チベット暴動、「北京オリンピックを支援する議員の会」は見てみぬフリでいいのか
北京から列車に揺られ、まる二日間で中国・チベット自治区のラサ駅に着く。2006年7月1日に清蔵鉄道が開通して以来、ラサ市街は様相を一変した。
マルポリの丘にそびえ立つポタラ宮をめざして世界から訪れる観光客。繁華街はかつてない賑わいを見せはじめた。それとともに中国各地から移住者が流入、商才に長けた漢民族の店が次々とオープンして、急増した観光収入をむさぼった。
それまで中国政府の支配に不満を抱えつつも静かな暮らしを保っていたチベット族は、民族の誇りであるポタラ宮も、それから得られる利益も、漢民族に奪われ、独自の文化も中国色に塗り替えられていく恐れと怒りを感じないわけにはいかなかったのだろう。
多数の死傷者を出した今回のチベット暴動について、ダライ・ラマ14世は「中国による文化的虐殺」と表現した。
北京オリンピックを目前に控えたこの時期の騒乱は、中国政府に衝撃を与えた。背景には20万人以上といわれるスーダン・ダルフールの大量虐殺がある。この紛争に関わっているスーダン政府を中国が支援しているとして、昨年来、欧米を中心に北京五輪ボイコット運動が広がっているからだ。
だからこそ、中国政府は今回のチベット暴動を「亡命政府が暴動を組織計画したものだ」と責任回避に躍起なのだ。朝日新聞の編集幹部のなかにも「北京オリンピック前のタイミングを狙った活動」とみる向きがある。
さて、問題は日本の対応である。町村信孝官房長官はあいかわらず「基本的には中国の国内問題」としたうえで、「双方が自制して混乱が拡大しないことを望みたい」とやんわり、中国側の対応に注文をつけた。
「北京オリンピックを支援する議員の会」というものがある。日本の200人をこえる国会議員が加入している。よくぞこれだけ名前を連ねたものだ。
呼びかけ人である河野洋平会長を筆頭に中川秀直、鳩山由紀夫、加藤紘一、高村正彦、 古賀誠、島村宜伸、谷垣禎一、津島雄二 、二階俊博、額賀福志郎・・・。いちいち書いていられない。自民が圧倒的に多いが、いちおう超党派である。
北京大助教授、焦国標が「SARS隠しの元凶であり、中国メディア統制の総本山である」と、断罪する中国共産党中央宣伝部にとっては、国内外に向けてまことに都合のいい「広告塔」に違いない。
この会、実は日本側から結成の動きが起きたわけではない。2006年12月に河野洋平が北京を訪問し胡錦濤国家主席と会談したのがきっかけだ。人民日報1面トップに紹介された河野の肩書は衆院議長ではなく中国進出企業が加入する「日本国際貿易促進協会」の会長だった。つまり、中国の国家的プロジェクトで一儲けをしようという団体の代表者である。
超大口顧客のボスである胡錦濤国家主席は河野に「議員の会」をつくってほしい、と依頼した。河野は二つ返事でOKした。
一方、米国はどうか。米下院議員108人は連名の書簡を胡錦濤国家主席あてに送付した。その中身の概略はこうだ。
中国はスーダンへの投資国であり、ジェノサイド(集団虐殺)の資金提供者として歴史に残るだろう。来年の北京五輪開催中に抗議行動が頻発すれば、それは中国政府の「大失敗」を意味することになる。
この警告はかなり北京にプレッシャーを与えているはずだ。日本の「支援する議員の会」も、オリンピックを成功させ中国と真の友好を築きたいなら、少数民族を尊重し、人権弾圧をやめるよう誠意を持って忠告すべきではないだろうか。
「議員の会」メンバーのなかには人権擁護法案推進派の古賀誠や二階俊博が含まれている。日本で人権を守るために情熱を燃やすのなら、中国の人権弾圧にぜひ物申していただきたいものだ。
(敬称略)

私も同じくチベット弾圧に対して日本の政府、マスコミのやり方に納得できません。私自身、家族・会社と守るべきものが多く、何ができるのか分かりませんが、少しでもチベット・東トルキスタンの人のためにお役に立ちたいと思っています。アドバイスいただければ嬉しいです。
投稿 藤井 | 2008年3月30日 (日) 12時56分
侵略戦争と異民族支配は必ず失敗する、と歴史は教えている。裏の命題で言えば、祖国防衛戦争と民族独立戦争は必ず勝つ。近年では圧倒的超大国の米国を相手にして勝ち抜いたキューバやベトナムに明白だ。
個人に基本的人権があるように、民族には民族自決権がある。チベットはチベット族のものだ。ある期間、他国が武力で押さえ込むことは出来ても民族の自決権を放棄させることは出来ない。異民族に尊厳を傷つけられた民族は必ず立ち上がる。そして勝つ。
いくら傀儡政権を作って自治領にしても、いくら青蔵鉄道を作って移住や物流をはかっても、所詮は歴史の鉄則には逆らえないだろう。それはかつて日本が満州国を建国し満州鉄道を敷設したのと同じだ。
中国の五星紅旗は1つの大きな星と4つの小さな星で出来ているが、24の国家連合であるEUの旗には同じ大きさの星が並んで大きな輪を形成している。ドイツだけを大きくしたりはしていない。アンゲラ・メルケルさんに至る戦後のドイツの指導者は偉い。臆病で従って極めて残忍な指導者、ヒットラーを生み出したドイツの国民は指導者の持つべき資質についてしっかり学習したに違いない。
思えばスターリンも毛沢東も臆病で残忍な独裁者だった。こうした指導者を生み出すのは全体主義のせいなのだろうか、それとも民族性のせいなのだろうか。古くはホーチミンも最近ではフィデール・カストロも実に平穏に権力を手放している。隣国の中国や北朝鮮はどうなのだろうか。
翻って我が安倍さんや福田さんは指導力は足りないようだが、平穏すぎるくらい平穏な人々だ。日経がヒステリーを起こしている日銀総裁の不在も、それでも一向に支障はないようだし、一民族国家として世界最大規模の我が国は、この際、うんと小さい日の丸と沢山の太陽を並べた大きな日の丸で出来たアジアユニオンの旗を準備しておきたいものだ。日銀総裁にシンガポールのリ・クアン・ユーさんなんかどうか。
投稿 やっほーひとーつ | 2008年3月31日 (月) 15時20分