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2008年5月28日 (水)

経団連は環境抵抗勢力の汚名を返上せよ

NASAゴダード宇宙研究所所長のジェームズハンセン博士は、このままCO2の排出が増加した場合、2100年に平均気温が現在より2.7℃上昇すると予測する。

「地球の平均気温がわずか1℃か2℃上昇しただけで、地球は今とは全く違った姿となり、多くの生物種は絶滅してしまうでしょう」。

人類滅亡の警告である。地球温暖化対策はまさに待ったなしなのだ。

環境先進国、ドイツは、温室効果ガスの排出を2020年までに1990年比で最大40%削減する目標を定めている。風力や太陽光発電への積極的な取り組みも、日本とは対照的だ。

日本は高い省エネ技術を誇りながら、環境への後進性を指摘される。その元凶が経団連・経産省連合である。温室効果ガス削減の数値目標を掲げられないのも、排出権取引制度を導入できないのも、鉄鋼や電力などCO2を多く排出する業界が猛反対しているからだ。

そんななかで開かれる7月の洞爺湖サミット。主要テーマが世界環境となるのは当然である。そこで注目されるのは、議長国ニッポンの首相が具体的な数値目標を打ち出させるかどうかだ。

世界に知られる日本最強の圧力団体、「ケイダンレン」。パワー・エリート200人の事務局スタッフをかかえ、官僚とも対等に渡り合うシンクタンクとなっている。

その会長、御手洗冨士夫は経済界のエゴと国益の狭間で苦悩している。財界トップとして、ときの政権を支援せざるを得ない。一方、団体の会長としては、加盟社の利益をはからねばならない。

日経新聞によると、御手洗はこの3月3日、経団連会館で新日鉄会長の三村明夫と昼食をともにし、「サミット議長国として国益を優先させましょう」と柔軟姿勢への転換を促したという。しかし、三村がそうやすやすと首をタテに振るとは考えられない。

EUの域内では、2005年1月から排出量取引制度が導入されている。CO2を排出する発電所や工場などに排出枠を割り当て、ワクをこえると追加のワクを買わねばならず、下回れば、余ったワクを売ることができる。キャップ・アンド・トレードとよばれる。

日本では業界ごとの「自主行動計画」という、生ぬるい日本方式で排出削減に取り組んでいるが、これでは世界の納得は得られない。排出量取引制度はいずれ避けて通れないだろう。

ここで、経団連会長として、御手洗の力量が問題となる。環境と経済は両立して発展できるという長期的ビジョンを示し、抵抗する業界を説得できるかどうかだ。

経団連会長といえば土光敏夫を思い出す。多少の演出はあったにせよ、1982年にNHKで放映された質素な夕食シーンは、寡黙な古武士のように美しかった。

御手洗が会長をつとめるキャノンは二万人を超える請負、派遣労働者の低賃金が巨額の収益をもたらしている。従業員には厳しいが、役員報酬には気前がいい。彼に、地球人類や国家の将来まで考える哲学があるかどうかは疑わしい。

派遣社員の正社員化を求める世論に対して、キャノンはベトナムに工場をつくり始めている。この会社だけではない、グローバルな企業間競争を勝ち抜くために、低賃金労働者を求めて国から国へ渡り歩くのだ。

それもいいだろう。“根無し草”は商人の理に叶っているといえなくはない。しかしそれは、帰る国があるからこそいえる言葉である。国廃れて企業なし。地球なくして企業なし。

いまこそ企業トップに、地球的経営ビジョンが求められる。21世紀型の企業のモデルを日本がつくらねばならない。そういう企業が育つ国こそ、世界から信頼され、尊敬され、人口減少にも動じることのない価値を持つことができる。

                        (敬称略)

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コメント

おっしゃることは分かりますが、前提がおかしいと思います。
地球温暖化は確定事項では無いと思うのですが。もし前提が間違っていたら、死ぬ死ぬ詐欺に荷担したことになるのではないかと危惧します。
ttp://www.adpweb.com/eco/index.html
ttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9C%B0%E7%90%83%E6%B8%A9%E6%9A%96%E5%8C%96%E3%81%AB%E9%96%A2%E3%81%99%E3%82%8B%E8%AB%96%E4%BA%89

連投で申し訳ありません。
地球温暖化は、現代の天動説ではないかと思います。
天動説と地球温暖化で検索するとおもしろいですよ。

地球の未来のことなど、誰もわからない。確定してないのが当たり前です。多分そうだろうという前提のもとに、世界各国が気象変動対策に本気を出している。ブッシュだって変わってきた。すべて、論理というのは確定的な出発点などないと思います。その人のおかれた立場、環境、感性などによって論理の前提は異なります。こういう考え方もあるんだ。僕は違うけどな。それでいいのではないでしょうか。

環境に負荷をかけないという考え方自体
自分には自然に受け取れます。

有限な化石燃料の資源を莫大に使う現在の
成長が続くとも思えません。

そして、未来のない雇用で高収益を上げる
御手洗氏に経営者として尊敬の念を抱けないし、Canonの製品は買いたいと思わなくなりました。

自分にはクレイジーパパさんのこの言葉
に知性の未来への光を感じますよ。

数ある国際規約(プロトコール)の中で頭に我が国の都市の名前を冠した現有のプロトコールは京都プロトコールでしかない。そのプロトコールの斬新さはクリーン開発メカニズム(CDM)であろう。CDMの大いなる活用は我が国民間企業の努力や前向きの取り組みによるしかすべがない。CDMへの真剣な取り組みにより排出権買い取りが大規模に実現すれば我が国の国際的公約も意外に簡単に達成できるかも知れない。経団連は積極的に取り組まねばならない課題であると思うが、リスク回避ばかりに走っていないか。熱意のあるのは小型のNGO的な民間企業ばかりでその実が余り上がっていないのが実情である。経産省が頑張れば経団連は自ずから頑張るはず。これは利益の計算の話が先行すればまづ不可能。国益を先行させるのが経産省の役目であるはずだ。

化石燃料の消費量を減らす努力はよいことなのかもしれませんが、だったらそのことを理由にするべきです。
でも現在は、地球温暖化の犯人をCO2だと決めつけています。CO2の増加で地球規模の温室効果を発生させることを科学的に証明できた人はいないのに。
そして、そのようなオオカミが来るぞ的な理由を盾にして、CO2排出権ビジネスを行おうとしている人たちがいることを忘れるべきではありません。

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