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2007年12月10日 (月)

掘ればまだある、霞ヶ関埋蔵金

「霞ヶ関埋蔵金」と名づければ、興味津々だが、タネ明かしをするなら、特別会計の“巨額ヘソクリ”なのだ。定収入ではないが、それを使えば“火の車国家財政”の一時しのぎにはなる。

「埋蔵金」を掘り当てたなどとヒーロー扱いをするつもりは毛頭ない。それでも、自民党内で、元幹事長、中川秀直はちょっぴり男を上げたのではないか。とりあえず「埋蔵金」ありやなしやの論争に決着をつけたのだから。

論争の相手は、増税派の急先鋒、与謝野馨ということになるのだろう。

与謝野は10月上旬、1年ぶりに再始動した党財政改革研究会において、中川が主導してきた「増税なき財政再建」を「悪魔的だ」と批判した。そして、中川と中身が異なるが、民主党の「ムダを省けば財源はある」との主張に対しても「霞が関埋蔵金伝説の域を出ない」とバッサリ斬り捨てた。

ここから、自民党内での「埋蔵金」論争がはじまった。中川が「埋蔵金はある。伝説ではない」と反論したからだ。

その後を語る前に、それまでの経緯を振りかえっておきたい。

財革研は与謝野が小泉政権の政調会長を務めていた平成17年2月に設置され、その年の10月の中間報告で、増税による財政再建路線を色濃くにじませた。

この後、中川が政調会長に就任し財革研会長を引き継いでから潮目が変わった。「与謝野路線は小泉改革に逆行する」と消費税論議を封印したのだ。安倍内閣まで、その流れは変わらなかった。むろん、与謝野は内心、おだやかではなかっただろう。

10月の財革研再開は、福田内閣の誕生によって、与謝野、谷垣、町村ら増税派が復権したことを物語っていた。

さて、中川らのいわゆる「上げ潮」路線を「悪魔的だ」とののしった与謝野発言のあと、機会あるごとに中川は「埋蔵金はある」「埋蔵金を探し出す能力が求められている」などと主張してきた。与謝野や谷垣は「どこにあるのか」と反論を続け、町村も否定的な見解を述べていた。津島雄二税調会長にいたっては「これはまともな政策論にはならない」と決めつけた。

そこで、中川はついに行動に出た。12月5日、福田首相に面会を求めたのだ。「埋蔵金実在に関するメモ」を事前に記者団に配る念の入れようだった。そのメモをそのまま紹介する。

特別会計の積立金には二種類ある。一つは、年金等の積立金。これは年金給付に支障ができるので、取り崩せない。もう一つは、これまでの運用益累積の繰越利益。これは取り崩しても当面の支障はない。具体的には、19年度末で、財融資金特会の繰越利益が19.6兆円、外為資金特会の繰越利益が19.3兆円ある。

中川は「過去に取り崩した例もあり、政令改正で対応できるのでぜひ財政再建に活用すべきだ」と強調、メモを見せて首相への直談判におよんだ。

不意打ちを食らった形の町村は「なるほど面白いご指摘なのでよく考えてみます」と一転、ソフトムード。ここから、再び、中川ペースになった。

翌日の6日には、津島税調会長の苦々しげな表情を横目に、財務省の額賀大臣と津田事務次官が相次いで中川提案を受け入れる内容の記者会見をした。

結局、財政融資資金特別会計の積立金を取り崩し、まず08年度予算で約10兆円を国債の返済にあて、次年度以降も年間1兆~数兆円程度の積立金を返済にまわす見通しとなった。

中川はメモに以下の考えを記している。

「民間会社なら、このような繰越利益の処分は執行役員が決めるのではなく、株主が決める。国なら、執行部門の役所が決めるのではなく、国民が決めるべきだ」

ただし、中川の言う埋蔵金は無尽蔵のものではない。毎年湧き出してくるものではないから、使い切ったらおしまいだ。

ほんとうの“お宝”があるとするなら、特別会計というブラックボックスから野放図に繰り出される補助金や、随意契約などによる莫大なムダを省くことによって浮くはずの資金である。

たとえば道路特定財源。国交省は平成20年からの10年間で60兆円ちかくも道路建設に使うというが、ほんとうに必要な道路だけならその半分もあれば十分だろう。今の日本において、道路よりも優先度の高いものはいっぱいある。

道路特定財源のガソリン税や自動車重量税は、継続的に国に入ってくるカネである。電源開発促進税や航空機燃料税もそうだ。

特別会計の歳出を、かりに20%くらいカットし、一般財源として自由に使えたら、どれだけ国民が助かるだろうか。

                                   (敬称略)

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