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2008年8月22日 (金)

タックスヘイブンの日本タンカー、また海賊の襲撃受ける

パナマに船籍を移し、税金や人件費を安くあげてボロ儲けをしている日本のタンカーが、またまたソマリア海賊の襲撃にあった。

襲撃されたのは東京の「興洋海運」が管理するパナマ船籍の7000トンのケミカルタンカー「アイリーン」だという。

どのメディアも日本の海運会社が「管理する」あるいは「運航する」タンカーとしているが、それでは誰が船主なのか分からない。この場合、明らかに興洋海運が船主であろう。ならば、なぜそう書けないのか。パナマに船を所有するためだけのペーパーカンパニーをつくり、その所属にしているからである。

パナマのほか、リベリア、バハマ、マルタ、キプロスなどではこうした「便宜置籍船制度」を設けている。世界各国の船主はこれを利用することにより、自国の高い税金や、定員法、最低賃金制等の制約から逃れ、タックスヘイブンと低賃金の外国人船員による「夢のローコスト経営」を謳歌できる。

現実に、日本の商船の約70%がパナマ船籍であり、その分、日本の国庫に入るはずの税金が減っている。

さて、海賊の話である。襲われた場所は「アフリカの角」と呼ばれるソマリアの沖。21日午後1時50分ごろ、船長から「海賊が乗り込んできて、ソマリアへ向かうよう命じられた」と海運会社に通報があったのを最後に、連絡が途絶えた。乗組員はフィリピン人16人、ロシア人2人、クロアチア人1人の計19人だという。

ソマリアの海賊は暴れ放題である。ソマリアは内乱による無政府状態が続き、沿岸警備などできる状態ではないからだ。

海賊たちは40~50人が海で船上生活し、獲物を見つけると小型ボートに乗り移り、ロケットランチャー、自動小銃で銃撃、船を乗っ取ってソマリアの海岸に着岸させる。

目的は身代金だ。同じように海賊が多く出没するマラッカ海峡は10万ドルが相場なのに、ソマリア海賊はよほど欲が深いのか、1隻あたり500万ドル前後を要求するという。

「アイリーン」は液体の化学化合物を載せ、フランスを出港、地中海からスエズ運河を抜け、紅海を通過してインドに向かう途中だった。

ソマリア沖では海賊の被害が続発しており、シーレーン(海上交通路)の安全確保が緊急課題となっている。

産経新聞の22日の「主張」には「法的制約がある日本は自国のタンカーを他国の駆逐艦に守ってもらわねばならないのだから、多国籍海軍への給油支援は必要だ」という趣旨のことが書かれている。

その考えは分からないでもないが、日本のタンカーというなら「日本船籍」にしてもらいたいものだ。日本人の血税を使って多国籍海軍に給油する以上、その恩恵にあずかる日本の商船は日本国に税金を納めるのがスジというものだろう。


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便宜置籍船制度は世界共通の世の中の仕組みで、それを非難するのはおかど違い。寧ろ、海運業界の市場競争力を削ぐ高過ぎる日本の税金や厳し過ぎる日本の規制に問題意識を向けるべき。

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