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2008年4月 7日 (月)

世論の追い風に、小沢は本気モード

話し方のプロ、濱田秀彦流では「微妙語(ビミョー語)」というそうだ。福田首相のあいまいな言葉遣い。全て、他人事のような、言い回しのことである。

考えてみれば、「カド」を立てず、「本音と建前」を使い分け「和を以って尊し」となすのが、日本人の処世術だった。長いサラリーマン生活と政界遊泳で福田に染みついたカラーは、そう簡単に洗い落とせない。

その「ビミョー語」ゆえに、さしたる反対もなく自民党のトップにまつりあげられ、逆にその「優柔不断」ゆえに、官僚や族議員をコントロールできず、改革が後退して「Japain」と海外メディアに揶揄される。

そしていま、「人任せ」「何がしたいのか分からない」などと庶民からも愛想をつかされそうな雲行きである。やることなすこと、うまくいかない首相に対し、このところ積極的にテレビに登場し、福田との「対照」を浮き彫りにしようとしているのが小沢一郎だ。

「官僚中央集権のこの国の根本的な仕組みを変えなきゃいけない。こんなこと自民党政権では絶対にできっこないですよ」。

先日の、「みのもんたの朝ズバ」出演が思いのほか好評だった。これに気をよくして、6日の「報道2001」やNHK「日曜討論」出演も快諾した。小沢は事前に、司会者やコメンテーターとの相性をよく吟味するようだ。

思うがまま議論を仕切る“電波怪獣”田原総一朗などは、ペースを乱されるのを嫌う小沢にとって苦手な相手だろう。

それはともかく、一時は与党との連立を考えた小沢がいよいよ、本気で“戦闘モード”に入ったようである。もちろん、解散総選挙をにらみ、勝てる形勢になったと読んでいるからだ。

世論の風向きが、それこそ微妙に変化してきたことが、その背景にある。

「道路特定財源を来年度に一般財源化する」という福田首相の決断。一時、新聞各紙はこぞって賛辞をおくり、暫定税率期限切れに持ち込んだ小沢民主への批判が高まった。

しかし、その後、「ガソリンの値下げを素直に喜ぶ」人々の声によって、民主批判へのトーンが弱まり、逆に福田首相への疑念を呈する意見もあらわれた。5日の日経社説がそうだ。

「特定財源の10年間維持を定めた道路整備費財源特例法案の内容と福田首相の一般財源化方針は矛盾している。与党内の若手議員を中心に法案の修正を求める声が上がっており、修正がない場合は衆院での再可決に造反する可能性も取りざたされている」

こんなことは最初から分かっている矛盾だが、場当たり的なマスコミのサガと割り切るしかない。「一般財源化」を主張する若手改革派議員と、古賀誠らを中心とした道路族議員との対立が、福田提案をきっかけに自民党内で一気に表面化したことは紛れもない事実である。

民主党サイドが「党議決定もなしに、一般財源化するといわれても信用できない」と、福田提案に懐疑的なのはしごくあたりまえだ。

そのうえ、4日に閣議決定された公務員改革基本法案がまさに“骨抜き”といえる内容で、福田政権の「改革」に対する消極姿勢を如実に示した。「やっぱり福田ではだめだ」。改革派議員らの“福田離れ”は加速し、同床異夢の官邸に対する不信感は高まった。

官僚組織の最大の問題は、いわゆる「縦割り行政」というやつだ。その弊害をなくするため内閣人事庁を新設し、そこが各省の幹部人事を一括して担当するという改革案だった。

ところが結局、幹部人事の原案を各省がつくるよう修正され、実質的に現状と変わらないばかりか、内閣人事庁というムダな役所をまた一つ増やすだけとなった。

5日の朝日社説は「改革を言いつつ対立を傍観するだけだった福田首相には、まるで本気が見えない」と容赦なく首相に批判を浴びせた。

町村官房長官との綱引きのすえ、渡辺行革担当相は、シブシブ中途半端な折衷案をのまされることになった。これでは改革懇談会の堺屋太一らに顔向けできないだろう。4日の内閣委員会で馬淵澄夫に“骨抜き”を追及され、答弁に窮する姿は気の毒なほどだった。

だが、こういった改革は、総理の強力なバックアップがなければとうていなしえない。

行政改革も、規制改革も、構造改革も、遅々として進まぬなか、「日本売り」は加速し、景気はどんどん悪化している。この閉塞状況を打開するのに、小手先の政策ではどうにもならない。

森元首相が政権末期に、ゴルフをしているシーンばかりテレビで繰り返し放映されたが、福田首相も、その「ビミョー語」を政治の停滞とくっつけてネガティブに強調されるばかりになっては、たまらないだろう。

小沢民主党の大攻勢に対処し局面を打開するには、小泉純一郎のように道路族を「抵抗勢力」と斬って捨て、有無を言わせず、来年度からの一般財源化を、党議決定、閣議決定までもっていくしか打つ手はなさそうだ。

                         (敬称略)

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