« 給油疑惑の真相を隠し、新テロ特措法案衆院通過 | トップページ | 久間、額賀に“復讐”した守屋の胸中 »

2007年11月15日 (木)

守屋Xデー迫る 巨悪解明へ問われる検察の真価

元防衛事務次官、守屋武昌の自宅前に張りつく報道陣が日に日にふえている。自宅にタクシーを呼び、一目散に乗り込まないと外出もままならないのが守屋氏の日常だ。

Ⅹデーは近いと思われる。東京地検特捜部は防衛省関係者約20人や米ゼネラルエレクトリック(GE)社員から事情聴取するなど、あわただしい動きを見せている。特捜部は守屋氏から、防衛利権に群がってきた政治家にまで、捜査の手を伸ばしたいはずだ。

守屋氏は15日、参院で2回目の証人喚問に応じるが、焦点となる便宜供与や偽証にかかわる問題については固く口を閉ざすに違いない。彼の頭の中は、どうやって検察の逮捕を免れるか、それだけであろう。

守屋氏に向けられている容疑は収賄である。山田洋行元専務の宮崎元伸が200回にわたり守屋氏をゴルフ接待した費用、千数百万円のうち、時効にかからないこの5年間については500万円ほどが宮崎側から出ている。最初の立件事実としては、これだけの利益提供を受けたことで十分だろう。

その見返りの便宜供与については、次期輸送機(CX)のエンジン調達をめぐり、宮崎が設立した日本ミライズにGEのエンジンを納入できるようとりはからった疑いがもたれている。

財務省の「随意契約見直し」通達を受け、防衛省内でGEとの直接取引を進める動きが強まったが、守屋氏一人で、ミライズとの随意契約を主張したとされる。
 
英国BAEシステムズ社製チャフ・フレア・ディスペンサーの契約にからむ山田洋行の1億円前後の水増し請求について、なんらペナルティーが科せられなかった件も、守屋氏の関与が取りざたされている。

守屋氏が受けた利益提供は、おそらく接待だけではないだろう。現金を受け取っていたことも十分考えられる。そして、それが他の防衛官僚まで汚染していたフシがある。

守屋氏が「この資金を運用して増やしてくれ」と4500万円もの大金を防衛省内局の現職の課長に渡していたことが防衛省の調査で判明した。課長はそのカネを株取引に投じたが、失敗したため大きな損失を出し、自宅を売り払って守屋氏に返したという。

おそらく、当初、「儲けは山分けに」とでも話し合っていたのだろう。それにしても、いくら防衛省の事務方トップとはいえ、国家公務員にそんな大金をポンと預けるほどの財力があるとは思えない。それを受け取るほうもどんな種類のおカネかは察しがついていたと考えるのが自然だ。
 
当然、カネの出処は、宮崎ではないかと推測される。もちろんほかにも守屋氏にすり寄っていた業者は多かっただろうから、宮崎でない可能性も十分ある。

宮崎は役員報酬などの名目で支出した資金を山田洋行の米国子会社の複数の銀行口座に裏金としてプールし、これまで約30年間にわたる裏金の総額は5億円以上といわれている。このほか過去5年間、国内子会社を使って1年に約200万円、計約1000万円の裏金をつくっていたことも分かっている。

防衛省の腐敗を想像させる、おそるべき事実がまだある。最近、民主党の浅尾慶一郎氏がテレビでしばしば取り上げている米軍住宅建設費の問題だ。

在日米軍再編による米沖縄海兵隊のグアム移転にともなって建設される、米軍住宅の建設費見積が一戸あたり日本円で8000万円にも及ぶことだ。米国側の見積ではわずか2000万円なのに、資金を負担する日本側の希望で、日本の企業に建設させると、こんな法外な価格になる。3500戸を建設するというから2800億円が必要だ。

これこそ税金の無駄遣いである。ここにも、防衛官僚、建築業界、政治家の防衛利権ネットワークが垣間見える。米国の建設会社に建設を任せてコストを安く済ませようという精神はみじんもなく、税金を湯水のごとく使って業者に巨額の利益を上げさせ、その分け前にあずかろうという魂胆がみえみえなのである。これでは国民は浮かばれない。

守屋氏はこうした防衛省の真相をもっともよく知りうる人物だ。闇の中から、「巨悪」の構造を暴き出すには検察の力に頼るほかはない。ホリエモンや村上ファンドどころの問題ではないのだ。検察の真価が問われている。

                          (文中一部敬称略)

« 給油疑惑の真相を隠し、新テロ特措法案衆院通過 | トップページ | 久間、額賀に“復讐”した守屋の胸中 »

「ニュース」カテゴリの記事

「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

「経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/335692/8927130

この記事へのトラックバック一覧です: 守屋Xデー迫る 巨悪解明へ問われる検察の真価:

« 給油疑惑の真相を隠し、新テロ特措法案衆院通過 | トップページ | 久間、額賀に“復讐”した守屋の胸中 »

フォト

1日1回応援クリックお願いします↓

過去の全ての記事

2016年6月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30    

microad

無料ブログはココログ