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2008年4月25日 (金)

新型インフルで最悪640万人が死亡

危機が迫るにしたがって、国会で出てくる数字が大きくなっているのが新型インフルエンザの推定死亡者数だ。

パンデミック(世界的大流行)にいたったとき、いったい日本で何人が死亡するのか。いまでも厚労省の公式な見解は64万人だが、実はこれが非常に甘い数字であるというのはほぼ常識となっている。2月26日にこのブログで取り上げた時点では、民主党の末松義規議員が210万人というオーストラリアの研究機関推定値をあげていた。

23日の衆院厚生労働委員会で、さらにとんでもない数が出てきた。長妻昭議員が「最悪の場合、日本で640万人が死亡するといわれている。この根拠はなにか」と質問。この分野の権威、国立感染症研究所の田代眞人ウイルス第3部長はこれを否定しなかったのである。

田代部長の説明内容はこうだ。

いま流行しているH5N1型の鳥インフルエンザは病原性が高く、発病した人の致死率は63%だ。このH5N1型ウイルスがヒト型に変異し、新型インフルエンザが発生した場合、毒性が強ければ患者はそのまま寝込んでしまい、外出もできないのでほとんど流行が広がらない。

しかし、何らかの遺伝子変化が起こり、病原性がある程度低下したら、人の移動にともなって急速に流行が拡大する。パンデミックの状況では全国民の25%が新型インフルエンザにかかると想定されており、3000万人~3200万人が罹患する。これにアメリカの机上訓練で採用された罹患者の死亡率20%を当てはめると600万人~640万人が死亡する。以上が脅威の積算根拠だ。

第二次大戦で死んだ日本人310万人の2倍が1~2年の比較的短い期間に亡くなるとすると、国内は想像を絶するパニックに陥るであろう。全世界で、単純に先ほどの率を適用した場合、66億人のち16億5000万人が新型インフルにかかり、3億3000万人が死ぬということになる。

宇宙的レベルなら、地球資源を守るための大自然の摂理が働くと解釈できるかもしれないが、個々の人間にとっては大変な事態だ。推定値に誤差があるとしても、パンデミックが絵空事ではないのは、過去の新型インフルエンザ発生時の状況からみて明らかなのである。

長妻議員は厚労省の対策の遅れを追及した。新型インフルエンザが発生すれば、当然その新型ウイルスを用いたパンデミックワクチンの製造に着手するが、日本の場合、全国民にワクチンがいきわたるまでに製造着手から1年半から2年弱かかる。ところが、アメリカでは半年で可能だというのだ。

これについて、田代部長は「有精鶏卵を利用した日本の製造方法では時間がかかる。アメリカのような組織培養法の開発が残念ながら日本では進んでいない」と説明する。

インフルエンザワクチン製造分野で日本がこれほど世界に遅れをとっているというのはまことに衝撃的である。少なくともアメリカ並みにスピードアップしなければ、ただえさえ人口減少が進む日本にとって亡国の病になってしまうだろう。

これからでも、まだ間に合うかもしれない。関係する研究者や研究機関に予算措置を講じて、一日も早く組織培養法かそれ以上のワクチン製造技術を開発してもらいたい。

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