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2007年10月19日 (金)

中国反対のなか、ダライ・ラマに米議会が最高勲章

なぜ、人はチベット仏教の最高指導者、ダライ・ラマ法王の言葉を聴きたいのだろうか。

リチャード・ギアの司会によるニューヨークの野外講演には20万人がつめかけ、宮島を訪れたときは、日本だけでなくロシア、イギリスなど世界各地から人々がやってきた。

今月17日、アメリカの連邦議会円形広間にダライ・ラマの姿があった。ペロシ下院議長からダライ・ラマに最高の栄誉をたたえる米議会のゴールド・メダルが授与されたのだ。ブッシュ大統領も出席した。

かつてフジテレビが独占インタビューしたダライ・ラマの映像がある。

いつものように「ハッハッハッハ」と屈託なく、野太い声で笑いながら、法王は英語でしやべりはじめた。

―キリスト教とイスラム教の対立について。

「9.11事件以来、言い続けているのですですが、イスラム教にもっと敬意を払うべきです。テロに一部の人が走っているからといって暴力的と考えず、お互いに認め合うべきです」

―青蔵鉄道が開通しチベットは漢族の観光客であふれています。ラサのポタラ宮に法王の写真は貼ってありませんでしたが・・・。

「中国では私のことを中国人民の敵という人がいるようです。私は友達と思っているが、彼らは敵と思っているとしたら、なぜそう思うのか聞いてみたらいいかもしれませんね」

インタビュアーはダライ・ラマの印象を「父に抱かれるような包容力を感じた」という。

タイム誌が「忍耐、謙虚さ、思いやりの心を教えてくれた」と絶賛し、「クンドゥン」や「セブンイヤーズ・イン・チベット」などの作品に映画化されたダライ・ラマへの尊崇の念は米国内で想像以上に強い。

米連邦議会が最高勲章のゴールドメダルを渡すと決めたとき、ブッシュ大統領は対応に悩んだはずだ。中国への配慮から、これまでダライ・ラマのワシントン訪問の際に目立つ行事は開かれていなかったからだ。

しかし、中国の反対を押し切って、今回、ブッシュ氏はダライ・ラマに会った。公式の場で米国の大統領が会うのは初めてのことである。 

「ダライ・ラマを中国に受け入れるよう、中国の指導者への働きかけを続ける」

ブッシュ氏としては精一杯の言葉であっただろう。

欧米には、北京オリンピックをひかえ、中国の人権弾圧を批判する声が強い。中国政府のダライ・ラマへの対応を変え、チベットへの帰国を実現するには、今が最大のチャンスなのである。

どうして中国は、非暴力をとなえるダライ・ラマをそんなに敵視するのだろうか。

チベットは地下資源が豊富で、インド国境の軍事的拠点でもあり、中国政府はその分離独立を恐れている。チベットの精神的支柱であるダライ・ラマは独立運動を刺激する存在と考えているのだろう。

ダライ・ラマは断言している。

「独立は求めない。中国の憲法に従い、チベット人が自治できるよう求めているのだ。」
 
侵略、征服、反乱、革命を経験してきた中国が自らのモノサシで判断すれば、「人は欲がある。信用できない。たとえ宗教者でも」ということになるだろう。

しかし、他の宗教や思想を排斥せず、この世のすべてを一体ととらえる仏教の本質を理解すれば、中国が恐れるようなことは決して起こらない。

第二次大戦後、人民解放軍の侵攻により、ダライ・ラマは、ヒマラヤを越えて亡命、インド北西部、ダラムサラの地に亡命政府を樹立した。

それでも、中国を敵視せず、チベットの人々の苦難を救うため、各国の政治家はもとよりローマ法王ら他宗教の指導者にも会い、世界に「平和へのメッセージ」を発信しつづけている。

テロや犯罪の絶えない今日、ダライ・ラマの説く「慈悲の心」にしずかに耳を傾けてみたい。

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コメント

中国政府には困ったものです。ダライ・ラマはアジアの誇る生き仏であるばかりか人類の誇る叡智と仁愛の象徴です。

お釈迦様が平穏に長生きしたせいか仏教は非常に穏やかな宗教ですが、若くしてキリストが磔刑で殺されたキリスト教は決して穏やかとは言えない宗教です。事実、良くも悪くもキリスト教は常に十字軍的です。モハメッド(ムハンマド)のイスラム教はその中間でしょうか。

思うに世界史的にはヨーロッパ中心のキリスト教文明とファシズムやコミュニズムのような集団主義の時代はやがて終わり、22世紀にはアジア中心の穏健な仏教的文明と調和的な個人主義が世界を覆うようになるのではないでしょうか。

ラマ教の法主座への復帰やチベットの主権回復という次元を越えてダライ・ラマはその未来の世界文明の先駆者の様に思われます。

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