竹中平蔵に指南を求める李明博大統領
おそらく、この時代のことは誰にも分からないのだろう。専門家の意見はバラバラで、誰を信じていいのか、一般庶民は右往左往するしかない。
とりあえず研究費を出してくれるスポンサーに有利な学説を立てておけばいいという学者や、使ってくれるメディアの企画の意図に沿って理屈を組み立てる評論家がいて、「渡る世間は銭ばかり」である。
小泉・竹中改革など、いまや日本国内では「格差」の元凶として叩かれっぱなしだ。とくに、関岡英之が、米国から毎年突きつけられる「年次改革要望書」の存在を世に知らしめて以来、あの郵政改革も、米保険業界を利するブッシュの戦略に加担したものと受けとめる向きが多くなった。
国民は単純に、小泉・竹中構造改革によって銀行の不良債権処理が進み、それを評価した株式市場も活況となって景気が浮揚したと信じ込んでいたのだが、昨今のように福祉や医療などの矛盾が表面化してくると、構造改革派の旗色が急に悪くなってきた。
しかし、面白いことに、竹中平蔵に賛辞を贈る人物が米国だけでなく、お隣の韓国に現れた。李明博大統領である。
経済低迷にあえぐ李明博大統領は人気急落の打開策として、驚くべき組織をつくり出していた。
「大統領国際諮問団」。大統領に韓国の将来ビジョンを提案する諮問会議だが、「国際」の名が示すとおり、メンバー15人が外国の識者や企業家で占められている。
マイクロソフトのビル・ゲイツ、世界経済フォーラム理事長のクラウス・シュワブ、ハーバード大教授のジョセフ・ナイ、元米国財務長官のローレンス・サマーズ、サウジ国営石油会社最高財務責任者のアル・オスマン・・・。
米、英、仏、スイス、シンガポール、サウジ、インドなどから選ばれたそうそうたる顔ぶれである。このなかの、ただ一人の日本人が竹中平蔵だ。
李大統領は26日、竹中と面談し「郵政民営化などの構造改革が日本経済をよみがえらせた」と賛辞を贈ったという。
それにしても、外国人で構成される会議が、国の将来像やグローバルな問題について諮問を受けるというカタチは、日本ではまずありえないだろう。
「経済大統領」といわれる李明博の真の狙いは、外国からの投資を呼び込むことのようだ。朝鮮日報によると、今春の日米訪問のあと、李大統領は「国外の多くの投資者がチームを作って助言してくれれば投資誘致はもちろん、韓国経済活性化にも役に立つ」と発言している。
こうした韓国の動きを見ると、やはり気になるのは低迷する日本のマーケットだ。とかく、日本は閉鎖的だと外国の投資家から批判される。ブルドックソース、Jパワーなどへの米英投資ファンドの買収に、政府や司法がストップをかけたことがその代表例だ。
小泉改革への過度な反省から、福田内閣は「どうやって産業を規制していくか」という方向に向かっていると述べるのは大前研一である。
「お役人にとって企業とは放っておくと悪いことをするものなのだ。ところが、民間企業に難しい仕掛けを要求しながら、自分たちの仕事のやり方は旧態依然としている」
確認書類が増加し、設計変更が厳格化された改定建築基準法や、グレーゾーン金利撤廃の改定貸金業法などにより、中小・零細企業の倒産が増え、「官製不況」を招いたと大前は指摘する。
ただ、小泉・竹中が悪いとか、福田が悪いとか、そういう議論では何も解決しないだろう。
竹中は韓国紙のインタビューに対し「日本も韓国も同じです。経済が高い水準に達した時点では、さまざまな人々のさまざまなノウハウを積み重ね進歩していかなければ発展はできません。民主導は必然的、つまり“宿命”ですね」と語り、官主導から民主導への転換の必要性を説いている。
竹中ら外国人からの指南を仰ぐ李明博の投資誘致政策が吉と出るか、凶と出るか。これで韓国市場が活性化し、経済が立ち直ったら、アンチ竹中派の評価も変わるのだろうか。
(敬称略)


「天は自ら助くる者を助く」
福沢諭吉の言葉を送っておきましょう
自分には古代からの大国に囲まれ
「三跪九叩頭」してきた民族性の本能の現れにみえます
我が国にも当てはまるかもしれませんが。国の将来ビジョンを自分で考えられない国に発展など望むべくもないのではと思ってしまいます。
国の要の安全保障に関する部分では
アメリカも他国の投資を厳しく制限していますよね。なぜ日本にだけ郵便事業や電力・通信など基幹部分まで
外国の介入を許すよう強要してくるのか不思議でなりません。
投稿 りゅうさん | 2008年6月28日 (土) 08時06分