« 胡錦濤「春の旅」は本当に日中「互恵」か | トップページ | 親日アピールに転じた胡錦濤の狙いとは »

2008年5月 9日 (金)

“官僚主導”解体法案、ようやく審議入りへ

国会の“ギョーカイ用語”では「お経読み」というらしい。本会議で、法案の趣旨説明をすることである。

4月4日に内閣から衆院に提出された「国家公務員制度改革基本法案」が今日9日、ようやく本会議趣旨説明をへて、内閣委員会に付託され、審議入りする。

長い間、この法案が“宙吊り”になっていたワケについては、4月22日の内閣委員会理事懇談会を振り返る必要がある。自民党の村田吉隆が「優先すべきものはほかにたくさんある」と強硬に主張し、公務員改革法案の審議を後回しにさせたのである。

ちなみに、村田は元大蔵省国際金融局調査課長である。道路族のドン、古賀誠の派閥メンバーだ。

渡辺行革相は、やすやすとこの法案を自民党が機関決定した時点から「怪しい」と感じていた。本来なら族議員が大反対するはずだからである。不安を感じた渡辺は大島国対委員長に「大丈夫でしょうね」と念を押した。

大島は「国会対策のことは国会対策委員会に任せてくれ」と突き放したという。

公務員改革法案といえば、福田内閣の改革姿勢を示す重要法案のはずだ。その審議を遅らしたのは「次期国会への先送り」か、「廃案」をめざす工作だろう。この法案に反対する多くの議員たちを代表して、内閣委員会理事である財務省OBの村田が法案審議にブレーキをかけたにちがいない。

ここには「省庁の中の省庁」といわれる最大権力組織、財務省の意向が強く働いている。

公務員制度改革法案は、行政を「官僚主導」から「内閣主導」に戻すのが眼目だ。官僚が大臣の指示なしに議員と接触するのを禁じ、内閣人事庁を設けて省庁横断的な幹部職員人事や、官民人材交流を進めるという。

国家予算を握り、自在に国を操ってきた財務省からみればとんでもない法案だろう。

もっとも、内容をよくみると「国益より省益」「大臣より族議員」といういびつな官僚の“タテ割り的オツム”の構造をぶっ壊すには少々、パンチに欠ける。

各府省が幹部職員の人事案を作成するのは今までと少しも変わらないのだ。内閣人事庁の役割が中途半端である。これでは人事の一元化とはいえない。

それに、官僚問題の根幹は天下りである。天下りの斡旋は本来、廃止されるべきものだ。たしかに、省庁が関連団体や業界にOBの再就職を押し付けるのは表向きできないようになった。ところが「官民人材交流センター」という名の特権的ハローワークが今年度から創設され、堂々と天下りができる仕組みになっている。

こうした点を突いて民主党は対案をまとめた。まず、「内閣人事局」を内閣に設け幹部人事を一元管理する。この部分は有識者会議の議論をもとに作成した渡辺大臣の当初案とほぼ同じだ。

次に、官民人材交流センターはつくらない。昨年度に改正された国家公務員法で設置が決まっているが、これをとりやめる。

ただし、官僚と議員の接触制限には反対の姿勢だ。質疑のための情報を集めにくくなる心配をしている。族議員との過剰な接触を断ち切るというのが法案の目的なのに、逆に野党に情報を渡さないための手段に使われては困るだろう。

何かと問題を残したままの法案だが、何も改革しないよりはマシである。政府案と民主党案をつき合わせ、建設的な議論をのぞみたい。6月15日の会期末まであと1ヶ月ちょっとしかない。

                          (敬称略)

« 胡錦濤「春の旅」は本当に日中「互恵」か | トップページ | 親日アピールに転じた胡錦濤の狙いとは »

「経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/335692/20853316

この記事へのトラックバック一覧です: “官僚主導”解体法案、ようやく審議入りへ:

» 新時代の公務員制度 [本・雑誌 ベストセラー]
新時代の公務員制度公務研究 著者:河中一學出版社:良書普及会サイズ:文庫ページ数:202p発行年月: [続きを読む]

« 胡錦濤「春の旅」は本当に日中「互恵」か | トップページ | 親日アピールに転じた胡錦濤の狙いとは »

フォト

1日1回応援クリックお願いします↓

過去の全ての記事

2016年6月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30    

microad

無料ブログはココログ