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2008年7月24日 (木)

徳島の事件で再び浮かび上がる土地改良区利権

減反政策により「田んぼ」は草ぼうぼうになっても、農地の基盤整備という名目の公共事業には莫大な税金が注ぎこまれる。

いまだ自民党に影響力を持つ、かつての大物幹事長、野中広務。彼が会長をつとめる全国土地改良事業団体連合会は農水省と一体となって、この事業を統括し、全国各地の「土地改良区」という名の公共法人を傘下におさめている。

徳島県の阿南東部土地改良区で、総額約6億円もが使途不明になり、会計主任の女性が業務上横領容疑で警察に逮捕された事件は、日本の農業政策の矛盾を露呈した。

「土地改良区」というのは、農地の改良や、ため池、水路、堰門の整備などを目的に、15人以上の農業者が揃い、県知事の認可を得て結成される。
 
改良事業には国、県、市町村の補助金がつけられ、租税負担が減免される。過去にも、補助金にまつわる不祥事が頻発している。

例えば、2001年に持ち上がった自民党がらみの疑惑だ。「自民党費を全国の改良区が補助金で肩代わりしている」と、民主党の石井紘基(故人)らが全国約7200の土地改良区理事長らを業務上横領、補助金適正化法違反(目的外使用)の容疑で各地検に告発した。

しかし、検察は「改良区のために支出されており、流用には当たらない」として不起訴処分にした。全国の土地改良区をまとめる先述の全国土地改良事業団体連合会が、実は補助金の還流組織の役割を果たしていたことが容易に想像できる。そこに自民党有力者の利権が濃密に絡んでいることを、石井紘基は見逃さなかったのだろう。

さて、阿南東部土地改良区の件で驚かされるのは、一人の女性嘱託職員が「数え切れない」ほど口座からカネを引き出し、計6億円もの金額を消失させているのに、これまで誰もが気づかなかったという、財政の裕福さである。地方にはカネがないなんてウソではないか、とさえ思いたくなる。

しかも、阿南東部土地改良区では、06年12月にも約1億9000万円を不正流用したとして、元理事長が逮捕されている。口座におカネがたまっている土地改良区が、横領の温床になっているのだ。

通常、おカネを支出するには、支出命令書を作成し、事務局長、理事長の決裁を経なければならない。ところが、今回の場合、逮捕された女性職員が印鑑、通帳、定期証書を占有管理し、決済をもらわずに自由に引き出していた事実が明らかになった。

地方の疲弊といいながら、それほど、カネに無頓着でいられる土地改良区の幹部の実態をどう考えたらよいのだろう。民間企業なら預金口座の残高を気にせず、嘱託職員に任せきりにすることなど、とても考えられない。

このほかにも、各地で土地改良区の資金の使途不明事件が起きている。

土地改良区の事業は、役所への申請書類に不備がなければ、補助金がつきやすいといわれる。そのわりには、県や市の会計検査は数年に1回ていどの手ぬるさだ。

世界的な食糧危機が広がるなか、農水省は日本の農業振興政策のありようを、時代に合ったカタチに変えなければならない。土地改良区に関しても、補助金支出の厳格化など、早急な見直しが必要だろう。

                       (敬称略)

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コメント

この事件については、何も明らかでない段階のように感じます。容疑者の言い分も定かではないですし、関連の証言もただ一方的な発言だけではないでしょうか。そもそも、この容疑者、前の事件の時も会計担当だったはずです。情報が非常に偏って流れています。
ご指摘のような政治がらみのことは、全国的にあるのかもしれませんが、直接、この件とは関係ないようにも感じます。

かなり違和感があります。
土地改良区は全国でも大小多種多様であるが、基本的には維持管理業務を行ったり、土地改良事業で負担する借入金の償還に関する事務をします。
当該改良区については詳細はわかりませんが、今回のブログの内容を拝見すると、国等の補助金を改良区が不正流用したという印象操作のように思えます。
6億円の中身はわかりませんが、恐らくその多数は農家の負担金や償還金が原資かもしれません。
その点について質問します。
偉そうに批判されているのでご存知だと思います。
6億円は国等の補助金ですか?
それとも農家が支出したお金ですか?
ご回答よろしくお願いします。

nao氏へ
あなたの文意から見ると、nao氏本人の方が
この事件の中味をyく知ってみえるように
思われます。以前にも

自民党が土地改良区を私物化
http://www.nouminren.ne.jp/dat/200106/2001061803.htm
このような事件がありました。
そして土地改良区事業団体連合会の会長が
野中広務とあれば、何かあるなと疑わざるを得ないのは至極当然のことでありましょう。
このように疑義を呈されたのですから
それを証明するのはクレイジーパパではなく土地改良区事業団体連合会がしなければなりません。
6億などという大金が右から左へ簡単に動くのですから単純な話ではないでしょう。

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