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2007年10月 5日 (金)

北の思惑通りか、南北会談、6カ国合意

北朝鮮の核放棄が完全なかたちで実行されると思っている人がどれだけいるだろうか。核を外交カードにして、経済援助を引き出してきた国がむざむざと大切なものを捨てるはずがない。

ところが、しょせん幻想に過ぎない「核放棄」を前提にコトがどんどん運ばれていく。しかも何もかも北朝鮮の思惑通りに進んでいく。日本の拉致家族の心情などお構いなしに。

「どうですか、こちらの冷麺はソウルのよりおいしいでしょう」。金正日総書記がそう言うと、盧武鉉大統領は一瞬、困惑した表情を見せたが、気を取り直して「麺がしっかりしていますね」と答えた。

北朝鮮では、偉大なる将軍様に多くの貢物をたずさえた南の指導者が訪れ、畏敬の念をもって接しているように見えているのだろうか。

それはともかく、二人は「南北関係発展と平和繁栄のための宣言」なる共同宣言に署名し、発表したという。

《北と南は、軍事的敵対関係を終息させ、朝鮮半島で緊張緩和と平和を保障するために、緊密に協力することにした。》

軍事分野での合意が初めて盛り込まれた。休戦協定の当事国である米・中が加わっていないので終戦ではないが、それに大きく近づいた印象を与える内容だ。

《北と南は、経済協力のための投資を奨励し、経済インフラ建設と資源開発を積極的に推し進め、民族内部の協力事業という特殊性に合わせて各種の優遇条件と特恵を優先的に付与することにした》

次期政権に負担を強いる大きな経済援助が盛り込まれている。

先日の米韓大統領会談で、盧武鉉大統領は「終戦宣言をしたい」、とブッシュ米大統領に迫ったが「まだ早い、核廃棄が先だ」といなされた。

それでも盧武鉉大統領は将来にわたる巨額の経済負担を約束してまで「平和」への合意をとりつけた。

一方、ブッシュ政権がめざすのは「北の非核化」だ。その実現のために、ヒル国務次官補が北朝鮮との直接交渉をしてまで「核無能力化プロセス」を進めようと躍起になってきた。

南北会談に時期をほぼ合わせるように中国が発表した6カ国協議の合意文書によると、北朝鮮は、寧辺の核施設の無能力化やすべての核計画を年内に申告することで合意したという。

これによって、北朝鮮には将来的に重油100万トンに相当する支援が与えられ、米国は北朝鮮のテロ支援国家指定解除に向けて動くことになる。

ブッシュ大統領は「完全で検証可能な非核化という究極のゴールに向けた新たなステップを提示した」と語った。

北朝鮮の非核化を政権の歴史的功績としたいブッシュ大統領の意図は明らかだ。このブログですでにふれているように、寧辺の核施設の無能力化は北朝鮮にとっていっこうに差し支えないことなのだ。無能力化のレベルはともかく、これは確実に実行するだろう。

問題は濃縮ウランだ。合意内容にはこれについての記述がない。ウラン濃縮施設二箇所を有しているといわれる北朝鮮は、ウラン計画は存在しないと、これからも主張し続けるだろう。そのうえで寧辺の核施設を差し出し、見返りに巨額の経済援助を得る。

北の“核放棄”は各国の諸事情を調整し政治的に仕組まれたシナリオにそって、見た目には前進を続ける。そのことが米韓の現政権にとっては重要なのではないか。完璧をめざせばうまくいかないと考えるのが現実的だろう。ただ「核無能力化」が仮に、あいまいさを残した妥協の産物になったとしても、北の核開発の進行を遅らせることくらいはできる、と思っているに違いない。
 
盧武鉉大統領は朝鮮戦争終結への道筋をつけ、それを政治的功績として迫り来る大統領選挙の流れを自派に有利に進めたいという思惑がある。その前提となっているのは北の核放棄だが、「核無能力化」の完遂を6カ国が認める時を待っていては、大統領選が終わってしまう。

今がタイムリミットなのだ。だから、わざと北から会談時期を延期され、そのため拙速な感じで北へ行ったために、金正日総書記に足元を見透かされ、思いのままに扱われて、たじろいだ。

金正日総書記は非核化をカードに、さまざまな揺さぶりをかけつつ有利に米国、韓国との交渉を進め、莫大な経済援助という収穫を手にしたいだろう。米韓の大統領選前は最大のチャンスである。

町村官房長官は南北会談に関し「東北アジア緊張緩和のための実質的成果を期待する。同時に盧武鉉大統領が日本人拉致問題に対して言及すると聞いている」とその場しのぎの談話を出したが、今回の会談で日本の拉致問題が話題にされた形跡はない。

一人蚊帳の外の日本は、家族と引き離された人々を救えず、北からの核ミサイルのターゲットにされ続けるのみなのか。福田首相の手腕のみせどころだ。

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