

ただ、残念ながら、われわれ庶民が求める大きなものが感じられない。世界観か、哲学か、そのようなものだ。一兵卒なら地方の立場で仕事をし、大臣になったら国の立場で仕事をする。そんな小役人のような考えは、捨てたほうがいい。どんな立場でも、どんな相手に対しても、ぶれることなく正々堂々と持論を展開していただきたい。

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コメント

日本の金融は制度も政策もおかしいのです。中央政府が財政健全化政策=デフレ政策をとるのなら中央銀行はインフレ政策をとらねばなりません。それが一緒になって経済を締め上げているのだから景気が良くなる筈がありません。

息子の恥知らず振りには泉下のミッチーも泣いていることでしょう。栃木はあの不撓不屈の飯塚毅の出たところです。少し爪の垢でも煎じて飲んでもらいたいものです。

金融庁は日本中に蔓延しているイジメ現象の元凶です。銀行が金利2%で貸しているのにあの会社は貸し倒れリスクがあるから3%引き当てろと言えば銀行には儲けはありません。そうしておいて儲からない銀行は潰すというのは公権、国家権力の乱用です。民間企業が2%で貸そうが5%で貸そうが自由主義国家の政府の関わることではありません。

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