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2008年9月25日 (木)

せっかくの麻生閣僚名簿読み上げに欠けていたもの

麻生「選挙管理内閣」がスタートした。第92代総理大臣自ら閣僚名簿を発表するパフォーマンスは新鮮さをふりまいたが、どうせなら、なぜこの人物を登用したかの説明を加えれば、さぞ説得力があったことだろう。

名前を読み上げると同時に、麻生首相は各大臣に示した重要課題をあげてみせた。これもいいことだ。名前だけではいかにも芸がない。しかし、課題の中身には首をひねらされた。一例を挙げる。

「国土交通大臣、中山成彬。道路の一般財源化、公共事業について意見が分かれており、この問題に取り組んでいただきたい」

道路財源の一般財源化を大きく進めるべきかどうか自らの考えを示さず、党内の意見対立を重視しているような発言だ。一般財源化については福田首相より一歩後退した感は否めない。

それともう一つ。組閣人事を適材適所というのなら、中山成彬は国交相になぜ適任なのかの説明がこのあとにほしかった。

中山の人事のいきさつに関し、朝日新聞は概ね下記のように伝えている。

組閣直前の24日午後、中山の携帯が鳴った。首相からだった。「行革相をお願いしたい」。中山は即答を避けた。旧大蔵省出身の自分に霞ヶ関の解体はできないと考えたからだ。結局、難色を示す中山の派閥「町村派」に譲歩して、国交相に決まったという。

麻生の側近、甘利明は総務相ということになっていた。ところがどういう事情か鳩山邦夫がそのポストに就き、ならばと甘利は国交相に落ち着く手はずだった。ところが、中山サイドの意向で行革相に横滑りし「正直言って想定外」とこぼしている。

そんなわけだから、甘利に関する麻生首相の発表内容は空疎だった。以下に、そのまま発言内容を再現する。

「規制・行政・公務員制度改革担当、甘利明。行革の推進ということでありまして公務員制度改革、また規制改革などご存知の通りでありますので、この問題を進めていってもらわねばならぬと思っています」

これでは担当分野の名称を繰り返しているだけで、改革に対する熱意は全く伝わってこない。

今、この国にとって何が最も大切だと考えているのか。残念ながら、麻生総理の発言からは何もうかがい知ることができなかった。

国のかたちを根本的に変えるのか、現状の体制を維持したまま景気振興策をやり続けるのか。世界的な食糧危機に対応するため、日本の農業、漁業の再生をどのような手順でやっていくのか。

農業土木に使うカネがあるなら、農業経営を成り立たせる資金として、それを使えばいい。道路に巨額投資をする財源があるのなら、せめて国民を守る医療や福祉に半分でもまわしてほしい。

なぜ、政策が見えてこないのか。なぜ政治家は一般国民に分かるように話さないのか。

思考の組み立てを転換してほしい。支持団体から上がってくる数々の要望を調整して政策としてまとめていては、いつまでも国益につながるものにはならない。

この国に何が大切かを大局的に判断し、そのためにどんな施策が必要かを考え、優先順位をつけて実行していくことだ。

日本を取り巻く情勢は厳しさを増している。外交防衛を有利に進めるためにも、これまでのように外国頼みでなく、日本だけでも何とか全国民が食べていける将来の国のかたちをつくっておかねばならない。

麻生自民と小沢民主の天下分け目の戦いは、国民にとっての戦いであることを忘れないようにしたい。選択するのは国民だ。ただし、勝ったほうが本当の勝者になるとは限らない。

民主が政権を取って自壊することだって考えられる。麻生自民政権が継続すれば福田首相と同様、「ねじれ国会」の悲哀を味わって、三度目の政権放棄につながることもないとは言えない。

結局は、私心を「捨てる」覚悟を持つ者が真の勝者となる。ちっぽけな自分たちの集団利益より、国家、国民に命をささげる気合の強さが、最終的な勝利を呼び込むはずだ。

支持団体のしがらみがない一般国民は正常に物事を見ることができる。ここは冷静に、日本の将来を託せる政党、人物を見定めたい。

             (敬称略)
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コメント

麻生総理は、「国民の要求に答えるため・・・」のように発言していましたが、私には、国民の部分が、官僚・政治家にしか聞こえませんでした。

プライマリバランスゼロについても早々とあきらめ発言をしている点が気に入りません。国民から信任されていないのにばらまきをしてもいいのでしょうか?

ようするに、貴方は意見を押しつけたいだけですね。

私は、麻生総理は失言を言わないように、言葉を選んで発言しているだけに思えます。
#些細な一言で妄想して記事を書く新聞社もいますし、特に麻生総理の場合は「事実」を言っても「失言扱い」ですし。

まだ麻生総理の政治が始まってもいないのに、麻生批判するには時期早々。

当初は、鳩山邦夫に国交相、中山に行革担当相、甘利明に総務相という布陣計画だったようです。
ところが、中山成彬は「大蔵省出身の俺が行革などできるか」とゴネ出したこと、また、麻生側近の鴻池が、鳩山には国交よりも重要ポストである総務で処遇すべきと進言した結果、
甘利明に行革担当、鳩山には総務、中山に国交という布陣になりました
つまり中山は初めからゴネていてやる気がなかった
しかも、中山は宮崎県知事を狙っていた

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