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2007年11月 1日 (木)

鳩山法相アルカイダ発言と無防備ニッポン

バリ島の繁華街で、イスラム過激派が仕掛けた自動車爆弾が爆発、ディスコなど多くの建物が破壊され、202人が犠牲となった。2002年10月のことだ

新婚旅行中の日本人夫婦が巻き添えになり、亡くなった。実は、そのご主人とは仕事の関係で知り合いだった。会社からの葬儀の案内があり、弔電を打ったことをおぼえている。

「友人の友人がアルカイダだ」という発言で、またまた物議をかもしている鳩山邦夫法相は蝶のコレクターとして世界の研究家にも知られる存在だ。

蝶との対話は得意だが、どうも人間とのコミュニケーション能力がいまひとつのようで、発言が誤解を受けやすい。

先月29日、外国特派員協会でスピーチしたあと、「友人の友人がアルカイダだ」というフレーズが世界中に撒き散らされた。

日本の記者会見と違って、なぜか外国プレス相手のほうがリラックスする傾向があるようで、元公安調査庁調査第二部長、菅沼光弘氏などはそれまでタブーとされていた「日本の裏社会」の実態をかなり詳しく外国特派員協会で語ったことがあった。

さて、前置きが長くなったが、鳩山氏の発言がどのようなものであったのか、この機会にきっちりと把握しておきたい。単に彼を一種の変人として揶揄するだけでは何の意味もない。

そもそも、今回の発言は改正出入国管理・難民認定法が11月20日から施行されることに関して飛び出してきた。

この法律の主な改正の中身は「16歳以上の全ての外国人に対し日本入国のさいに顔写真の撮影と指紋の採取が義務付けられる。永住権を持つ外国人や国賓、外交官、駐留米軍兵は対象外となる。提出された個人情報は犯罪捜査のために保管される」というものだ。

フランス出身のイスラム武装組織のメンバー、リオネル・ドゥモン容疑者が偽造パスポートで入国し、資金集めをしていた疑いがあることなどが法改正の背景にある。もちろんプライバシーの侵害を懸念する声も多い。

鳩山法相の発言の詳しい内容は、外国特派員協会で聞いたわけではないのでわからないが、31日の衆院法務委員会で民主党の加藤公一議員に答えた鳩山法相の話をもとに事実関係を整理しておきたい。

まず、鳩山氏が友人から聞いた話の内容はこうだ。仮に友人をA氏、鳩山氏と面識のないその友人をB氏としよう。

A氏はもともとB氏とともに会社を経営していた。B氏は標本商として昆虫の世界では有名な人で、鳩山氏も名前は知っていた。ところが、おそらく肉親を殺害されたことがきっかけでイスラム過激派に共感するようになり、アルカイダのメンバーになった。それ以来、パキスタン方面に行ったままB氏の所在がわからなくなった。

そして5年前、B氏からA氏に久しぶりに電話があった。「バリ島の中心部に近づかないほうがいい」という知らせだった。そしてほんとうに事件が起きた。

その数ヵ月後にA氏が鳩山氏にそれまでのB氏に関する話をした。

さらに2年が経ったころ、バリ島事件にからんでいたB氏が偽造パスポートを使い、ヒゲによる変装でその間に2,3回、日本に入国したことをA氏の連絡で知った。

鳩山氏は当時、大臣ではなかったが、衆院議員にはちがいない。法務委員会ではこの情報を得た鳩山氏がどう対処したかが焦点となった。

鳩山氏 「入管に、アルカイダと関係の深い人物が何回も入国しているが、なぜそんなことを見過ごすのか、とただした。偽造パスポートは膨大な量であり、チェックが難しいと入管が言うので、そんないい加減なことでいいのか、と叱責した」

加藤氏 「刑事訴訟法からいうと、あなたの立場なら告発する義務があるのではないか」

鳩山氏 「友人の立場もあり、告発はしなかったが、警察、防衛省の担当者を議員会館の事務所に呼んで話をした。これだけの手がかりがあるのだから調査できるだろうと言ったが、彼らはその後この件に手をつけようとしなかった」

以上が、話の概略である。バリ島事件に関与したアルカイダメンバーであり、名前や出身地が分かっていて、人物を特定できる。しかも日本に何度もやってきて足跡を残している。さらに国民を代表する国会議員からの情報である。

それでも、警察も防衛省も動かない。この国の守りはほんとうに大丈夫なのか。

テロリストの潜伏をいとも簡単に許し、機密情報は漏れ放題で「スパイ天国」といわれ、防衛省も警察も個人の保身や利益の虜になって不祥事ばかり繰り返す。

このていたらくでは、改正出入国管理・難民認定法も、外国人から指紋や写真をとって嫌がられるのがオチで、思ったほど効果がないのではないか。とどのつまりは役人がラクをするためだけのものに成り下がる。もはや、「無私の精神」とか「使命感」とかいうものは、ほんとうに死語になってしまっている。

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