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2008年5月 6日 (火)

不安視される洞爺湖サミットのテロ対策

セコムが所有する超高級リゾートホテル「ザ・ウィンザーホテル洞爺」 は洞爺湖、内浦湾を見下ろすポロモイ山の頂上にある。

かつての親会社、北海道拓殖銀行の乱脈投資を象徴する贅沢なハコモノであり、客を呼べないまま、拓銀の倒産にともなって閉鎖された。

その後どういう経緯かセコムが買い取り、2002年6月に営業を再開するや、大自然の中のゴージャスなホテルとして脚光を浴び、ついにはG8サミットの会場という栄誉に浴することになった。

数奇な運命をたどるこのホテルが山頂に輝いている光景に、ある不吉な連想を重ね合わせる人がいる。

民主党衆院議員、渡辺周である。4月25日、衆院安全保障委員会で、渡辺はこんな質問を石破防衛相に投げかけた。

「あってはいけないことですが、万が一、先進国の首脳が集まっている会場に米国の9.11のように航空機が突入しそうになれば、撃墜することを検討しているのですか」 

テロリストが民間旅客機をハイジャックし、自ら操縦してホテルに突入する危険が高まったら、旅客を犠牲にしてまで撃墜する考えがあるかというのだ。

石破は「基本的には政府全体で考えることですが、撃墜しなければもっと大きな被害になると判断すれば、その選択肢が排除されるべきではないと、個人的には思います」と答弁した。

このやりとりから、防衛省内で、サミットにおけるテロ対策が、相当、深刻な事態を想定して議論されていることがうかがえる。国会答弁で「排除されるべきではない」は大きな意味を持つ。「個人的に」は問題が起きたときの逃げ口上にするため、付け加えているだけだ。

アルカイダのナンバー2、ザワヒリは4月22日、ウェブサイト上で「日本も攻撃対象に含まれる」と示唆している。サミットの時期が近づくにつれ、警備当局や防衛省の緊迫感が高まるのもムリはない。

各主要国は、すでに自国の首脳を守るため、特殊部隊を潜入させることを議論し始めているという。「日本警察の警備がひょっとしたら手薄かもしれない」という懸念を持っているからである。

もちろん、警察庁は全国の警察に、総力を挙げて取組むよう号令している。9.11同時多発テロ以降、日本で初めて開催されるサミットであり、標的にされる可能性を強く意識しているのだ。

05年7月、英国グレンイーグルズ・サミットの開催期間中、ロンドンで同時多発テロ事件が発生したケースもある。開催地だけでなく大都市や公共交通機関における警戒も怠れない。

それでもなお、これだけの外交舞台になると、二重三重の警戒態勢が必要だろう。特殊部隊に関して言えば、日本には陸自、海自、海保、警察に一つずつ、計4部隊が存在する。

このうち陸自のSOG(特殊作戦群)は他の3部隊よりはるかに高い能力を持っている。頭脳プレー、心理戦にも強く、米国のグリーンベレーに匹敵するほどになっているとさえいわれる。

7月7日のサミット当日に向け、世界主要国の舞台裏で、テロ対策が練られ、情報戦が繰り広げられる。洞爺湖サミットの議長国として、環境や食料問題などへのリーダーシップが日本の首相に求められているが、国家としての危機管理能力の確かさを証明しなければならない場面でもある。

                              (敬称略)

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