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2008年6月18日 (水)

世界の通信社トップに消費税前向き発言した福田首相のねらい

「消費税5%でがんばっているから財政赤字を背負っている。決断しなければいけない大事な時期だ」

外国人ジャーナリストに乗せられたのか、誰かの入れ知恵か、それとも自らの深慮遠謀か。福田首相からその発言が飛び出したのは、「非日常的」な記者会見の席上だった。

ところは、虎ノ門のホテルオークラ宴会場「コンチネンタルルーム」。会見に参加した顔ぶれは、単なる記者ではない。洞爺湖サミットに参加する主要8カ国の通信社代表と言えばその通りだが、下記のような面々である。

AP通信社のトム・カーリー社長、ロイター通信社のマイケル・ローレンス総編集長、AFP通信社のジル・カンピオン東京支局長、共同通信社の石川聡社長兼編集主幹ら。つまり、世界の大通信社の経営陣を含む豪華なメンバーだ。

当然、日本メディアの会見のように、各社のカメラや報道陣でごった返すようなことはない。代表取材のカメラマンがひかえているだけである。

ここで、福田首相は17日2時32分から3時57分まで、通信社首脳らのインタビューを受けた。

福田首相にとっては、洞爺湖サミットの議長として、世界の認知度を高めるための絶好の機会だ。日本国内向けには得意の「ビミョー語」でやりくりしてきたが、国際舞台ではそうはいかない。明確な発言が求められる。

政権を揺るがしている社会保障やその財源の問題に話が及んだとき、どう答えるべきか。オークラに向かう前、町村官房長官と30分ほど話をし、最終調整したと思われる。

消費税については、自民党内には増税肯定派と反対派の対立がある。国内メディアの会見で不用意に増税志向ととられかねない発言をすると、そこを突っ込まれて大騒ぎになるだろう。それでは来るべき総選挙で不利になる。

福田首相はもともと消費税増税に前向きな考えの持ち主だ。ジェントルな雰囲気でおこなわれるであろう、G8国通信社首脳との会見を利用して、さりげなく消費税論議を一歩進めるきっかけづくりをしたい。そのような意図をもって会見にのぞんだのではないか。

「社会保障財源が今、不足している。消費税でまかなうべきではないかという議論もあるが、今のところ消費税率5%でがんばっている。だからこれだけ財政赤字を背負っているともいえる。決断しなければいけない大切な時期だ。世論がどう反応するか今、一生懸命考えている」

上記は最もこのニュースを大きく取り上げた日経新聞に掲載された首相発言要旨である。

ここからうかがえるのは、実は日本国民向けの「ささやき戦術」ではないかという点だ。海外メディアへの発言という体裁の中で、やんわりと消費税増税の必要性を国民に訴えている。

日経は一面トップと二、三面に報じた。消費税アップへの期待感が紙面ににじむ。

しかし、総じて各紙とも、これまでにない首相の消費税前向き発言にもかかわらず、地味な扱いとなっている。朝日などは、手元にある版では四面の三段記事だ。黙殺しているに等しい。これは、はたして福田首相の思惑通りといえるのだろうか。

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