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2008年5月22日 (木)

アフリカの貧困対策に無償ODAを有効活用せよ

日本のODA(政府開発援助)はこれまで、中国やアセアン諸国などアジアを重点に進められ、各国の発展に寄与してきた。そうしたなかで、たまさかPCI事件が起こり、このブログでも先日、影の側面に焦点をあてて取り上げた。

しかし、それはODAによる国際貢献を否定しているものではない。税金を、企業や官僚の欲望、損得といった矮小なことに左右されない、まっとうな途上国援助に使ってもらえるなら、日本国民は文句を言わないだろう。

いま、ODAの焦点はアフリカだ。28日から横浜市で開かれるアフリカ開発会議(TICAD)を前に、政府は対アフリカODAを2012年までに倍増する考えを表明した。

アフリカへのODAについて、4月23日の参院ODA特別委で陳述したTICAD市民社会フォーラム代表、大林稔の説明をもとに、対アフリカODAの現状と、あるべき姿を探りたい。

アフリカの最大の問題は貧困である。世界の総貧困人口に占める地域別割合をみると、アジアの割合が顕著に減り、大半がアフリカに集中している。

これまで、アフリカ支援に対する日本政府の姿勢はどうか。世界のODAの25%がアフリカに向けられているが、日本のアフリカ支援はたった10%だ。世界のODA全体の11%を日本は拠出しているが、アフリカ向けODAに限れば、日本の占める割合は4.8%に過ぎない。

だから「日本は比較的豊かな国を重点的に支援して、貧困国に冷淡だ」という指摘を受けるという。

大林は「日本のアフリカ支援は実は弱まっている。支援の内訳を見ると、無償援助を減らして円借款を増やしている。つまり、アジアで需要のなくなった円借款をアフリカにシフトして、無償部分を減らす傾向がある」と指摘する。

貧困対策は無償で行うというのが開発協力の常識だ。ところが、2005年の対アフリカ支援は、無償援助が54%で、円借款は46%。ほぼ半分が返済を必要とする円借款になっている。アフリカへの無償援助の規模は、二年分で東京の中央環状高速道路の1キロもつくれない程度のものである。

大林はさらに、もう一つの重要な問題を指摘する。「たとえば自国の投資のために港湾を整備する、つまり日本に利益を還流するという“幻の援助”が多いのです」

円借款による大型インフラを柱にしたアジアでの成功をアフリカで再現したいという戦略は「現実的ではない」と大林は言う。円借款を増やせば、日本が債権放棄をする額が増えるだけだ。

貧困を削減し、民衆に力をつける。それをODAの目的にしなければ失敗する。

アフリカは、資源の少ない日本にとって魅力あふれる大地だ。しかし、民族紛争、飢餓、汚職、失業、人口爆発、難民問題など、数え上げればキリがない問題をかかえた悩める大陸でもある。

NGOなどとの協力により、アフリカ民衆の立場を尊重した長い目の付き合いが必要だろう。

                       (敬称略)

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コメント

日本の無償援助の多くは実は商社とゼネコンが被援助国側の実施機関に公式要請をさせるための裏方を務めてきた。そうでもしないと日本の無償援助スキーム(目的や予算規模、維持管理体制の担保等)にそった案件を被援助国自身で形成できないからである。これなど関係者は周知のことであるのに公にすることは出来ないと考えられている。無償援助を専管する行政機関においても部長クラスはそのからくりを熟知しているが部下にはなかなか説明が出来ない。ただ最近は無償資金援助の工事案件や機材供与案件では基本設計時の工事単価査定が極めて厳しくなり、ゼネコンにとっては営業費を掛けて作り上げた案件を実際に受注する段になっていざ工事見積もり(自己のリスクと計算に基づき)をしてみると初めから赤字案件ということになってしまう。それ故JICAが入札を公示してみても誰も応札しないか、応札しても予定価格を大幅に上回り入札不調となるケースが増えてきている。要するにいままで官民協力して案件を発掘し(アイデアの国際競争でもあり、これが意外と難しい仕事なのである)要請をさせてきたのに経費倒れか赤字覚悟の受注になるケースが増えると、ゼネコンやメーカーの本社ではもうODA無償援助への協力は止めようということになる。ましてや様々なリスクを負い生活と仕事の条件の厳しいアフリカでなにか良いなと思うことを考えついて営業してみても具体的な企業の利益に結びつかない、ましてその努力は表の世界で褒め称えられることもないとなると、誰も積極的に案件形成活動を行うことは出来ない。この弊害を避けるためJICAもいろいろ工夫をし、自らで案件を作っていこうとしているが、もともと準役人であることから、これはという案件に結びついていかない。これを称してタマがない、タマ切れ状態という。適当なタマがアフリカ諸国からパイプを流れて我が国行政に届かないというのが、無償援助が増えないないしは減っている理由であると考える。現在の公募システムを援用し無償資金協力の資金を厳選した我が国NGOにどんどん与え地に着いた事業をどんどんやってもらう方がよっぽど実質的な援助になると思う。NGOの活用資金を充実させ、一件一件の案件の内容を充実させることが重要であると考える。役立たずの無償資金による建設案件30億円がNGOにとってどれだけ重要でつかいでのある資金額であるか創造に堅くない。

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