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2008年4月 5日 (土)

大島寛逮捕、腐敗の温床・文科省文教施設企画部

文科省に文教施設企画部というところがある。国立大学の施設整備や、学校の耐震化などを進めている部局だ。

平成18年3月、参院予算委員会で、共産党の井上哲士は「文教施設企画部OB会」名簿の奇妙な点を質問の糸口に取り上げた。OB名簿にすぎないものに、百二十以上の工事関連企業の広告がズラリと載っている。

井上はこれらの企業がOBの天下り先だと直感した。この名簿のOBたちの天下り先がどれだけ文部科学省の工事を受注しているか、一億円以上のケースについて調べてみると、金額ベースで80%を超えていた。

「天下りOBと受注企業との関係というのが文部科学省でもあるんじゃないでしょうか」と井上が質問した。

答弁に立ったのが、警視庁に4日、収賄容疑で逮捕された大島寛である。当時、文教施設企画部長。国立大学法人が要求する施設整備予算割り当ての最終決定権限を持っていた男だ。

大島はこう答えた。「いずれの工事も、一般競争入札か公募型指名競争入札で、透明性が高く、必ずしも御指摘のようなことはないと考えております」

同じ年の5月の行政改革特別委。井上はその年の1月末に発覚した防衛施設庁発注工事をめぐる官製談合事件に関連し、次のように質問した。

「防衛施設庁同様、受変電設備工事の入札談合が国立大学等の工事でも行われていた疑いで、地検が関係者から事情を聴いたという報道がある。大学側と入札参加者から文科省は聞き取りをしたのですか」

ここでも、大島が答弁した。「大学等からの報告において問題がなかったので、あえて入札業者に対する聞き取り調査は必要ないだろうと判断しました」

この委員会から約2年が経った。昨年4月に退職し独立行政法人管轄の沼津工業高等専門学校校長となった大島は、皮肉にも自らの汚職が明るみに出て、逮捕された。施設整備補助金を交付する大学名を五洋建設子会社「ペンタビルダーズ」に漏らし、現金50万円ほどを受け取ったというのが、直接の容疑事実だが、これは逮捕し立件するための最低限の材料に過ぎない。

大島が学校施設整備の総元締めであった05年4月から2年間、業者とどのような付き合いをしていたのか。50万円などというのは常識的に見れば、氷山の一角である。技術職トップのキャリアが委員会の答弁で「透明な工事入札」を強調し、業者からの聞き取りや内部調査を進めようとしなかったのは、自分に火の粉が飛んでくるのを避けるためだったと考えるのが自然だろう。

しかし、今回の事件は大島一人の問題として、仕舞い込んではいけない。文教施設企画部は仕事柄、専門的な技官が多く、異動がきわめて少ない。ファミリーを構成して、情報は内部にこもり、たとえ悪事が発覚しても、互いにかばいあって漏らさない。現役とOBと天下り先企業の担当者があうんの呼吸で仕事を進めることのできる土壌は、腐敗もしやすいのである。

国立大学の整備事業には06年からの5ヵ年で1兆2000億円もの予算を投じる計画だ。その利権を手中にするため、建設関連企業が閉鎖的な文教施設企画部にガッチリ食い込んでいる

最近まで「櫟(くぬぎ)の会」という団体が存在した。機械設備工事や給排水工事を文科省から受注している会社に天下ったOBたちでつくられていたが、国会で問題となり解散した。この会員たちの会社が文科省の工事を独占していたことが知られている。

天下り先の会社では、例えば「前○○の○○氏を弊社常勤顧問として迎え、社業の拡充発展を図ることといたしました」と、社長の挨拶状を国立大学関係者に送付するなど、常識的でないことがふつうにおこなわれていた。

井上は「OBの名刺の肩書はほとんどが技術顧問だが、実際には営業に回っている。各大学の施設部だと、フリーパスで、部課長とコーヒー飲んで雑談していくと聞いている」と癒着ぶりを暴露している。

大島の逮捕はあくまで、文科省文教施設企画部という、一般になじみの薄い組織が有する、腐りきった体質のごく一部が滲み出してきたに過ぎない。そう思っておいたほうがいいのではないだろうか。

                          (敬称略)

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