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2007年10月 2日 (火)

朝日、読売、日経のネット提携に紙へのこだわり

日本経済新聞、朝日新聞、読売新聞。激烈な部数競争を繰り広げてきた大新聞のトップが、いまさら手を握り合っているサマは、どこか醜悪で情けない。

「時代についていけない年寄りどうし、互助精神でいきましょう」

そう感じるのだが、いかがだろうか。ニュース媒体としてもはや無視できなくなったインターネット分野で手を組み、共同のポータルサイトをつくるという。10月1日に三社の社長が顔をそろえて記者会見したのはいいのだが、何が狙いなのかよくわからない。

そもそも三社とも「NIKKEI NET」「asahi.com」「YOMIURI ONLINE」という自社のサイトを持っている。それで十分だと思う。これを充実させればいい。

にもかかわらず、なぜ三紙のニュースを集めるのだろう。主要記事や社説を無料で読み比べられるのがウリだとか。

では、社長たちの発言をうかがおう。

日経の杉田亮毅社長「共通サイトでそれぞれが出すコンテンツからそれぞれのHPに飛べば、その詳細が読める。共通サイトのページビュー(PV)が上がれば3社のPVも上がる。そのようなものを作りたい」

朝日の秋山耿太郎社長「ポータルで読み比べできるのに、何を今さらというご質問かと思うが、これからの中身次第だと思う。どうすればより魅力的なものができるのか。3社の若い世代の人たちに一生懸命考えてもらっている。」

読売の内山斉社長「3社が流しているニュースによって、ネットを通じた購読申し込みが万単位である。だから、基本は無料だが、全部ニュースを流してしまうのではなく、詳しいことは朝日、日経、読売をご購読ください、とつなげていく作戦をとろうと、いま具体案を作っている」

新聞をはじめとするメディアはグーグルやヤフーなど様々なポータルサイトへニュース記事を提供している。このためグーグルなどには610以上のメディアサイトからのニュースが寄せられ、使い方しだいではパソコンというハコの中で、ほとんど十分といえる情報を享受できる。
しかし、そのために「ネットがあれば新聞なんていらない」という若者がふえているのも事実。このままでは新聞媒体の将来に明るい展望がない、何とか手を打たねばという危機感や焦りはよくわかる。

だが、三人の社長の話には巨大マスコミの傲慢さや、ネットを見下したような姿勢が透けて見えるのだ。

杉田社長「ネット世界における新聞社の発言力を高めていくための提携だ」

秋山社長「ヤフーやグーグルなどポータルサイトで流れているニュースは多いが、そこで流されているニュースの圧倒的な数は新聞社が発信したもの。新聞社の影響力をもう一度認識していただく」

それはごもっとも。新聞社の優秀な記者のおかげで、ネット上においてもニュースを楽しむことができる。

ならば将来、他のポータルサイトへのニュース提供をストップしたり、提供価格をアップする可能性はあるのだろうか。

内山社長「現時点でヤフーなどへの記事提供を止めることは考えていない」

それはそうだろう。ネットで読める新聞社は三社だけでない。毎日も産経も東京もある。有力地方紙も数多い。CNN、時事ドットコムなども頼りになる情報源だ。加えて、韓国や台湾の新聞の日本語版や世界各国のニュースサイトも読める。

紙媒体で圧倒的部数を誇る三社とはいえネット世界では、強気に出たら自らの首を絞めるようなものだ。

なによりも、御三方の話をうかがっていると、やっぱり紙にこだわっていることがよくわかる。

古き良き新聞人ここにあり、である。

ネットの世界から新聞を見ようとしていない。1ヶ月間でもいい、仕事を休んで、ネットの世界にひたりきって遊んでみたらいかがだろう。ネット社会から眺める新聞の姿はまた違って見えるかもしれない。

ネットを制するには、新聞からネットをみないで、自らがネットになりきることだ。新聞を利することを考えないで、ネット利用者を利する手だてを考えることだ。

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コメント

ネット利用者に利するものがネットを制する、というのはその通りだと思います。買うも買わないもお客さんが決める、というのが完全な自由市場の原理原則だからです。

しかしながら現実は完全ではありません。クレイジーパパが過日のブログでご指摘のように情報の大基幹は官僚組織が握っていますし、この頂上の下に新聞社とテレビ局と通信社の裾野に広がっているのが現実です。この情報のピラミッド構造は日本であれは外国であれこの先も変わらないのではないでしょうか。

しかも既に民法テレビ局は少数の新聞社の資本と情報によってほぼ系列化されつまり寡占化が完了してしまっています。残るはNHKだけです。又、各地の地方新聞は共同通信のフランチャイズチェーンのようなものですが、彼らもまた地方のテレビ局を支配しつつも大新聞社に系列化されています。

ですから今回の三大新聞の提携の狙いもテレビについでネットの寡占化をはかろうとする、なお、そのことを通じて新聞市場における一層の寡占化をはかろうとするものではないでしょうか。

思うに、30年後には三大紙以外の中央紙は無くなっている可能性が少なくありません。ひょっとすると三大紙や地方紙も無くなっていて「今日の日本」とかいうような1紙に統合されているかも知れません。
つまり情報の世界では金融の世界と同じような再編と統合が起こるのではないでしょうか。まあ日本語という絶対的な障壁があるだけ新聞社は金融機関よりは遙かに有利ですが。

ライブドアや楽天がさかんにテレビ局を手に入れようとしましたが、結局のところ電波は総務省の役人の手のうちにあって彼らのような雑魚の手に負えるものではありません。三大紙が束になってかかれば何とかなるかも知れないと考えると、或いは今回の提携は官僚支配の壁を破るためのカルテルなのかも知れません。いずれにせよネット市場もまた完全に自由な市場ではありません。

通りすがりの業界内の者です。

批判はもっともだし、ネット時代を切り開く構想を示して尊敬を集めることができないのは問題です。

ただもう少し長い目で見てもらえればと。
大マスコミ批判は簡単なのですが、要は、ほとんどのブロガー、snsも含めて、結局書き込むネタは新聞、テレビの流すネタに依存しているという現状はどう思いますか?
ネットが普及したとはいえ、ユーザーの意識からマスコミのつくる幻想の共同体は簡単には消えないでしょうし、ネットの世界に対してそれなりの貢献をし続けていると考えるのは思い上がりでしょうか。思い上がりなんでしょうね。すいません。

そしてもうひとつ、新聞社の存在理由のひとつは、まがりなりにも金持ちや政治家、官僚機構といったものの腐敗監視をしていることです。新聞社の力が落ちたとき、得するのはだれでしょう?ネット読者でしょうか。権力者の側ではないでしょうか。

商業紙の限界はあるかもしれませんが、これだけのジャーナリスト集団を雇い続けるコストを誰が支払っているのでしょう。ネット読者ですか?私も含めネット読者は無料でその記事を享受しています。
いまのところ新聞社を支えているのは、紙の読者と広告です。ネットの収入は数パーセントにもあたりません。
部数が落ちてくればネットで稼ごうとするのはあたりまえの選択です。

 問題はなぜ3社連合なのか、ですが、 産経、毎日、共同と地方紙47ニュースと、それぞれ何かやっている。何もやらないで手をこまぬいていては評価が落ちる(系列局の株価が落ちる)というのもあるかもしれませんね。
 「新聞界での3社の影響力はすごい。なぜネット上ではそれほどでもないんだ」といういらだちのあらわれかもしれません。

また、3社の視線の先には、配信契約の値上げ、があるかもしれません。新聞側には、ブログが登場する以前から、ネットのトラフィックを支える記事を提供してきたのは我々だという意識があるでしょう。新聞記事の2次利用だからそのコストは低く抑えていた。しかしもはや2次利用ではなく、1次利用という様相になってきた。ならばポータルは応分の負担を、ということなのでしょう。
 あるいはもっと単純に、「彼らが記事をつかって恒常的なトラフィックを集めて広告商売しているなら、うちらもやれるかもしれない」ということか。

ちなみに最近はクリック数よりも滞在時間で媒体価値を評価する流れが起きつつあります。そうなるとオークションサイトでクリックを稼ぐヤフーと、長い記事を読ませる新聞サイトと、どちらが本当に広告価値が高いサイトか、という話もあるようです。

長々と失礼しました。要は、ネット読者も新聞社を買い支えてよ、ということがいいたかったのかもしれません(笑)

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