« 虚栄の大国・中国の「宴のあと」 | トップページ | 伊藤さん拉致殺害事件とアフガン政府・警察の腐敗 »

2008年8月27日 (水)

太田農水相の人権擁護法案と朝鮮半島への思い

野中広務、古賀誠の意を受けて人権擁護法案推進の先頭に立っている自民党人権問題調査会会長、太田誠一。

個性の塊のような二人の親分の影に隠れて目立たなかったが、農水相定番の事務所経費疑惑が持ち上がり“新悪役キャラ”としてようやく表舞台に登場した。

彼が福田改造内閣で、古賀の宏池会から農水相に抜擢されたとき、党内でスキャンダルを不安視する声がひそかにささやかれていた。

「消費者がやかましい」という発言は言語能力の貧しさを世にさらしただけのこと。内閣情報調査室は“身体検査”で事務所費問題くらいはつかんでいただろうが、入閣を求める古賀のニラミがしっかりきいていたということか。

太田は野中や古賀と同様、朝鮮半島への思い入れが強い。「太田誠一の政談談論」にこんな記述がある。

「アジアの中で日本が独立を保ってこられたのは、ほかならぬ朝鮮半島に独立国あるいは半独立国があったお陰です。歴代の中国政権による日本列島への侵攻を食い止めたのが朝鮮半島の存在でしたし、現在でも韓国が北朝鮮と対峙することで、アジア全体と日本の平和が保たれています」

太田はNPO法人「日韓トンネル研究会」の顧問でもある。ここには麻生太郎、古賀誠、久間章生ら九州選出のそうそうたる国会議員が同じように顧問として名を連ねている。

日韓トンネル研究会は、統一教会の創始者、文鮮明が1981年11月8日、韓国ソウルで第10回「科学の統一に関する国際会議」を開催したのがきっかけで誕生した。

日本と韓国に海底トンネルを通し、北東アジア地域のボーダレス化をはかるのがこの研究会の悲願だという。どうやらEUのような「北東アジア経済共同体」をめざしているらしい。

太田はこうした北東アジア共同体構想に賛同し、人権擁護法案を成立させて、日本を一体どのような国にしていきたいのだろうか。

世界各国に比べ日本が“人権後進国”だと思う人はまずいないだろう。中国や北朝鮮のような国にこそ人権擁護法案が必要である。

太田が執念を燃やす人権擁護法案の問題は、その法律が守ろうとする人権とは何かということだ。

人権と人権はぶつかり合う。Aさんの人権を守ればBさんの人権を犯し、Bさんの人権はAさんの人権を犯す。そうしたことはよくあることだ。人権侵害の定義は難しい。

国籍条項がなく、日本人でなくてもなれる人権擁護委員が、法務大臣の監督を受けずに「これは人権侵害だ」と認定し、出頭させたり、令状なしに立ち入り検査をして過料を課すことができるという人権擁護法案は、自民党内でも賛否が割れ、激しい論争を展開している。

この法案が北朝鮮の思想研究団体「チュチェ思想国際研究所」の影響を受けているという指摘もある。人権擁護法反対派の「言葉狩りを生む」「朝鮮総連など一部の勢力によって悪用される」という危惧に対して、かつて朝日新聞社説は「心配のし過ぎではないか」と反論した経緯がある。

太田農水相の事務所費疑惑は9月12日召集の臨時国会における野党の格好の追及ネタになったが、彼の問題の本質はそこにはない。太田の政治信条が日本の国益にかなうものかどうかをよく考え、その政治活動を今後も監視していかねばならない。

                   (敬称略)

*より多くの方に読んでいただくため、よろしければクリックをお願いします↓
Blogbanner2人気ブログランキングへ


« 虚栄の大国・中国の「宴のあと」 | トップページ | 伊藤さん拉致殺害事件とアフガン政府・警察の腐敗 »

「経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

うーん、素晴らしい。
全くそのとおりです。

大変恐縮ですが、私は何度か批判的なコメントをしたことがありますが、私はパパ様を誤解していたのかもしれませんね。

太田は半島の国益のために働いているのは明らか。 何故かは知らない。 金銭的見返りが目的なのか、成りすまし日本人なのか、、、 スーフリ事件の時、「レイプする奴らは元気があってよろしい」とのたまう低能ぶりは、後者なのかもしれない。 いずれにしても永田町から排除すべき政治家の一人であるのは間違いない。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/335692/23281748

この記事へのトラックバック一覧です: 太田農水相の人権擁護法案と朝鮮半島への思い:

» レバレッジ比較 [レバレッジ比較案内]
少ない資金でもレバレッジを効かせることで、稼げるんです♪ [続きを読む]

» 対立構造プログラムの姿(上) [徒然の陣(仮題)]
 例えば、我々日本人、アジアなど他人種の国の者が、「白人」と一括りにして捉えがちで良く分からないこの中にも色々な確執やヒエラルキーがあるのを御存知だろうか。そもそも科学的にコーカソイドと分類はされるアラブ人や一部北アフリカ人なども、見た目からして明らかに違いもするのでほぼ完全にそうは捉えられてはいない。ユダヤ人もそうである。以前から述べて来たこの差別と逆差別の連鎖によりユダヤ人は欧米社会、アラブ社会領域でも迫害にあった。アイルランド人は、長らくUK(英国)との支配関係で、実を言うと同じ様な作用・反作... [続きを読む]

« 虚栄の大国・中国の「宴のあと」 | トップページ | 伊藤さん拉致殺害事件とアフガン政府・警察の腐敗 »

フォト

1日1回応援クリックお願いします↓

過去の全ての記事

2016年6月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30    

microad

無料ブログはココログ