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2007年10月30日 (火)

守屋証人、同罪の政治家名を明らかにせよ

前防衛事務次官、守屋武昌氏はぽっちゃりした童顔で、お堅いイメージの官僚諸氏のなかでは、親しみやすいほうかもしれない。

僕は下戸で、ゴルフもやらないが、どうもこの国では酒が好き、ゴルフが好きというのは、仕事を進める上でけっこうな武器になるようである。酒が入らないとおたがい打ち解けず、言いたいこともいえない国民性があるのだろう。

守屋氏への証人喚問は、案の定、追及が生ぬるく、防衛専門商社山田洋行の宮崎元専務と土日になれば接待ゴルフに明け暮れ、元専務や大物政治家と宴席を囲むといった実態が、本人の口から語られたという意味があったに過ぎない。

肝心の、業者への便宜供与があったかどうかや、宴席をともにした政治家の名前などはわからずじまいだ。

「特定の名前を挙げるということは私としてご迷惑をかけることなので、差し控えさせていただく」という守屋氏の言い分をすんなり受け入れてしまう質問者たちの、この淡白さは何だろう。

まさか、山田洋行から政治献金をもらっていた党幹部の名前が出るのを恐れた、などということはないとは思うが・・・。

さて、この守屋という人、けっこう防衛記者クラブのメンバーには評判がよかったのではないだろうか。あらゆる重要情報がこの人に集中するわけだから、当然、記者たちの取材のキーパーソンである。こういう、お役人というより政治家タイプの人物は、記者たちを大事にするものだ。

事務次官室を訪ね、あの小さな目でにっこり迎えられ、守屋ペースにはまったのではないか。親分肌の人は魅力的である。「天皇」と呼ばれる大物にかわいがられたら、批判記事は書きにくい。それも人情だ。

その証拠に、小池百合子氏が女性初の防衛大臣になり、守屋氏退陣の人事案件が毎日新聞に漏れたさい、どちらかといえば守屋氏の肩を持つような論調が多かった。毎日に抜かれたということもあるが、次官に相談をしない小池氏の独断的なやり方を「非常識」と批判する記事が目についた。

ところが、結局、防衛省を去り、情報源としての重要性がなくなったとたん、メディアは手のひらを返したように守屋攻撃を始める。守屋氏に象徴される防衛省の暗部を暴くことが取材の眼目となった。いったん流れが変わるとメディアの力は恐ろしい。

29日の証人喚問。深谷隆司委員長が裁判官のように尋問する。

「あなたは守屋武昌君ですか」

守屋氏「守屋武昌です」

深谷氏「生年月日、住所、職業を述べてください」

守屋氏「昭和19年9月23日生まれ。新宿区」

深谷氏「職業は」

守屋氏「職業は無職です」

無職、守屋武昌。鎧兜を脱いだ、ただの人がそこにいた。

防衛省事務方トップの肩書を失った男に、東京地検特捜部は容赦なく捜査の手を伸ばしてくるだろう。検察の捜査着手を察知し、守屋氏に対するメディアの攻撃がはじまった。検察が重要視していなければこれほどの取材合戦が展開されるはずはない。

守屋氏は内心、悔しい思いをしているに違いない。現役時代、あれだけ自分に擦り寄ってきた政治家や政治部記者や業者たちの冷たさに。いま、彼の自宅にコメントを求めて押しかけるのは見たこともない若手記者だろう。

守屋氏が事務次官になったのが2003年8月1日。それから退任するまでの間の防衛庁長官または防衛大臣は石破茂、大野功統、額賀福志郎、久間章生、小池百合子の各氏だ。彼を退任に追い込んだ小池氏は別として、他の4人の責任も大きいのではないか。「守屋天皇」と呼ばれるほどの権勢をふるい、業者との癒着の噂は絶えなかった。大臣の耳に入ってないとはいわせない。

いまになって「守屋氏がそんなことをしていたとは全く知らなかった」「宴席をともにしたことはない」などといっても、誰が信用するだろうか。

はっきりいって、見て見ぬフリをしてきた彼らも本質的には同罪なのである。

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