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2008年2月 8日 (金)

「北方領土」進展か?森喜朗が仕掛けた福田訪露

プーチン大統領が、福田首相のロシア訪問を要請している。かつてなかったことである。仕掛け人は、常々、プーチンとの仲のよさをアピールしている森喜朗元首相だろう。

経済評論家の財部誠一が「意外に、日本へのリスペクトが強いのはロシア。消費が爆発してるし、日本経済の牽引力になりうる」と最近の報道番組で語っていたが、ロシアから見ても、シベリア・極東の本格的な開発に向け、日本を頼りにしたいのは明白である。

昨年12月21日、森喜朗はプーチン大統領とともに、サンクトペテルブルクにいた。完成したばかりのトヨタ・ロシア工場を視察するためだ。政府の経済担当特別顧問に就任するトヨタ前会長、奥田碩もまじえ、ひとしきり話題になったのはシベリア・極東開発における日露の協力であった。

この訪露のさい、森はプーチンに福田首相からの親書を手渡していた。そこには「日露関係を新たに高い次元に引き上げたい」と書かれてあった。

2000年4月末、首相になってすぐ、森はアメリカより先にロシアを訪れ、プーチンと会談した。それ以来毎年、二人は会っている。おそらく森は福田首相とプーチンの仲を取り持つねらいで、親書を持参したのだろう。

「彼はとげが刺さった問題を解決したいと思っているはずだ」。森は、北方領土問題に対するプーチンの胸の内を推し測る。

福田首相の親書に書かれた「高い次元」とは、「北方領土問題を解決し、平和条約を締結して日露関係を全般的に飛躍させる」という意味だという。

択捉、国後、色丹、歯舞。北方四島の返還問題が一筋縄ではいかないことくらい、わかりきっている。

過去にさかのぼれば、1956年、日本政府は歯舞諸島・色丹両島の二島返還で妥協し、ソ連と平和条約を結ぼうとした。しかし、日露接近を恐れる米国の「国後・択捉の返還を含めよ」という圧力で締結できず、国交回復を目的とした共同宣言を出すにとどまった。

1973年に田中角栄首相が訪ソし「両国間の未解決の問題は四島問題である」と念を押したが、1998年、橋本・エリツィン川奈会談以降、微妙に流れが変わった。日本側に「領土問題」を「平和条約」と分離させようとする動きが出てきたのだ。

森も分離論者であり、プーチンに「まず二島の返還を実現してから交渉を進めたらどうか」という考えを2001年3月、イルクーツクで伝えた。つまり「四島返還」を平和条約締結の前提としていては、いつまで経っても話は進まないから、まず二島を返し、そのうえで残る諸問題についての解決をはかるべし、というわけだ。

しかし、その後の小泉政権時代、田中真紀子外相は父、角栄が確認した「四島一括返還」の原則を貫く姿勢を見せ、現実的なロシア外交を声高に唱える鈴木宗男の失脚もあって、森の画策は暗礁に乗り上げていた。

そういう意味で、プーチンによる異例の福田招請は、「イルクーツク提案を福田政権で復活させたい」という森の考えを受けたとみることもできよう。

福田首相は、プーチンが大統領を退任する5月6日より前に、ロシアを訪問することになりそうだ。福田首相にしてみれば、両国の最大の懸案を解決し、歴史に名をとどめたいに違いない。

ロシア国営ガスプロムは、2030年を目標としたシベリア・極東地域でのガス供給・開発計画を明らかにしている。サハリン、ヤクーチアなど4カ所にガス生産拠点を建設、全長9000キロのパイプラインで結び、ロシア、中国、韓国にガスを供給。ユジノサハリンスクから液化天然ガスを、海上輸送で日本や韓国、中国、北米へ輸出するという壮大なプランである。日本からは伊藤忠商事が事業協力に名乗りをあげている。

資源小国・輸出大国のニッポンとしては、ロシアの豊富な天然資源と成長が見込める巨大マーケットは魅力的だ。しかし、強権的イメージがつきまとう“プーチン王朝”に、ソ連時代の亡霊を重ね合わせる人も多く、“ロシアアレルギー”が日本国内に根強いことは確かだ。しかも、「四島一括」「二島先行」など、北方領土は国論を二分する問題である。

アメリカや中国に過度に依存した日本経済への危機感も台頭してきているだけに、7月の洞爺湖サミットを前にした、日露首脳の話し合いは、そうとう突っ込んだものになりそうだ。

                             (敬称略)

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