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2008年9月23日 (火)

麻生太郎は自民党の救世主になれるのか

シナリオ通りの永田町総裁選劇場より、緊張感あふれるウォール街に、ついつい関心は移る。資金繰りに窮したモルガン・スタンレーに三菱UFJが大金を投じるとなればなおさらだ。

しかしここは、麻生太郎政権の誕生に言及しないわけにもいかない。総選挙の結果によって状況が変わるとはいえ、まずは明治以来のエスタブリッシュメントの血筋に、この国の行く末を委ねなくてはならないのだ。

英国風のスーツに身を包み「閣下」と呼ばれる麻生の魅力は自らの育ちへの反抗を感じさせる「庶民性」だろう。

葉巻とマッカランをこよなく愛し、愛車アウディA8には漫画本がいっぱい。高倉健のファンで、カラオケは「花と竜」が十八番。お祭りのハッピ、ねじり鉢巻もよく似合う。

「オレは平時向きじゃない」と自ら語り、いま総理の座に就くのは「天命」と心得ているらしい。しからばこの乱世で大暴れして欲しいが、少なくとも勝利を確信した総裁選では「お手手つないで」の和やかムードに終始した。

公務員制度の抜本改革や地方分権などへの国民の期待は高いが、ついぞ麻生氏の口からその決意を聞いた記憶がない。官僚とコトを構える散弾銃は持ち合わせないということか。

それならば、小池百合子が「霞ヶ関をぶっ壊す。官僚支配の仕組みを変えないとこの国はよくならない」と攻めてきたとき、「なぜ変える必要があるんだ」とでも声高に言って逆襲すれば、高祖父、大久保利通の時代から築き上げてきた官僚組織から大喝采を浴びるところだっただろう。

さて、今の日本の政治状況を世界はどう見ているのか。

米外交問題評議会(CFR)。アメリカの対外政策に恐るべき影響力を有するこの超党派組織のスミス上級研究員は「日本の政治システムと日本社会は転換期にあり、進展には二、三年かかる」(朝日新聞)と分析しているようだ。

スミスの指摘を待つまでもなく、そうやすやすと安定政権が誕生することはないだろう。自公連合がたとえ小泉郵政選挙なみの大勝利をおさめたとしても、参院を野党が支配する状況は変わらない。

与党が過半数をとっても3分の2未満なら勢力図は現状より悪化し、民主党が過半数を取れば麻生政権は超短命に終わる。選挙後の分裂や合従連衡で政権の行方が変わる可能性もある。

この難しい状況を麻生が打開し有利に運ぶにはそれこそ、小沢一郎に政策で真っ向勝負するしかない。総裁選のようなわけにはいかない。

心臓に持病がある小沢は「最後の選挙だ」と、命がけの覚悟を国民にアピールするだろう。そして「霞ヶ関の解体」「地方分権」を掲げ、農水省や厚労省の醜態、国交省の道路行政にうんざりしている人々を引きつけるに違いない。

麻生は「景気対策」で対抗できるだろうか。その人気で党全体を盛り上げられるだろうか。

麻生人気はたしかに小沢をはるかにしのぐ。ただし、現時点での話である。かりに、補正予算を成立させるため審議に入るようなことがあれば何が起こるかわからない。

新内閣発足後の支持率が思ったより低ければ景気対策を盛り込んだ補正予算を通してからの解散、支持率が高ければ予定通り10月3日解散ということになるのであろうか。麻生が任期満了まで引き延ばすサプライズをやってのけたらそれはそれで面白いが、公明党が許すわけもない。

ウォール街の地殻変動は世界を揺るがし、ロシアや中国の経済に打撃を与えている。日本にもやがてさらなる不況の大波がやってくる。麻生、小沢、どちらが政権を握っても、政権を途中で投げ出した安倍、福田両首相よりもっと苦しい局面が待ち受けているだろう。

                     (敬称略)

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