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2008年9月22日 (月)

倒産リーマンに独政府金融機関が450億円ミス送金

ドイツの政府系金融機関がとんでもないチョンボをしでかした。リーマン・ブラザーズが倒産したその日、リーマンに3億ユーロ(約450億円)を振り込んだのだ。

ドイツのシュタインブリュック財務相が「人生の中でこのようなことは経験したことがない」と嘆息し、メディアには「ドイツで最も愚かな銀行」と酷評された。

その金融機関はドイツ復興金融公庫(KfW)という。サブプライム問題で経営難に陥ったドイツ産業銀行(IKB)を支援したおかげで、48億ユーロもの大損失を計上。ことし8月、米国の金融機関にIKBを1億ユーロで売却して、ひと息ついたが、それも束の間だった。

直接の担当責任者と理事二人が停職処分にされたのは当然のことだが、ドイツ国民にとって気になるのはリーマンに渡った政府資金の行方だろう。

報道によると、送金のタイミングはリーマンの破綻直前と、直後の二説ある。しかし、いずれにせよリーマンの経営破綻がすでに避けられない段階で、なぜこういうことになったのか。プロ中のプロがリスク管理を怠っていたとはとても信じられないことだ。

この資金は、両社間の通貨スワップ取引で送金されたという。通貨スワップは、例えばユーロとドルなど異種通貨の金利変動による差益をねらって通貨を交換するもので、レバレッジのきいた投機性の高い取引だ。交換時期や金額の計算方式をあらかじめ決めておき、通常はかなりの長期間にわたり数回の交換がおこなわれる。

KfWは「リーマンの破綻に注意を向けず、自動的に送金されたミス」と弁明。リーマンに対して返金を求める方針だが、すでにリーマンは9月15日に「連邦倒産法第11章」の適用を連邦裁判所に申請、すべての資産は保全されている状態だ。一定期間、債権者が個別に弁済を求めたり、資産を売却したり、差し押さえたりすることはできない。

今後、資金が戻るかどうかは管財人との交渉しだいだが、KfWの関係者は「現状を考えれば、かなりの損失を覚悟しなければならない」と落胆しているという。

リーマンは日本の民事再生法のモデルになった「第11章」にしたがって、今後、倒産手続きに入る。現経営陣が再建計画を立案し、妥当性が認められればそのまま事業の継続が可能となるが、前途は厳しいという見方が強い。

土地神話と住宅バブルが創り出したアメリカの旺盛な消費に引っ張られてきたニッポンの外需依存経済はいったん落日のときを迎え、来年、再来年とわが国は本格的な不景気のなかに漂うだろう。

磐石だと思えた有力取引先がある日突然、倒産するするようなことがあれば、経営に大きな打撃を受けるだけでなく、債権、債務をめぐって管財人との気の重いやり取りを覚悟せねばならない。

多くの場合、倒産した会社から債権者が取り戻せる金額はごくわずかだ。KfWのケースは、ボンヤリしていると大損する実例だ。

ところで、筆者はいまも、FRB(米連邦準備理事会)がなぜAIGを救ってリーマンを見捨てたのか考え続けている。

公的支援をあてにするなというメッセージを発信するための見せしめとしてリーマンを選び、より規模が大きく、潰すと連鎖的企業破綻が心配されるAIGを救った。それはそれで間違いないだろうが、果たしてそれだけだろうか。

FRBは、リーマンを手はじめに、これから危機が表面化する下位ランクの金融機関も解体して業界を再編し、寡占による国家支配を強化しようと考えているのではないか。

もともとFRBは、モルガン、ロックフェラー、ロスチャイルドといったごく一握りの世界的銀行家たちが、通貨を発行、管理し、米国の金融資源を支配するためにつくったいわばギルドのようなものである。

だからといって、FRBが1929年に起こったような世界恐慌を再現しようとしているとか、ドルを崩壊させ新通貨体制に変えようとしているという陰謀説をただちに支持するわけにはいかない。

このあたりで世界をリセットしなければ自分たちの支配体制が危うくなると考えても不思議ではない連中だが、そこまでやるだろうかという疑問は残る。

ただし、アメリカには、世界で引き起こした戦争や、支援したクーデターなどによる、破壊から復興、変化への過程で、金融や軍需産業が大きな利益を得てきた歴史があることも忘れてはならない。

リーマンへのミス送金の話からやや話がそれたが、ドイツ復興金融公庫を慌てさせた金融危機の根っこには総元締めであるFRBの存在があることを常に意識しておきたい。


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