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2008年1月 1日 (火)

CO2削減元年、困難な目標に挑む日本

新しい年が明けた。めでたくもあり、めでたくもなし。時が過ぎゆく。それだけのことだ。

昨年からアメリカご自慢、金融工学とやらの危うさが波のように世界に広がって、今年、どこまで行き着くのやら。

150円にも跳ね上がったガソリン価格に、つい車に乗るのもはばかられ、米国製石油文明も崩壊近しとさえ思われる今日このごろである。

地球温暖化とか、気象変動とか、人にとってまことに厄介な現象も、石油文明の維持が前提ならば、とても解決することなどできないだろう。

とりあえず、温室効果ガスといわれる、CO2の排出量を減らすこと。それが国際社会の課題となっている。

そのために、削減の数値目標をあてがい、あてがわれ、フランスを先頭に各国こぞって原発建設が進み、放射性廃棄物を生み出して、人の拠って立つ地球の大地を汚している。

植物油で車を走らせるのがいいと思えば、食料危機の心配をよそに、トウモロコシやサトウキビから油をとり、森林を畑に変えて逆にCO2を増やすこともはばからない。

専門家が専門とする一定の問題を解決するために成果を上げても、その分ほかの問題が生まれ、世界全体、人類全体の解決にはとうていつながらない。今のところ経済と環境はすこぶる折り合いが悪いのである。

残念ながら、全てを統合して考える学問はなく、したがってそういう専門家はいない。

とはいえ、今年は京都議定書の初年度の取り組みが始まる。「EUにはめられた」と政府が言う、その6%削減目標とやらを日本が達成するのはどう考えても難しい。

ややこしい話だが、1997年の京都議定書は、2008年から2012年までにどれだけCO2の排出を減らすかという先進国の目標だ。1990年を基準にして、ヨーロッパは8パーセント、アメリカは7パーセント、日本は6パーセント減らすことになった。

日本は97年当時のアル・ゴア米副大統領が7%削減をOKしたから、6%というお付き合いをした。ところがその後、米国は上院の否決で、なんということか、京都議定書を離脱という暴挙に出た。アル・ゴアが、気象変動についての活動でノーベル賞をもらったことは、まさに「不都合な真実」である。

かくして、環境先進国の日本が、いちばん慌てなくてはならなくなった。基準年の1990年には、すでに省エネや排ガス対策が他の先進国より格段に進んでいて、それ以上の削減は難しかったのである。案の定、その後はCO2の排出が増え続け、今では90年より8%も増えている。京都議定書の6%削減をするには、2012年までに14%削減をめざさねばならないのである。

一方のEUは余裕しゃくしゃくだ。89年に「ベルリンの壁」が崩壊し、省エネが遅れていた東欧諸国が西側に入ってきたことで、90年時点ではヨーロッパのCO2排出量は急にバブルになった。そこから8%の削減というのは難しいことではないのだろう。

さて、世界は「ポスト京都議定書」を考え始めている。最大排出国の中国、2位の米国、もちろん急成長国、インドにも参加してもらわねば、何の意味もない。そのためのCOP13という会議がインドネシア・バリ島で開かれ、「バリ・ロードマップ」が合意された。すべての国が参加し、今後2年間の交渉で具体的なプラン作りを進める。

さすがに、今回の会議では数値目標の設定を日米ともに拒んだ。鴨下環境相は「一部産業界の反対があった」と国会で明かした。EU や環境団体から「日本がブレーキをかけた」と批判が出たのも致し方ない。京都議定書の二の舞を避けた形だが、米国との共同歩調という側面もあろう。

ただ、各国の共通認識は、2050年に2000年より半減させること、先進国は2020年に1990年比25~40%減とすること。「その認識の下で今後の交渉が進んでいくと理解している」と環境省の谷津審議官は国会で答弁している。

既存のエネルギー資源のもと、経済成長を優先させる限り、かなり厳しい目標に思える。それでも、これだけの思い切ったCO2削減をやり遂げないことには地球がもたないということなら、やらざるを得ない。

そのためには、文明の恩恵に浸ってきた僕たちは幸せというものを少しばかり考え直す必要もありそうだ。歩く幸せ、体を動かす幸せ。冬は寒さに震え、夏はびっしょり汗をかく、自然のままの幸せ。不便でも田舎に暮らし、土地を耕し収穫する幸せ。

家電製品も、車もなく、マキで風呂や飯をたき、何里もの道を歩く生活をやってみたら、案外、新鮮かもしれない。いや、心身がなまりきった僕らにはやっぱりできないことか。

せめて、早寝早起きでもして、家の節電なりともせねばなるまい。

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