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2008年2月 3日 (日)

「道路」一般財源化を!片山前知事の声を聞け

 前鳥取県知事、片山善博は、全国知事会など地方6団体が道路特定財源の堅持を主張していることについて、「きわめて不自然だ」と今朝のフジTV・報道2001で語った。

 片山は現在、慶応大大学院教授だが、自治官僚出身で知事を2期にわたってつとめた経験から地方自治の現場を知り尽くしている。発言内容はこうだ。

 「道路特定財源を一般財源化したほうが、その地域の実情に合わせて何にでも予算を使えるわけだから、いいに決まっている。実際に話を聞くと、道路よりも自由に使えるカネが欲しいという首長が多いんです。道路だけの特定財源を維持しようというのは、地方分権に逆行するわけですしね」 

 地方が自由に使える財源。それは知事時代の片山が渇望していたことだった。
 2004年度予算で地方交付税をカットした小泉純一郎に対し、片山ら全国知事会は「地方が自由に使えるカネを増やせ」と抗議した。地方自治体はヒモ付きでなく、自由に使える財源が欲しい。当然のことだ。

 ところが、中央官庁はいつまでもカネにヒモをつけて、地方自治体を操縦する権限を確保したい、と考える。その省益とタテ割り行政こそが、天下りという官僚の将来設計を担保するからである。

 片山が語る中央官庁と地方とのやり取り。
 「例えば、林道をつくれといって、国が予算をつけようとする。いや、林道は要らないから、そのカネを他にまわしたいというと、それはできません、もうおたくの県は林道予算は要らないんですね、とくる。脅しですか?報道に言いますよ、とこちらが強気に出る。すると、いやそんなことはありません、となるわけです」

 さて、道路特定財源だが、現実には自民党政権のもとで、暫定税率分がなくなったら大変である。なぜなら、地方はそのカネの配分を当てにして予算編成中であり、配分がなくなると、それこそ北国では道路の雪かきなど行政サービスさえできなくなる恐れがある。

つまり、当面の仕事を円滑に遂行するためには政府方針に従わざるを得ないのが地方の首長たちの実情である。

しかし、それで当面の予算、事務処理などは切り抜けられても、大きな課題が今後10年間にわたって残り、逆に地方を苦しめるだろう。「既得権益」が温存され、自由に使えるカネは増えず、少子高齢化時代にあって、庶民はさらに大きな負担にあえぐことになる。

それが分かっていても、現状では地方の立場は弱い。2006年、岩国市が米軍空母艦載機部隊の移駐に反対したことへの見せしめに、国がそれとは全く関係ない市庁舎建設への補助金35億円をカットした例もある。国に逆らうと、大変な目にあう。その強迫観念から抜け出すことは至難のワザだ。

石原都知事や東国原知事のようないわば知名度全国区の首長は、中央のマスメディアという援軍があるから、国もうかつに圧力はかけられない。しかし、地方支局の県政や市政記者クラブへのブリーフィングくらいしか手段を持たない知事に対しては、中央官僚は平気で横柄な態度に出る。新聞や放送のローカル版に政府批判が報道されても痛くも痒くもないだろう。

道路建設派は経済効果を強調するが、高速道路が通ったために一般道沿いの商店街がすたれるというマイナス面もある。一方、崖崩れなどですぐにでも整備しなければならない山間の道路に、予算がつかないというケースもある。こうした、いびつな行政を、バランスの取れたものに変えていかねばならない。

片山が主張するように、道路財源を一般財源化し、道路に使うのか福祉や医療など他の目的に使うのか、道路ならどの道路を優先するのかを、地方自治体が実情に応じて判断する、というのが今の時代において最ものぞましいあり方だろう。それを実現するには、マスコミ論調を動かすほどの国民の声が必要である。

投書でも電話でもメールでも、どんな手段でもいい。何らかの形で声を上げていこう。とくに、政争に明け暮れる永田町の閉鎖的な論理を吹き込まれ、大局観のない記事を書く政治部の番記者たちに活を入れなくてはならない。彼らの書く記事が世論になり、その流れを見ながら政治家は動いているのだから。

                            (敬称略)

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