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2008年1月20日 (日)

「加藤の乱」潰した野中・古賀への怨念を捨て「宏池会」再結成

福田内閣の無策ぶりが目立ち、早期解散総選挙と、その後の政界再編を想定して、合従連衡の動きが出はじめてきた。古賀派46人と谷垣派15人の合流、すなわち「宏池会」の再結成もその一つだ。

それにしても、谷垣禎一に迷いはなかったのだろうか。「加藤の乱」で古賀誠と袂を分かって7年余り。古賀の背後にはまだ、あの野中広務の影がちらついている。

福田政権誕生に、野中も一役買ったといわれる。自民党総裁選における福田の対立候補、麻生太郎はかつて野中に対する差別発言を、野中に厳しく糾弾されたことがある。古賀派がアンチ麻生にまわったのは、タカ派的な政策を掲げる麻生への反発とともに、野中の怨念の強さも感じさせる。政界を引退したといっても、議員バッジがないだけで、古賀を通じ、齢80歳にして隠然たる影響力を持ち続けているのだ。

この古賀派と谷垣派はいずれもハト派色が強く、総裁選では共闘して“麻生包囲網”を形成した。それが、両派急接近のきっかけとなった。

少数派閥の谷垣派が、多数派閥の古賀派と一体化するには、それなりの勇気と覚悟が必要だ。しかも過去の恩讐を越え、私情を断ち切らねばならない。

2000年11月20日。おそらく“その時”だけだろう。おとなしい谷垣が公の場所で感情をあらわにしたことは。
「大将なんだから、 1人で突撃なんてダメですよ!」。谷垣は森首相不信任案に賛成投票しようとする加藤紘一の肩をつかみ、声を震わせた。加藤は黙って涙をこらえた。

倒閣をめざす宏池会加藤グループの造反劇は、加藤とその同志たちの涙で幕を引いた。加藤のかつての盟友、野中の画策に敗れたのだ。野中に私淑する同じ宏池会の古賀誠のグループがアンチ加藤にまわり、票読みが狂った。「不信任案に同調すれば公認資格をはく奪する」という野中の恫喝も効を奏した。加藤グループの行動は完全に封じ込められた。

そのときの無念さは時を経ても忘れてはいないだろう。古賀から合流を打診され、迷いが全くなかったはずはない。古賀と野中はいまでも師弟の絆があり、古賀が福田内閣で選対委員長として“復権”してからは、野中自身、講演やメディアを通じて、発言の機会が増えている。谷垣にしてみれば、派閥から抜けてはいるが、加藤への気遣いもあろう。

しかし、宏池会は池田勇人、大平正芳、鈴木善幸、宮沢喜一の四人の首相を輩出し、保守本流の意識が強い。加えて、谷垣は将来の総理の座を期待される立場でもある。
合流後に、古賀が派閥運営の主導権を握ることは目に見えていても、野中と同様「キングメーカー」としての実権をめざしている可能性が強い。党務・閥務の類を苦手とする谷垣としては、そうした手腕に長けた古賀との連携は避けて通れないものだっただろう。

さて、竹中平蔵が主宰するチーム・ポリシー・ウオッチという政策研究ループが「選挙結果と政策シナリオ」という資料を公開している。総選挙結果を3つのパターンに分けて、それぞれのケースでどのような政治の流れになるのかという予測をまとめたものだ。

まず、「改革の勝利」のケース。 自民党及び民主党の一部が分裂し新党を結成する。この新党は有権者から大変人気を博し、政策課題を推進する。主要リーダーは前原誠治、浅尾慶一郎、小池百合子、河野太郎ら。竹中らの望むシナリオだろう。

次に、「大連立政権」のケース。二大政党は、痛みを伴う改革に取り組むことを怖がっている。その責任から逃れるため大連立政権を形成する。リーダーは小沢一郎、 福田康夫、麻生太郎ら。

最後に「守旧派連立の勝利」のケース。 政界再編後、両主要政党の守旧派が連立し、改革派は分裂する。1994年の自社さ連立内閣樹立に類似。リーダーは横路孝弘、古賀誠、伊吹文明ら。

これだと、古賀がリーダーとなるのは「守旧派連立の勝利」の場合ということになる。元来、宏池会は、社会保障や公共投資に積極的なハト派議員が多い。米国型の新自由主義経済政策を進めてきた小泉・安倍路線が格差を生み、地方の反乱を招いたとし、そこからの完全な政策転換を狙っている。民主党のリベラル勢力と結びつくことがあっても何ら不思議ではない。

しかし、これはおそらく竹中らが最も恐れるケースだろう。改革逆行とみなされ、世界資本の日本離れが加速するからだ。

61人で再スタートする新しい「宏池会」が、本流として政権の中枢に復活するのか、総選挙後に劇的政界再編の激震が起きて、再び分裂する憂き目にあうのか。逆説的な言い方だが、宏池会の議員諸氏が、宏池会という派閥に囚われず、大局的見地から、新時代に対応した政策を打ち出せるかどうかにかかっている。

                       (敬称略)

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