天下り法人の勤務実態、続々告発
天下り法人のあきれた勤務実態が次々に暴かれている。
昨年12月19日当ブログ「血税を貪る“天下りマフィア”URとファミリー企業」に最近、「9年近く前に半年間だけ住宅管理協会で働いていました」という主婦の方からコメントをいただいた。
独立法人・都市再生機構(UR)は住宅公団から引き継いだ賃貸住宅の管理が主な仕事。平成18年度、国から1142億円もの補助金が交付され、UR本体が大赤字なのに、下請けのファミリー企業39社には、膨大な利益が内部留保されている。
財団法人住宅管理協会はURのファミリー企業のひとつである。さっそく、投稿していただいたコメントの一部を紹介する。
「5時を過ぎると、ほぼ毎日事務所で酒盛りです。なぜかビール券が沸き出るようにある。酒盛りにやってきたURのY課長には思い切りセクハラされました。掃除・お茶係専門のおばさんもいて、毎日3時のおやつがあり、ケータイ使用も自由自在。二日酔いの先輩職員は職務中に抜け出して家に昼寝しに帰ったことも。このままではバカになると思い、辞めました。送別会はお断りしたのですが、アンタのためじゃない、みんな理由をつけて飲みたいだけ、と真顔で先輩に言われました」
昨年、渡辺喜美行革相が取り組んだ独立法人改革は完全な「骨抜き」に終わった。数の上では101法人を86に減らすことになったが、中身は空疎だ。とくに改革の目玉となったURの株式会社化について、冬柴国交相の猛烈な反対により3年後に結論を先送りしたのは大きなダメージだった。
住宅管理協会はもちろん今もそのままURの下請けで住宅管理の業務を続けている。
天下り法人の“告発者”として草分け的存在なのが若林亜紀さんだ。彼女は厚労省の外郭団体の研究所に10年勤務した。ネット上でこんな経験談を語っている。
「この研究所には事務の仕事で採用されたが、出勤一日目、いきなり研究員を命ずる、といわれた。厚労省出向の部長によると、研究員を雇うということで補助金をもらっているという。配属された部署では6人の研究員のうち5人がニセ研究員だった。研究所全体では60人の半数はニセ。だから当然、仕事がない。毎日、本を読んだり、テレビを観ておしゃべりしたり、遊び暮らした。なんでこんな夢のような生活が許されるのかと思った」
平成19年4月1日時点の数字だが、国の天下り官僚は26,632人で、それを受け入れているのが4,696法人だ。驚くべきことに、昨年度1年間だけでこれらの法人に支出された税金は12兆6047億円にのぼっている。
内訳は補助金等交付が6兆8173億円、業務の契約が5兆7805億円。契約といっても、随意契約が全体の98%を占めている。
天下り法人の多くが、必要に迫られてというよりも、高級官僚の再就職先としてつくられてきたことはもはや世間の常識である。そういう法人設立の趣旨をうまくでっち上げるのが官僚の才覚とみなされる。仲間内の評判だけが気にかかる日本の省庁の現実だ。
国は財政赤字なのに、天下りファミリー企業は濡れ手でアワ。必要のない研究員を多数置いて、補助金をせしめ、ウイキペディアのデータを引用していい加減な調査報告書を作成し、税金から多額の報酬をまきあげる。そして、楽にもうけることができるから、職員は頭も体も使わない。
コメントをいただいた主婦のかたや若林さんはその、鈍りきった世界から早く脱出したからよかった。人間が老化を防ぐもっともいい方法は、頭と体をしっかり使うことだ。
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子供のと主人のためにいつまでも若いママでいたいなぁ
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投稿: 谷渉 | 2009年4月29日 (水) 22時01分