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2008年7月 3日 (木)

怒りと不満噴出の中国、五輪後に何が待つ?

「北京五輪までは何も起こさせてはならぬ」。中国首脳がそう思えば思うほど、あちこちで傷口が開き、隠れていた膿が流れ出す。国の大多数を占める貧しい民の、これほどの不安、怒り、悲しみをかかえて開かれるオリンピックがかつてあっただろうか。

祭典を前に、中国国内の暴動がおさまる気配はない。一党独裁の強権をもってしても抑えきれない民衆の不満エネルギーが蓄積しているからだ。元凶が役人の腐敗であることは疑う余地がない。四川大地震のような状況下でも、各国から集まった救援物資のうち、三分の一を官吏が横領し、闇市で売って大儲けするのである。

数万人が集まった貴州省の暴動の根底にも官僚不信がある。きっかけは女子中学生の死亡事件だが、釈放された容疑者が公安幹部の親族ではないかという疑いがインターネットで広まり、騒ぎを拡大した。

中国の人々の本音はインターネットの書き込みから分かる。この通信手段がなかった時代には、中国人民のナマの声はこちらに届くことはなかった。

中国政府は3万人といわれる「サイバー警官」にサイトを監視させ、政府に不都合な書き込みの削除を管理者に命令し、IPアドレスをもとに逮捕することもいとわない。

それでも、その監視の目をかいくぐって、暴動の様子を伝える多くの動画がネットに投稿された。これは、利用者2億2000万人をこえるネット時代の中国にあって、当局の言論統制にもはや限界があることを証明した出来事だ。

電脳空間は明らかに民主化への期待を抱かせる。それと同時に、情報自由化の進行が中国共産党独裁の屋台骨を揺るがし、堰を切ったように内紛のモトとなるマグマが噴き出して、国内の大混乱を招くおそれも感じさせる。

いまの中国は、実は見せかけの経済繁栄に過ぎない。国民が勤勉に働いて長年かけてつくりあげた日本経済とは違う。文化大革命で、国のリーダーとなるべき知識人は粛清され、多くの文化が破壊され、貧しい民の生活が残った。

その安い人件費目当てに外国企業の工場が先を争い驚くほどのスピードで進出し、政府はにわかに入ってきたカネで、権力を用いて投機的な経済活動を進めた。ごくわずかなマネーゲームの勝利者が大金持ちになった。

見かけの繁栄のウラで、慢性的な水不足により黄河は枯れ、困った農民が地下水をくみ上げ続けて、大地の下が空洞化している実態がある。華北地域も、地震のあった四川省も地盤が弱くなっているだろう。環境汚染とともに、水不足は国の根幹にかかわる深刻な問題だ。

国民が生きていくための基盤が崩壊しつつあるなかで、どうやって13億人の民を養っていくだけの経済成長が続けられるのだろうか。

日本の経済界が中国の成長力に過度に期待していることをとやかく言うつもりはない。商売はしっかりやる。それでいいだろう。しかし、中国バブル崩壊のリスク、政治的混乱のリスクを頭に入れてビジネスを進めないと、あとで後悔することになるかもしれない。

福田首相は航空自衛隊のU4多用途支援機で中国に乗りつけ、北京五輪開会式に出席するという。北朝鮮の金正日総書記も開会式出席を中国政府から要請されている。

二人が開会式で顔を合わせるのかどうかは定かではない。しかし本日の産経新聞一面、シーファー米大使に心情を訴える横田めぐみさんのご両親の写真を見るにつけ、つい思ってしまうのだ。

「拉致被害者を返してくれないかぎり、金正日総書記と一緒に五輪開会式には出れませんよ」

どうして、そのくらいのことを福田首相は言ってくれないのだろうかと。

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