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2008年8月26日 (火)

虚栄の大国・中国の「宴のあと」

「国力を世界に示し、世界の尊敬を得た」と中国政府が自賛する北京オリンピックを通じて、中国に好感を持った人が世界にどれだけいるだろうか。中国で商売をしたいと考える企業がこれで増えるだろうか。

「獄中の五輪」と題するワシントンポストの社説は「表現の自由や人権問題の改善という約束はウソだった」と辛辣だ。

厚塗りの化粧をして、派手な衣装で着飾ってみても、その巨大な身体のあちこちが病んでいることを、世界の人々はメディアを通して垣間見た。開会式、閉会式や欧米メディアに映像が流れやすい競技には公務員の“サクラ観客”を大量動員して、マナーのよさを装った。車の通行規制をし、建築工事をストップさせて、大気汚染の濃度を薄めたが、北京の空気はそれでも目がチカチカするほど汚れていた。

北京の水不足の深刻さも分かった。世界の総淡水の0.0018%しか中国13億人の命を守る水がない。とくに北京はひどい。石炭火力に頼る発電を原発建設で解決するというが、原発に必要な肝心の水がないのでは話にならない。

北京は将来、砂に埋もれ、上海は水に沈む恐れがある。西安あたりへの遷都が真剣に検討されていると聞く。

オリンピックの華やかなステージと、13億人の世界ナンバーワンマーケット。その幻想に吸い寄せられるように、3万5000社の日本企業がわれ先にと中国への進出を果たした。

しかし、大企業はともかく、中小企業の苦戦は続く。そして、経営者たちは中国経済の限界に少しずつ気づき始めている。日本以上に少子高齢化の進む中国は2050年に60歳以上が人口の33%を占めるだろうといわれている。

かろうじて二桁成長を続けるGDPは、サブプライム禍で購買力の落ちた米国への輸出と、バブル状態だった不動産取引の占める割合が大きい。個人消費が年々、低落を続けているという実態は、中国マーケット神話を信仰してきた経営者を震撼させる。

自動車とか家電が売れずに在庫をかかえ、地方政府が報奨金をつけて購入を促すというのは異常である。13億人を経済成長の根拠として、中国に日本経済の将来を託す政財界人がいるとしたら、考え直したほうがいい。

中国全土から集められた美女たちはどれほどの期間、笑顔や振る舞いの特訓を受けたのだろうか。あの完璧なまでの笑顔は、北朝鮮の歓迎セレモニーとも共通する。

一糸乱れぬ典雅なもてなしを世界に示した北京五輪は、毛沢東や紅衛兵が抹殺したかつての王朝文化を復元させ、現代の中国からひととき目をそらす効果を上げることに成功した。

しかし、あまりにも五輪の世界と乖離した中国の現実は「宴のあと」の虚しさに引き続く波乱を予兆させる。それは所得格差にあえぎ、役人の腐敗に憤る国民の不満の爆発なのか、中国共産党内部の権力闘争なのかはわからない。

株や不動産が暴落、大卒でさえ容易に就職できない状況のなかで、工場は公害物質を川に垂れ流し続ける。沿岸は深刻な海洋汚染が広がり、死の海になりつつある。

もはや産業活動を野放しにできない政府は経済統制に追い込まれる。雇用状況はさらに悪化し、その解決のために民族の海外大移動をせざるをえない。アフリカに3億人を移住させる計画があるとも言われる。

日本にも海外から1000万人の移民を受け入れようという自民党、中川秀直らの動きがある。働き手の確保が主な目的というが、こんな政策が実現したら、われ先にと中国人が押し寄せるだろう。

複式簿記さえ定着していない中国は、決算の数字の信憑性が疑われる。自動車産業で成長をめざすとはいえ、中国車は故障が多く、見栄をはって所有するだけの人もいるらしい。

虚飾と欲望と人種の坩堝のような“粉飾大国”で繰り広げられた長くて大げさな祭典は、ようやく幕を閉じ、世界に束の間の静けさが戻ったが、この先には日本にとっても、「宴のあと」の中国とどう向き合うかという難題が待っている。

                        (敬称略)

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コメント

■ベルリンオリンピックの後にナチス第三帝国は滅亡-北京オリンピックは、共産中国の壮大なレクイエムの序曲か?

こんにちは。北京オリンピック閉会しましたね。しかし、中国ではさまざまな問題があるのに、結局放置された状態にあります。私は、今後なんらかの改善がない限り、共産中国は10年後には崩壊していると思います。私のブログでは、ベルリン・オリンピックと北京オリンピックの比較など行ってみました。ベルリン・オリンピックは終生美を追求し続けた、レニ・リーフェンシュタールが演出しただけあって、同じ国威発揚であっても「美」を追求していました。これと比較すると、北京オリンピックは醜悪であったとさえいえると思います。詳細は是非私のブログをご覧になってください。

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