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2008年4月 1日 (火)

“村八分”にされた小沢、各紙社説は永田・霞ヶ関村の井戸端会議か

4月1日になった。幸か不幸か、ガソリン暫定税率の期限が切れた。

さて、この“事件”を、各新聞の社説はどう書くだろう。政治関係の論説委員といえば、もちろんベテラン政治記者だ。ほとんど頭の中の思考回路は、霞ヶ関と永田町の論理で占められているだろう。政治部記者は昼間、霞ヶ関で官僚のレクチャーを受け、夜は、政治家宅などに夜回りして、政界の裏の動きをさぐる。

永田町・霞ヶ関という“村”の外を知らないから、だいたい了見は狭い。この村の井戸端で、いま、“村八分”のように悪口を言われているのは、どうやらあの小沢一郎のようだ。

その村の話の流れが、社説に反映する。それがこの国の新聞の面白いところである。読売、朝日、日経、産経を読んでみた。

ガソリンの暫定税率維持を含む税制関連法案について、読売、日経は「再可決をためらってはならない」と、表現も内容も全く同じ。産経は「憲法に明記された衆院再議決を躊躇しないことが責任ある対応」と、これも主張は同じ。

朝日は「首相は再可決しようとの腹づもりなのだろう。そうなれば、末端の市場や運輸業界などでの混乱は避けられないだろう」と指摘するが、正面きって、再可決に反対はしていない。

さて、なぜかマスコミで強まる小沢民主党への風圧。ここに注意して各紙を見てみよう。

読売 「民主党は、08年度からの一般財源化を譲ろうとしない。大人げない態度だ」

日経 「参院に法案が送られてから、1カ月も審議されなかった。参院の主導権を握る民主党の態度はあまりに無責任である」

産経 「政治の機能不全の責めを負うべきは、理念なき政局至上主義の小沢一郎代表率いる民主党である」

この三紙の民主攻撃は実にあからさまだ。

一方、朝日は基本的に「与野党の責任」を問う姿勢で、どっちつかずの論調だが、小沢についてはこう書いている。

「昨秋、小沢氏が踏みこもうとした大連立は党内の総スカンを食って頓挫した。一時は辞任まで表明した結果、小沢氏の求心力は揺らぎ、対決路線一辺倒でいかなければ党内をまとめきれないという事情がのぞく」

朝日は同じ日に森元首相とのインタビューを掲載しているが、この中で、森は「小沢さんは党内に相談相手がいなくなっているのではないか」と語っている。

最近、こうした小沢の“党内孤立論”が聞こえてくる。震源地はどのあたりなのだろうか。森のようにペラペラ喋ってくれる政治家は記者の受けがいい。与謝野馨なども、記者の評判がいい政治家の一人だ。こういう実力者といわれる連中と仲良くしておかねばブンヤも“商売”がなりたたないのが現状だ。

その点、小沢などは取材に苦労する相手だろう。彼に、記者を掌中にする器量があれば、もっとマスコミを自在にコントロールできるはずである。

それにしても、「ガソリン値下げに喜ぶユーザー、暫定税率法案再可決を阻止せよ」という新聞が一紙や二紙あってもおかしくはない。

暫定税率の期限切れで2兆6000億円の穴が開くと各紙は大騒ぎするが、あの「埋蔵金」はいったいどこへいったのか。

小泉・竹中改革を支えた内閣参事官、高橋洋一によると、特別会計の余剰金(繰越利益)は40~50兆円もある。中川秀直と与謝野馨の埋蔵金論争の結果、財政融資資金特別会計から10兆円を引き出したのは記憶に新しい。

今年度の地方の歳入不足分といわれる9000億円をとりあえず特別会計のヘソクリから捻出することくらい、できない話ではないだろう。

政府与党の「混乱だ、大変だ」大合唱は、マスコミにお先棒を担がせるための、財務省とその応援団である増税派議員の画策であることは明白なのである。

小泉政権当時、地方への交付税が突然、1兆5000億円も削られ、年度末を前にした自治体の予算編成が混乱したことがある。このときの衝撃と、予算の組み直しの大変さは、あまり報じられることはなかった。永田・霞ヶ関村の井戸端会議で話題にならなかったからだ。

マスコミが報じなければ、「混乱はなかった」ことになる。テレビでガソリンスタンドの対応ぶりの映像や、「大変です」という声が流れると、よほどの社会的混乱が起こっているように錯覚する。

締め切りに終われ、忙しさのなかでほとんど「思考停止」状態になっている、いや何らかのしがらみで自ら思考を止めている、この国の疲労困憊した政治記者諸君には、深い同情を禁じえない。たまには、永田町や霞ヶ関から離れてゆっくり考える時間を与えてもらったほうがいい。

                          (敬称略)

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「経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

 鋭い視点ですね。いつもながらのことですが。

 政治記者も大変だと思います。日本人が苦手な休暇並びに思考回路のリフレッシュは必要でしょうね。やはり、日頃の関係で、特だねを引き出せるかどうかでしょうね。

 一般財源化の方針を打ち出したことで、協議もしていない現状並びに、暫定税率廃止に対する措置が現状では現実的でないことから各社批判しているように思います。今更、2008年度は無理なので、議論の対象にならないでしょう。

 小沢氏については、謎に包まれています。私は、非常に興味を持って見ていますが、情報源がほとんどありません。孤立している、実権がないという報道が多く、鳩山党という噂が多いですね。確かに、対決路線をしなければいけない状況になったことは事実でしょう。もっと、マスコミと上手に付き合えば、違うでしょうね。フィクサーが最も似合う男であり、裏も表も権力等、人間の汚い部分を知り尽くしている人間だとは思います。

 是非、小沢氏の投稿をお願い致します。

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