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2008年8月 4日 (月)

フジモリを支えた女性ホテルオーナーにたかる外務官僚

日本の外務省と元ペルー大統領、アルベルト・フジモリは奇しき因縁につながれている。

1996年に起きた在ペルー日本大使公邸人質事件で、天皇誕生日祝賀レセプションに出席していた600人全員が解放されたのは、フジモリの決断で特殊部隊が突入したからだった。

以来、外務省にとって、フジモリは恩人となった。

そのフジモリと縁の深い都内のホテルで、40歳の外務省官僚が293日間もの“無銭宿泊”していたことが問題になっている。日本に亡命したフジモリを支援し、結婚までした女性実業家、K社長がこのホテルのオーナーだ。

外務省経済局のノンキャリアであるこの官僚、一昨年6月から昨年4月までの293日間、一泊52500円のセミスイートルームに宿泊し続けた。これまで一銭の宿泊料も払わず、計1538万円の請求書を突きつけられている。謝罪はしているが、「なんとか一般客室並みの料金でお願いしたい」と言い、いまだ支払いに応じていない。

おそらく、外務省の人間だから「特別にタダで泊めてくれる」とでも思っていたのだろう。この大いなる勘違いはどこから生まれるのか。

2005年10月に日本を離れチリに向かったフジモリは、それまでK社長のホテルを利用していたと思われる。外務官僚と会う場所になっていたかもしれない。まずは、フジモリが日本に住んだ5年間を振り返ってみたい。

大統領選挙や不正蓄財に関するフジモリへの疑惑が浮上するなか、危機感を抱いた彼は2000年11月13日、ブルネイでのAPEC首脳会議への出席を名目にペルーを出国、11月16日に来日した直後、日本に亡命した。

11月21日の夜、ホテルニューオータニに、日本財団の事業を通じて知り合いだった作家、曽野綾子を夕食に招き、宿舎として曽野宅の「離れ」の提供を依頼。フジモリはその「離れ」に105日間滞在した。

その後、いかなる経緯か、K社長と知り合い、親しくなった。彼女はことし43歳だから、二人が出会ったときは36歳前後だったと思われる。

Kは25歳のころ、顔見知りの大物社長にホテルの再建を任され、ホテルに高級エステを設けるなどして、わずか2年で黒字化を達成した。その後、政財界の人脈を築いていったという。

フジモリ亡命後の2001年といえば、外務省で公金流用の不祥事が次々に発覚した年だった。要人外国訪問支援室長、松尾克俊は実際のホテル料金と法律で規定された宿泊料の差額を水増し請求する手口で内閣官房から総額5億665万円を詐取した。

この件は巨額の官房機密費をあずかりながら、やりたい放題で、私的なことにカネを使う外務省の実態を世にさらけ出した。

外務省ぐるみの公金流用も明るみに出た。省内の全部局がホテル代の水増し請求による余剰金を、「プール金」として保管し、ホテルでの飲み食いなどに使っていたのだ。95年4月1日から01年7月31日までの調査対象期間内における、裏金の総額は3億4000万円にものぼった。

公金を自分のカネのように錯覚し、国家を背負っているのは自分たちだという思い上がりは、おそらく外務省のDNAとして今も受け継がれているだろう。

亡命中の元ペルー大統領が日本に滞在中、外務省がどのような対応をしていたかは定かではない。ただ、フジモリに特別の配慮をしていたことは容易に推測できる。

フジモリは両国の二重国籍を持っており、政府は日本国籍保有を理由に滞在を認めた。一方、ペルーの司法長官は、日本大使公邸事件で投降したゲリラを射殺した容疑でフジモリを起訴し、身柄引渡しを要求してきたが、日本政府はそれを拒否し続けた。

フジモリと接触する外務省官僚に「オレたちが助けてやっているんだ」という気持ちがなかっただろうか。

問題の外務官僚は一昨年6月のある夜遅く、K社長に電話をし「家庭の事情で行くところがないから助けてくれないか」と依頼。K社長は「しょうがないからいいわよ」と答え、ホテルの部屋を用意したという。

このとき、K社長もまさか、二室しかないセミスイートルームの一つをいつまでも自宅のごとく使われるとは思いもよらなかっただろう。K社長の側から見れば、フジモリは日本政府から庇護されている存在というより、在ペルー日本大使公邸事件で、日本のために戦った英雄だ。

部屋を明け渡す気配のない外務官僚に「宿泊料も払わず図々しさにもほどがある」と怒りが増幅したのではないか。

この愚かで犯罪的な非常識さは、外務省の思い上がりと勘違いのDNAが暴走したとしか思えない。

なお、フジモリは昨秋、身柄をチリからペルーに引き渡され、リマの国家警察施設に収容された。今年4月15日にはペルー最高裁に禁固6年の有罪判決を下されている。現在、フジモリとK社長との関係がどうなっているかは分からない。

                        (敬称略)

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コメント

デヴィ夫人のブログを見られたし。

デヴィ夫人の末尾に追記されていました。

P.S.

今朝、8月4日10時20分に片岡都美さんよりお電話があり、

11時半頃お話致しました。
片岡さんは、彼女が愛した外務省官僚と、
今回の“踏み倒し事件”の外務省官僚とは別人である、
と説明されましたので、ここに付記致します。

デヴィ夫人が思っていたのは東大卒元ワシントン在住というキャリアでしょう。今回の宿泊料踏み倒しの男はノンキャリアのはずです。

655 :名無しさん@九周年:2008/08/04(月) 04:40:21 ID:cTtgFAvI0

そもそも乗っ取ったといわれるホテルももともとの持ち主自体単なる名義上だけで北朝鮮の管理人ってことはないのか?そんな適当な宿に金正男が宿泊するの??
 総連施設の所有者が公安幹部だったっけ??なんか表に今まで表に見えてたものはしんじないほうがいいとおもうのだけどな。失踪自体も北の都合とかさ・・・
http://shadow-city.blogzine.jp/net/2008/08/post_7c52.html#more

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