« グルジア・米国陰謀説を喧伝するプーチンのメディア工作 | トップページ | 筋書き通りの福田首相辞任表明 »

2008年9月 1日 (月)

トヨタ広告費3割カット、民放各局に衝撃波

番組制作を下請け、孫受け会社に“丸投げ”し、優雅にわが世の春を謳歌してきた民放各社が、急激な景気悪化による広告収入の減少にあえいでいる。

米住宅バブルの崩壊を震源とする世界景気の動揺が、企業の広告カットとなってメディアの営業を直撃したからだ。

あのトヨタでさえ、6月までの四半期決算における業績急降下に、たまらずマスメディア向け広告・宣伝費を今期、3割も削減する方針を決めた。

収入の90%をCMに頼るテレビ業界では、すでにテレビ朝日、テレビ東京など、役員報酬のカットを実施する会社が相次いでいるが、日本経済を牽引するトヨタの30%広告削減という決断は、さらなる衝撃波となって広告、メディア業界に追い討ちをかけるだろう。

東京、名古屋、大阪の民放各社、とくに東京キー局は労せず儲ける仕組みをつくってきた。例えばA社が年に3000億円の売上があるとして、その内訳は、大雑把に言って広告収入2760億円、事業収入・番組販売収入240億円。

この3000億円のなかから、電通や博報堂など広告代理店に支払う手数料が15%ていど、つまり450億円ほど。制作費は35%にあたる1050億円前後だが、番組の大半を企画から練り上げてつくっている下請け、孫受けの制作会社にそのうち1000億円くらいが支払われているはずだ。

ということは残り50%の1500億円がテレビ局の取り分となる。ここから人件費や諸経費をまかなうわけだが、制作を“丸投げ”して安く上げるため、ふつうにやればどんな経営者でも利益を出せる。39歳で年収1500万円近いといわれる在京キー局社員への厚遇ぶりもうなずけるわけだ。

しかし、いかに高い利益率を誇っても、肝心のCM収入が今後も大幅に減り続けるようなことがあれば200~300億円かかる人件費をまかなうことさえ難しい。広告収入の減少を補うための新たな事業を考えついたとしても、この経済情勢下でうまくいくかどうか甚だ疑問だ。経営基盤が脆弱な地方局の経営はよけい苦しいだろう。

民放の危機は新聞社の危機でもある。新聞は2000年以降、広告収入が下降を続け、IT時代への対応に苦心惨憺しているが、経営陣の心のスミに「当分は、テレビで食える」という甘い見通しがないわけでもなかった。

新聞社は郵政省(現・総務省)記者クラブにベテラン記者を配置、60年代から競って新テレビ局開局の認可をとり、自社系列化してきた。その結果、現在の地上波127局のうち3割の局の筆頭株主を新聞社が占めているのである。

中国の安い労働力で生産し、消費大国アメリカに売るという世界経済のメカニズムが転換期を迎え、日本企業が新たな方向を模索し始めた今、マスメディアのビジネスモデルも否応なしに変革を迫られる。

新規参入を阻む総務省の「放送権許認可制」に守られ、誰が社長になってもやっていけるという“テレビメディア天国”がいつまでも続くとは思えない。他の業界は厳しい競争にさらされているのだ。

独自性のある番組を企画する努力を放棄し、タレントの人気に頼る安易なバラエティー番組を各局共通の下請け制作会社に委託してつくらせてきた結果、生涯賃金が6億円近いといわれる社員をかかえながら、どこのキー局にも「ただならぬ発想」を持つ人材が育っていないのではないか。

だとすれば、広告収入減少よりも深刻な問題である。


*より多くの方に読んでいただくため、よろしければクリックをお願いします↓
Blogbanner2人気ブログランキングへ


« グルジア・米国陰謀説を喧伝するプーチンのメディア工作 | トップページ | 筋書き通りの福田首相辞任表明 »

「経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

パチンコ、サラ金、宗教があるからテレビ局は大丈夫でしょうね。
変態記事を19年間も書き続けた毎日新聞はヤバイかも。


 テレビ局で、ワーキングプア、格差社会の報道しますけど、自分たちも加担者の一員ですからね。製作会社の給料は低いですから。テレビ局の職員は優秀で忙しいのでしょうが、給料高すぎです。

 テレビ業界が衰退して、ざまあ、みろと思う業界関係者、多いでしょうね。国民もテレビ(マスコミ)に対して、否定的割合も増えているでしょうしね。私も番組を選別して見ていますね。

はじめまして
福田首相辞任で向後の日本の行方を見極めたく日々ネットにて情報を手に入れています者です。
以前は宅配の便利さに一紙のみの購買でしたから、その新聞社の情報に一喜一憂しており政治面でも信用しテレビが発信する情報が新聞と一致すると何一つ疑うことなく嬉々として投票していました。今思い返しますと大げさですが私の一票が日本を変えたのではと思うと恐ろしいです。でもネットを知らぬ高齢者や政治に興味がなくなった若者たちが、無料で垂れ流されるテレビという情報に惑わされ同調することのほうが本当に恐くなります。今の日本には真実を報道する機関が、ほとんどない現状ですもの。
何を信じられるのかは自分で時間をかけて見つけなくてはと思いますが今の日本人には、その日を生きることで精一杯の人たちが多く、そんな時間はないのが現実です。つかの間に見るテレビの情報に踊らされるのは、あたりまえですし今や高齢者の購買でしか成り立っていない新聞の情報で政治を判断される事は本当にゾッとします。せめてテレビ局にはスポンサーに左右されない中立の立場で報道してもらいたいと切に願っています。
国営として強制的に受信料を徴収しているNHKですら一党支持よりの報道を行っていることに嫌悪感を感じましたので一言申し上げたく投稿いたしました。

ある番組で日本人の一般的平均収入は400万円が
一番多いと聞き嘘やろ~と言っていましたが・・・
これがテレビ局に勤めている方々の実態ではないでしょうか。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/335692/23408397

この記事へのトラックバック一覧です: トヨタ広告費3割カット、民放各局に衝撃波:

» アメリカ旅行のためにキャッシング☆ [初めてのキャッシング体験記 ]
いろんな情報を公開していこうと思ってます(´∀`○人●´∀`) [続きを読む]

« グルジア・米国陰謀説を喧伝するプーチンのメディア工作 | トップページ | 筋書き通りの福田首相辞任表明 »

フォト

1日1回応援クリックお願いします↓

過去の全ての記事

2016年6月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30    

microad

無料ブログはココログ