三浦和義はなぜ死んだのか
湘南に「フルハムロード」という可愛い輸入雑貨のセレクトショップがある。この夏にサイパン店がオープンした。店主は三浦良枝さん。かつて「ドラキュラの花嫁」という本を出した。
“ドラキュラ”こと、夫の三浦和義氏はことし2月、サイパンでロス市警の警官に逮捕された。前妻の一美さんと、愛人の白石千鶴子さん。二人の女性の命を奪った男だとロス市警はにらんでいる。
サイパン店の物件を見にやってきたのか、単なる旅行だったかはわからない。日本では一美さん殺害事件で無罪を勝ち取ったが、殺人の時効のない米国の捜査官に、米国領に入るその時を狙われていたようだ。
ところが、思いがけないことが起こった。殺人の共謀罪の容疑でサイパンからロス市警に送られたばかりの三浦氏が、独房の中で、突然この世を去った。つい先日のことだ。独房内でいったい何があったのか。
筆者の友人で、ロス事件当時、捜査当局に情報提供したA氏はロス市警の下記の発表内容に首をひねる。
「10月10日ロス市警本部の留置場で、三浦和義氏は独居房内の2段ベッドの端にTシャツをくくりつけ、首に巻いて自殺した。監視カメラは設置されていなかった」
係官の見回りのわずか10分ていどのスキをついて、Tシャツ一枚で自殺できるものだろうか。自分のシャツを裂いて捻ってヒモ状にし、二段ベッドの柵にかけて首をつれば、理論的には可能だろう。しかし、かなり素早い動作を必要とする。
不審を抱いた三浦の弁護人ゲラゴスは病理学者のブライアン・ポージーに遺体の調査を依頼した。
調査結果はこうだ。「遺体には殴打されてできたとみられる傷が背中の深部にあり、首を絞められてできた可能性のある血腫がある」。つまり、他者の手にかかって亡くなったという見立てである。
留置場で起こった出来事をロス市警が正しく発表しているとは限らない。不都合なことがあれば隠すだろう。
ならば、誰が三浦氏を殺す必要があったのか。警官にその動機があるとは思えない。暴行を加え、誤って死に至らしめたとも考えにくい。
ロス銃撃事件の実行犯はいぜん不明だが、背後に何らかの犯罪組織が絡んでいるとしたらどうだろう。がぜん「他殺説」が信憑性を帯びてきはしないか。
もし三浦氏がが犯人につながる何かを知っている、あるいは知っている可能性を犯罪組織が恐れていたとすれば、その存在を消し去ろうという動機が生まれる。
ロス市警は三浦氏が、直接か仲介人を通してか、いずれかの方法で実行犯グループに殺害を依頼したと想定し、日本では審理されていない「殺人の共謀罪」での立件をめざしたに違いない。
ロス市警が新証拠をつかんだかどうかは定かでない。物証ではなく、事件当時の状況や、三浦氏の虚言癖、特異な個性から三浦氏を「クロ」としているフシもある。
最も有力な根拠は、1981年8月、ロスのホテルニューオータニの一室で、三浦氏が愛人に依頼して妻、一美さんを鈍器で殴打させた事実である。
この件では愛人も逮捕され、三浦自身、殺人未遂事件で有罪が確定し刑に服している。
殴打事件直後の11月、ロスの駐車場で問題の銃撃事件が起き、頭部を撃たれて1年後に亡くなる一美さんに1億5500万円もの保険金をかけていたことがのちにわかった。
三浦氏に疑惑の目が向けられたのは当然だった。この件について、日本の裁判では証拠不十分により無罪となった。
一連の動きをテレビは追い続け、三浦氏は被害者の夫を演じ続けた。三浦はこどものころ芸能界にいた。叔母である元女優、水の江瀧子さんがプロデュースした石原裕次郎の映画に子役で出たこともある。
もう一つの事実は自作自演の放火魔であったことだ。高校生のころ、朝火事の現場に駆けつけて人を救出したが、火を放ったのは三浦氏自身だった。
9件の放火を繰り返し、自ら消防署に通報した。この“狂言癖”はどこから来たのだろう。
一説には、1930年代に「男装の麗人」として一世を風靡した水の江さんが、和義を生んだものの、スターのイメージを守るため公にすることができず、実兄の息子として入籍したともいわれる。水の江さんの実子かどうか確かめる術はないが、事実だとすれば、三浦氏は母の愛に飢えた少年時代を送ったことになる。
三浦氏の芝居じみた行動や虚言は、母性への渇きと憧憬が関係しているのかもしれない。水の江さんはロス事件で世間が騒然となるなか、静かに芸能界から去った。
先述のA氏は「自殺を否定するわけではないが」と前置きしたうえで、こう推理する。
「一美さんの頭部を一撃し、三浦氏の足に命中させて逃走する手口はプロの仕業としか考えられない。そうとう大規模な犯罪組織が絡んでいるかもしれない」
「三浦氏に殺人の共謀罪を適用して取調べを再開したロス市警の真の目的は、実行犯あるいはその背後の組織につながる何らかの糸口を掴むことだったのではないか」
「かりに他殺だとすれば、組織の一味が、ロス市警の警官、あるいは被疑者の中に紛れ込んで口封じに三浦氏を狙ったと考えられないこともない。アクション映画のようなことがあの国では実際に起こる」
「自殺」のロス市警発表に対し、一美さんの母、佐々木康子さんは悲痛な胸のうちを綴った。
「狂言として自殺をはかり、誤って死んでしまったのか、死のうとして死んだのか、それはわからないが、三浦が死んでも、殺された一美、千鶴子さんの無念は変わることはありません」
「狂言」の言葉に康子さんの三浦氏に対する深い不信感がうかがえる。康子さんは「“狂言自殺”の末、誤って死んだ」と疑っているのだ。
一方、三浦良枝さんや、三浦氏の支援者はあくまでロス市警の責任を追及してゆくだろう。疑惑の渦中にある人物を支え続けた良枝さんの本心を推し測ることはできないが、当然ながら支援者たちは三浦氏の「無実」を固く信じているはずだ。
ロス市警が弁護側の提示した疑問にきっちり答えない限り、さまざまな憶測を呼ぶだろう。
一美さんと白石千鶴子さんが何者かに殺められたことは紛れもない事実である。三浦氏の死とともにその真相が永遠に葬られるとしたら、二人は浮かばれない。 (一部敬称略)
より多くの方に読んでいただくため、よろしければクリックをお願いします↓↓
人気ブログランキングへ


パパのブログにしては珍しく、(根拠に乏しい)憶測に基づいた感傷的な文章という感想を持ちました。
何者かによって殺害された元妻を含め、三浦氏は目の前にいる相手を信用させる不思議な「魅力」がありました。
投稿: モト | 2008年10月25日 (土) 13時55分
いかに米国であったとしても、犯罪組織が留置場の中で殺そうとするほどの人物だったとは思えません。自殺とみなすのが妥当でしょう。
かの騒動時のマスコミの姿勢は非難されるに値しますが、一般には理解できない、不思議な魅力を持つ人だったのは間違いありません。そして、そんな彼の言動からは、社会性人格障害(?)の傾向が見え隠れしていたように感じます。
八方塞りになった時、その障害特有の発想が、彼に自殺という道を選ばせたように、私は感じました。
投稿: 箕輪伝蔵 | 2008年10月25日 (土) 14時13分
疑惑の渦中にある人物を支え続けた良枝さんの????
彼女はずっと三浦と別居してましたよ。理由は子供に対する暴力です。
しかし、遺骨を抱いて急に被害者のように装い、入管から出てくるとは。
彼女にも違和感を覚えますが。
投稿: 伝説 | 2008年10月26日 (日) 05時05分
疑問があります。
何故 アメリカの病院飛行機が一美さんを乗せて運んだのでしょう。
当時 不思議に思いました。
一般人なら絶対無理です。
軍を動かすような力が三浦市に何故あったのでしょうか?
そして今回殺されている。
何かつながりがないのかあるのか?
投稿: 亀太郎 | 2008年10月27日 (月) 03時12分
<祝い> 殺人鬼の三浦和義が、自殺
(10月13日)殺人鬼の三浦和義が、殺人鬼の三浦和義を<私刑>した。
めでたい。めでたい。
しかし、「 司法の正義 = 殺人鬼の三浦和義を<死刑> 」 の実現が達成されなかったのは、残念である。
投稿: <祝い> 殺人鬼の三浦和義が、自殺 | 2008年10月28日 (火) 13時38分
はじめまして。
三浦和義の自殺に違和感をおぼえ、色々検索しているうちにここにたどり着きました。
私も他殺だと思います。
自殺報道数日後、「三浦元社長がいたのは、独房ではなく3〜4人の雑居房でした。」とニュースで言っているのを聞いて愕然としたものですが、その件に関しては記事にもならなかったようなのも気になります。
三浦和義が実際入っていたサイパンの独房の映像を見ましたが、ベッドは床に固定されており、囚人服も裂けるような代物ではない事を報道していました。
ロスの雑居房だとして多少の違いはあっても、自殺できないような工夫はどこでも同じなのでは?と思います。
白石千鶴子さんの事件から30年ほど経っているので、その頃から共犯者がいて三浦和義が犯人とした場合ですが、共犯者はここ30年ほどで出世した人物じゃないかと思いました。
白石千鶴子さんの時は、400万円ほど引き出しただけのようなので、もし共犯者が当時から大物なら、その中からの報酬では見合わないと思うから。
30年も経てば色々変化があります。
最初に共謀した時はさほどの地位ではなかったが、30年経った今はそれなりの社会的地位についているため、共謀がバレたらマズイからアメリカ政府と警察ぐるみで?口封じに三浦和義を消した。
例え他殺でも犯罪組織によるもので、政府や警察が絡んでなければ他殺と公表できるのでは?
共謀者は、犯罪組織などの裏の人間ではない気がします。
長々と失礼しました。
投稿: 三日月 | 2008年10月30日 (木) 22時27分