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2008年9月 4日 (木)

麻生太郎に配慮、森喜朗の「中川批判」芝居

森喜朗の“お芝居”を見抜くのは案外、たやすい。たぶん「大根役者」であることを自覚していないのだろう。

2005年8月6日夕、郵政民営化法案が参院で否決されたら衆院を解散するという姿勢を示していた小泉首相を公邸に訪ねたあと、森喜朗はわざわざ缶ビールとミモレットを手に報道陣の前に出てきた。

党分裂を回避するため解散の決意を変えるよう説得したが、全く相手にされず「首相は変人以上だ」と吐き捨てた。

テレビでこのシーンを観て、パフォーマンスだと直感した人は多かったのではないか。わざわざ缶ビールとミモレットを持って出てくる必要などない。「寿司でも取るのかと思ったらこれだけしか出てこなかった」と、決意の固い小泉のそっけなさを強調するための小道具だった。

つまり、小泉の後見人を自任する森が、「オレはちゃんと首相に諫言したぞ」という“アリバイ工作”をしただけのことだ。

森は似たような手法をよく使う。自派閥の議員を叱るフリを報道させて、党内の反発を和らげる。

昨日(9月3日)も各社記者団を集めてわざわざこんな話をした。総裁選出馬に意欲を見せる小池百合子と、中川秀直に関してだ。中川は改革を旗印にした総裁選候補者の擁立をめざしている。

「中川君がウチの派の代表世話人として小池さんに出馬の要請をするのは間違いだ。小池さん本人が出るのはかまわない」

「私も福田さんもお世話になった人が麻生さんだ。福田さんと率直な話をしてくれとアドバイスしたら幹事長になってくれた。麻生さんに感謝の念はある」

この発言は、主として麻生太郎とその周辺に対するアナウンスだと推測してもおかしくないだろう。森が総裁選での全面協力を匂わせたから麻生は“泥舟”に乗った。だから森は自派「清和会」として候補者を出せない立場だ。ここは、中川の行動に釘を刺したフリを見せておかねばならない局面だろう。

ただし、総裁選をショーアップするために小池百合子が出てくれることは森も麻生も内心では歓迎しているはずだ。党内基盤を持たない小池にまず勝ち目はない。

小池以外の名前も何人か挙がり、若手議員を中心に総裁選における地方票の取り扱いなどをめぐってヒートアップしているが、こういった騒ぎもみんな今のうちだと思っている。

ひとたび、麻生有利の空気が流れると、雪崩をうって勝ち馬に乗る動きが出てくるのが自民党総裁選だ。

福田首相の政権運営に業を煮やし、今年初め、日本テレビに麻生太郎を呼びつけた渡邊恒雄は麻生に“口頭試問”をやってのけた。

渡邊「今の政治に何が必要だ」 麻生「経済でメッセージを出すことです」
渡邊「おまえどうするんだ」 麻生「もう一度出ますよ」 
渡邊「そうか、やるか」

このとき以来、渡邊の胸中に「麻生総理」構想が生まれたと思われる。渡邊は“サラブレッド”が大好きなのである。

森は民主党との大連立構想が持ち上がったさい、渡邊の意を受けて福田首相の代理人として小沢を訪ねている。中曽根政権誕生以来、自民党政治の背後にはナベツネの影があった。公称1000万部の新聞の論調を、論説委員長に就任した1979年以来支配してきた老剛腕経営者の口出しは今回の政変にも及んでいるはずだ。

小沢一郎を「悪役」とみなし、党内調整に抜群のウデをふるってきた森喜朗が、次に繰り出す“田舎芝居”はどんなものだろうか。

                   (敬称略)

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コメント

森喜朗が「大根役者」で、それに本人が気づいていないのは、まったくもって賛成です。本人はキングメーカーを気取っているようですが、本人以外の誰もそんなことは思っていないことでしょう。
早く落選してほしいものです。敵失で勢いにのっている民主党さん、早く対抗馬みつけて、落選させてください。

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