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2008年9月 3日 (水)

麻生太郎の深き欲望と不安

福田康夫首相の辞任表明を受け、麻生太郎は正真正銘、「政界の主役」に躍り出た。悲願の椅子に座る日の近いことを確信したその瞬間から、麻生の心中に、それまで感じたことのない不安が湧き上がっていることだろう。

マスコミにもみくちゃにされ、自宅に帰ったあとの束の間の静寂で、彼の胸に去来するもの。それは「総理への道筋が見えてきた」ことへの興奮と、「総理の座を総選挙後も守れるか」という不安であろう。

ひょっとしたら、福田康夫の辞任会見は、自民党政権の「末期の言葉」ではないのか。麻生の「弱気の虫」はそうささやく。麻生が総理になり、内閣支持率が50%をこえて、「今しかない」と解散したとしても、自公あわせて衆院の3分の2の議員数を確保するのは極めて難しい。

現状は小泉郵政解散選挙の恩恵で、与党の議席は自民304人、公明31人、計335人。定数480人の69%を占め、3分の2(66%)を上回る。だから、テロ特措法など参院で否決された法案も衆院で再議決できた。

前々回、2003年の総選挙後は自民党237人、公明34人で計271人。自民党は10議席を減らして単独では過半数に達せず、自公と保守新党(4人)の与党3党でようやく57%を確保した。93年の総選挙以降、自民党の退潮は続いており、郵政選挙だけが特別だった。

今度の総選挙でも、「総裁選ショー」の余韻だけでは、自公で過半数を取るのが関の山だろう。それをもって、「国民の信を得た」とし、あいも変わらぬ“衆参ねじれ”を吹っ飛ばすほどの政権運営ができるものだろうか。

安定した政権をつくるため政界の再編は避けられまい。自民党も、民主党も党内分裂の可能性をはらんでいる。他の小政党がキャスティングボートをねらってどう動くかもポイントの一つだ。

もちろん、麻生の最大の恐怖は、選挙に敗れ、自民党が野に下るケースである。かつての河野洋平のように、自民党総裁であって日本国総理大臣ではないという境遇は、麻生にとってこのうえもない屈辱であるはずだ。

誰が新首相になろうとも、早期解散を望む公明党や世論の動向からみて、解散時期は新内閣組閣直後か、遅くとも補正予算成立後だろう。最悪の場合、麻生は数日間しか首相の椅子に座れないこともありうる。

麻生の「強気の虫」はささやく。「あんたなら自民党を奇跡の復活に導ける。自信を持って攻めろ」。少数派閥の麻生にめぐってきた政権取りのチャンス。「見かけが弱い首相」のあとに「見かけだけは強い」麻生総理が登場すれば、旋風を巻き起こせるかもしれないではないか。

それでも、麻生の「不安の虫」はいつまでも頭の中を這い回る。「あんたは結局、森さんに乗せられて貧乏くじを引くだけなんだよ」。

そうか、だから森喜朗は1日夜、派閥の主要メンバーに次々電話し「わが派は安倍、福田と2代続けて迷惑をかけたのだからしばらくは謹慎だ」(産経新聞)と、殊勝な指令を出したのか。

“戦国時代”の立ち回りは麻生に任せ、場合によっては討ち死にしてもらおう。それが森の真意だとしたら、これから予想される麻生の栄光は、桜花のごとき“滅びの美しさ”を内に包含するものとなる。

麻生の「強面」の裏にひそむ「不安」を感じるとき、日本的な「判官びいき」の感情が、危うく筆者の心をとらえそうになる。

麻生にこのようなナイーブさはないと主張する方もいるだろう。しかし、権謀術数にたけた本物の強者とも思えない。むしろ、ウソがつけず、ボロが出やすい、お坊ちゃんなのだ。

二世、三世議員の多い政界にお坊ちゃんでない人物を見つけるほうが難しい。あの森喜朗でさえ、全国の町長会で名をはせた父親の力あればこそ、ろくに勉強もせず大学を出て、新聞社に就職できたのだ。小沢一郎だって吉田茂の側近だった父、小沢佐重喜の地盤を引き継いだからこそ今がある。

日本の政治家がひ弱になっている現実は覆い隠しようもない。政治が票と地盤を継承する家業になっているからだ。現実に、限られた者しかなれない国会議員のなかから、官界をコントロールし世界を相手にタフな交渉ができるリーダーを選べといわれても、国民は困ってしまうのだ。

とにもかくにも、政治家、麻生太郎の今後の精進を祈る。

                    (敬称略)

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コメント

またまた妄想丸出し。
>湧き上がっていることだろう。
>不安であろう。
>ひょっとしたら、
>にとってこのうえもない屈辱であるはずだ。

感情と妄想だけでよく書けるなという感想です。
やはり薄っぺらですね。

意味のないコメントをよく書けるなという前の方に続きますが、これだけ格差社会を推し進め下流を作り出した与党が過半数?取れるとはとても思えないです。格差社会の超上流の象徴でもある麻生氏が
これからの中間層の復活をできるとはまったく思えないし、いわば、将軍慶喜の登場といっていいでしょう。

麻生氏の思いは本人以外誰にもわかりません。それを憶測しブログで公表するのは自由なことでしょう。そして、ここに記載されているのは、大なり小なり妥当な憶測のように感じます。所詮は憶測で、事実ではないにしても。
同じような憶測を私がすれば、
郵政選挙のような勝利が望めない以上、選挙後に安定政権を求める動きがでます。その結果、自民党が野に下ったとしても、一部議員がヒステリックの叫ぶような「自民党の断末魔」にはならず、ほどなく政権の座に復帰する可能性があります。たった一度の惨敗でしょぼくれた民主党よりも生命力がありますから、案外を解体するのは民主党のほうかもしれません。て、とこですか。

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