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2007年12月 8日 (土)

独法廃止で、省庁間談合を許すな

舛添厚労相は12月3日、独立行政法人の廃止・民営化で折衝にやってきた渡辺行革相に、複雑な笑顔をうかべて弁解した。

「うちの省が突出した感じにならないよう、大臣、よろしくお願いします、なんて言われたよ」

渡辺はその時すでにこんな噂を小耳にはさんでいた。各省の間で事前“談合”ができているというのだ。

「各省一つくらい、生け贄を差し出せば何とかしのげるだろう」という悪知恵である。

さすがの舛添も、社保庁や薬害など問題山積のおり、官僚の機嫌をそこねて、彼らの得意とするサボタージュをやられてはかなわない。いつもにくらべ、歯切れの悪い話しぶりとなった。

結局、国立健康・栄養研究所の廃止は決まったが、渡辺が重要視している雇用・能力開発機構の廃止については回答を保留された。

巨額赤字を垂れ流している「私の仕事館」や、民間でやれる職業訓練を主な事業とするこの機構に存在価値はない。渡辺も、この機構の廃止だけは譲れないだろう。

そもそも独立行政法人というのは、行政改革の一環として中央省庁から現業・サービス部門を切り離すのが目的だったが、現実には特殊法人から移行したケースも多い。

国が直接やらなくてもいいけど、公益性の観点から民間に委ねるのも心配。そんな事業を、民間的経営手法で行おうというのが本来の趣旨だ。

ところが、現実の101もある独法を個々にみていくと、時代が変わってすでに当初の役割を終えたものや、民間でやれるものが7~8割はある。ここで一つ一つ挙げるわけにはいかないが、時間のある方はぜひ、各省から出された関連独法の合理化案を子細に見ていただきたい。いかに各省が自分に都合のよい理屈をつけて存続を主張しているかが分かる。

渡辺は「どれもこれも役所の子会社、関連会社のようなものばかりだ」と憤る。これこそ独法にふさわしいと、誰もが納得できる事業内容の法人は数えるばかり。もちろん官製談合の温床にもなっている。

「例えば、似たような研究所をそれぞれの省がやっているが、こんなのは一つにまとめたらいい」と渡辺は指摘する。

全法人合わせて13万人を超える職員数。年間3兆5000億円にのぼる国費投入。だから「少なくとも半減をめざす」と当初は、渡辺の威勢もよかったが、あまりに官庁の抵抗が強いため絞込みを余儀なくされた。現在、関係府省に廃止や統合、民営化を求めているのは計38法人である。

官僚にとって、独法は天下りポストとして死守したいのが本音である。だから数は多いほどいい。とにかく減らされるのは嫌なのだ。ヒアリングすれば臆面もなく「国民にとって必要なものです」とこじつけの理屈を言い張るだろう。

渡辺は翌4日、農水省に乗り込み、農業生物資源研究所など多くの独法の整理合理化を求めたが、“農水仲良しネットワーク”の代表格、若林農水相には、省益以外、いかなる正論も通じない。廃止決定済みの緑資源機構をのぞき、素っ気ない「ゼロ回答」。あまりに杓子定規な言い回しに、渡辺のニコニコ顔も消えてしまった。
 
大臣室前で待ち受けていた記者団に「あの方は政治家というより役人だな」といまいましげに言葉を吐き捨てた。

後日、雇用・能力開発機構の施設を視察中に、渡辺の携帯が鳴った。「よけいなことは言わないように」。声の主は町村官房長官だった。

「官房長官は私の顔を見ると“頑張ってよ”と励ましてくれます」と能天気なことをいっているが、官房長官も首相も積極的に後押しをしようとしているとは思えない。「霞ヶ関改革」のポーズをとりつつ、官僚に細かく気を配っているように見える。

いずれにせよ、福田内閣の大半の閣僚は、省益の代弁者である。夜の酒盛りなどやめて勉強し、官僚の詭弁を論破するくらいのパワーを持ってほしいものだ。

「“暖簾に腕押し”の大臣もいらっしゃいます」と笑ってごまかさざるを得ない渡辺大臣の、心中はいかがなものであろう。まさか、あなたも首相や官房長官のペースにはまり、「ミイラ取りがミイラ」になってしまった、なんてことはないでしょうね。

                             (一部敬称略)

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