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2008年5月 4日 (日)

リーダーなき不安の時代

僕たちは歴史上まれにみる不安な時代に生きているのではないだろうか。戦後の復興から奇跡的な高度成長、そして贅沢三昧の成熟の時が過ぎ、人口減少、高齢化社会への下り坂にさしかかった。

かつてない豊かさと希望にあふれた時代に育ったこどもたちは、もはや大人になった。未来の創造に夢をふくらませている青年のカゲで、平均年齢30歳といわれる長い間の「引きこもり」の人々が増え続けている。

「怠け者」と地域社会から白い目で見られがちの彼らは、「心の病」にかかっているケースが7~8割にものぼるという。就職しても、上司や同僚に「好かれたい」「楽しく仕事がしたい」という思いが強いばかりに、イメージとかけ離れた現実とのギャップに悩み、その場から逃避する。

社会に出て、仕事をすることはけっして楽なことではない。むしろ「苦労」が多いものなのだが、「楽しさ」を味わえないことに悩み、我慢ができず、ついには職場や地域社会に出るのが嫌になる。

この国が実現した成熟社会。そして、そこにくっきりとにじみ出た光と影。影の部分とは、光の裏返しである。平成バブル景気にわいた1986年から90年にかけて中高生の思春期だった世代が今、30代になっている。

経済下降トレンドが始まり、年金制度が音を立てて崩れ、「この国に生きる不安」という影がしだいに大きく広がっているのが今なのだろう。

そう、日本の社会全体に「将来への漠然とした不安」が蔓延している。どこを捜しても「希望の光」が見えないし、光のありかを示してくれるリーダーがいない。

経済成長を続けている間は優秀に見えたこの国の高級官僚たちも、いまやアラばかり目立ち、頼りにならないばかりか、税金は自分たちのカネだと勘違いして無駄遣いをしまくっている。

この官僚たちにレクチャーを受けないと、まともに政策が語れない有力政治家たちの不勉強。これは論外である。自らさまざまな資料や人にあたって事実を調べ、異論に耳を傾け、大局的に判断できなければ、結局、霞ヶ関の思うがままに政治は動く。

もっとひどいのは、官僚のレクチャーや政治家のリークを真に受けて記事を書くジャーナリスト、テレビで司会者の期待に沿う発言を繰り返すコメンテーターたちだ。永田町や霞ヶ関の世論操作に乗らず、場合によっては編集幹部の意向に逆らってでも、真実を追求する姿勢を貫いていただきたい。

老人も、これから老人になる団塊の世代も、そしてそれより若い世代の人たちも、「安心と希望」を持って生きていけるかどうかを政治に問うている。それに応えてくれない政治の現状に苛立ちと不満を抱いている。政府与党は衆院山口2区補選の敗因を「後期高齢者医療制度への反発」とマスコミ向けに喧伝しているが、それは一つの要素であって、本質ではない。

肝心なのは、国民の血税を、「最大限生かす」ことだ。過去の失政と、コスト意識のない官僚によって、巨額の「死に金」がばらまかれながら、誰一人として責任を問われない仕組みも、不信を生む原因である。

「生きた金」をしっかりと使ってくれると確信すれば、国民は安心して貯蓄を消費にまわすことができ、国の経済は低成長ながらも活性化するだろう。経済が好循環に転じ、人々の心にゆとりが戻れば、世の中の迷いから生じるさまざまな問題も、解決の糸口が見えてくる。

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コメント

 そうですね、まさにその通りだと思います。テレビのコメンテーターは、特にひどいですね。勿論、きちっとした方はいらっしゃいますが、過半数以下に思います。そういえば、塩川元財務大臣、ひどいですね。常に国民、マスコミと同じ意見。元同僚は、呆れているだろう。

まさに「今」を言い当てておられますね。
自分は30代で医療リハビリ職をしていますが、子供の頃、青年の頃、そして今の日本。まさか年収が下がる時代が来るとは思いませんでしたね。特に官僚の我田引水・無能・将来展望のなさが暴露されてこの国大丈夫かという思いが強い。しかしながら、フランスやアイルランドの少子化対策、EU諸国の社会保障のありかたなど
学ぶべき先進の国々はあり、そう悲観してないです。

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