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2008年10月10日 (金)

赤字国債増発の麻薬に手を出すのか自民党

政治家はどうしても視野が狭くなる。日々、支持者やその紹介で陳情にやってきた人たちと会い、秘書たちが手を回して集めた聴衆の前で講演し、拍手を浴びてうぬぼれる。

そんななかで、聞こえる意見はおよそ世論の大勢とかけ離れている。サイレントマジョリティと乖離し、一部階層や支持団体の声を世論として政策を考えても、結果は悲惨だ。

自民党は赤字国債という借金をさらに積み上げて、緊急経済対策をやるつもりのようだ。もうこれ以上借金を増やさないという誓いもなんのその、支持団体が喜び、選挙で票が集まればいいと思っている。

自民党政調会長、保利耕輔は対策の中身を聞かれ「減税とか公共事業とかが考えられる」とひと昔前の政治家のようなことを平然と言い放った。

麻生総理は10日発売の文芸春秋に「国会の冒頭、堂々と私とわが自民党の政策を小沢代表にぶつけ、その賛否をただしたうえで国民に信を問おうと思う」と書いた論文を寄稿している。

自民党総裁就任直後の9月22日ごろに執筆したものだという。大方の予想通り、麻生は総裁選の盛り上がりに期待して、解散スケジュールを考えていたことがわかる。

ところが、首相就任直後の世論調査がいまひとつパッとしなかったことで、計画が狂い始めた。

あれこれ思案しているうちに、自民党選対が各選挙区状勢を分析した結果が出た。「自公で過半数取れるか微妙」。麻生の迷いは深まった。「自民党の政策を小沢代表にぶつけ、その賛否をただす」つもりの所信表明も、相手にかわされて効果がなく、その後の世論調査で支持率は低落した。

麻生は早期解散にこだわる公明党を尻目に「いまは解散より景気対策」と繰り返す。これに呼応して自民党内は一気にバラマキのための赤字国債増発容認論に傾いてきた。

本来、財政法が発行を禁じているはずの赤字国債を、政府は公債特例法の制定により、毎年発行している。小渕政権時代に景気対策名目の国債を乱発したことが一気に国の借金残高を膨らませたことは周知の通りだ。

この過大な元利払いのため、今に至るまで赤字国債の発行は続いているが、小泉・竹中構造改革以来、赤字国債発行を抑制し、2011年にはプライマリーバランスを黒字化するという「骨太の方針」を政府与党は堅持してきた。

プライマリーバランスの均衡とは、簡単に言えば、借金を新規に増やさないでも、その年の税収などの収入で全ての政策的支出をまかなう財政状態にもっていくということだ。

今になって小泉・竹中路線は何かと批判があるが、少なくとも利益誘導型の公共事業を抑制してきたことは評価できた。それにより利権政治家の力を削ぐ効果も生んだ。

にもかかわらず、公共工事で土木建設業界を潤し、見返りに政治資金と票を獲得するという旧来型の自民党政治が、ここへきて大々的に復活しそうな空気がふんぷんと漂ってきた。この政治の逆行を国民は是とするだろうか。

赤字国債増発という麻薬を打って一時的に元気になっても、それに依存しなければ体がもたなくなる「依存体質経済」にいずれ、陥ってしまうことは目に見えている。

これ以上国の借金を増やして、ますます自由に使える財源を少なくし、増税を繰り返して将来の世代にツケをまわす。こうしたものの考え方がまかり通るのは、戦後さまざまな利権勢力と手を携えて命脈を保ってきた自民党という特殊なムラだけだろう。

自民党幹部からこんな声が聞こえるという。「大盤振る舞いするしかない。財源なんて気にしていられない」(朝日)

もし、麻生首相が「赤字国債増発」という麻薬に手を出したとき、この国の将来への希望が音を立てて崩れそうな気がする。 (敬称略)

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「経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

このエントリの内容は間違っている。

麻生太郎の赤字国債で一時的に景気を良くしようという戦略は正しい。

実際にはここで、ばら撒きを行っても景気に与える影響はごくわずかであり、将来に残す借金のほうが大きいだろう。

しかし、ここで景気対策を行わなければ、マスコミの主導により来年の選挙で民主党が勝利して、埋蔵金というありもしない赤字国債で、40兆円のバラ撒きが行われることになる。

(衆議院、参議院で民主党が過半数を取り、人権擁護法案、外国人参政権が通るのはもちろん当然として。)

それを考慮したうえで、麻生が赤字国債を財源に使うことを、是か非かといえば、赤字国債発行は当然の選択である。

それともそれを考慮したうえで、民主党に政権を与えても、赤字国債は発行するなと言いたいのでしょうか?

ここで赤字国債を使える余裕があるのは、ひとえに無駄使いをしなかった小泉の遺産だと思って、大事に使うしかないね。

赤字国債発行反対派なので、全面的にご意見に賛成いたします。

教科書ではフランス革命の発端について、アカデミズムの縮小再生産の先に書かれた、こ難しい言葉が並び、封建体制の最終形態としての絶対主義とか、階級闘争論とか、上部構造と下部構造の概念がなんとかとか書いてあって、常人にはチンプンカンプンですが、フランス革命勃発の直接の原因は、きわめて簡単なことなのです。

すなわち、財務大臣が、ブルボン家は事実上破綻してしまっており、商人からの借金を返せないと暴露してしまったことで、革命が始まったわけです。

今から赤字国債を発行しようなどという人には、ギロチン台の露と消えてもかまわないくらいの覚悟が必要です。

金融関係については釈迦に説法かもしれませんが、私は福田・麻生内閣について、もうひとつ、非常に批判的な論点を持っています。

8月にロシアがグルジアに侵攻した時、世界中の先進国の首脳が活発な外交を繰り広げたというのに、当時の福田総理、高村外務大臣、そして麻生元総理は、何も対策をうちませんでした。

グルジアで戦争が起こるとアゼルバイジャンの石油が供給できなくなり、同時期にアメリカを襲った巨大ハリケーン「グスタフ」とあわせ、当時、最高価格だった石油がさらに高騰するリスクがあったのですが、高村外務大臣も、元外務大臣の麻生氏も、福田元首相も、誰も事態を理解していないという愚かしさ。経済政策も危機管理もあったものではありません。

アゼルバイジャンとグルジアは隣国で、アゼルバイジャンの豊かな油をグルジア経由で輸出すると効率的なのですが、パイプラインを自分の好きなように引きたがっているロシアは、昔からグルジアの政情不安をあおってグルジアルートの信頼性をおとしめるように努めてきました。

実際に戦争が始まると、線路が爆破されて石油が運べなくなり、黒海に面した石油積み出しの港であるポチはロシア軍に占拠されました。この程度のこと、普通に英語での情報収集能力があれば、すぐに分かることだし、元外務大臣で、話に時々英単語がまざる麻生氏が情勢を理解していなかったとは、信じがたいほどの愚かさとしか言えません。

結果として、原油はそれ以上は高騰しませんでしたが、だからと言って許される問題ではありません。問題は、福田内閣にも麻生内閣にも、経済・国際的な観点での危機管理能力など無いということなのです。

週刊文春の記事によれば、麻生氏の持論である「平和と繁栄の弧」は、官僚が作ったものであり、麻生氏のオリジナルではないそうです。グルジア紛争を見ていて、この週刊文春の記事は正しいと確信しました。

興味があれば、当方のブログをご覧ください。直接引用したりリンクしたりすると、「永田町異聞 byクレイジーパパ」の威厳をおとしめるかもしれませんが。

管理人殿は本当に何も分かっていらっしゃらないようですね。

小泉は赤字国債発行額30兆円の公約すら守れなかったどころか、財投債含めた国債を最も発行した首相ですよ?

赤字国債発行を抑制する事が必ずしも財政規律を高める事とイコールにならない事はもう周知の事実なんですがね。

マクロとミクロの違い分かってますか?よくもまぁこんな経済&財政オンチな記事書けますねぇ~。小泉・竹中マンセーするのは勝手ですが、いい大人なんですからまともに勉強してから電波発信してくださいよ。

これぐらい嫌味ったらしく言わないと管理人殿は、「もう一度一から考え直してみよう」とはなさりませんか?貴方のこの程度の見識では理財局官僚のなすがまま思うがままですよ。

 赤字国債発行には賛成、というか必要。プライマリーバランスを気にされているなら累進課税率の引き上げや議員数の削減からやっていくのが妥当。
 情報源の多様化によって「ザイゲンが無い」は通用しないと気が付く国民は増えていると思います。
 問題は国債で得た予算をどう使って日本を浮上させるかです。利権などに由来する「ロス」を排除することは必要ですがそれに便乗した人気取り、世論誘導には特に注意が必要でしょう。日本の隅々にお金が巡る血行の良い社会を希望します。

赤字国債を発行してまで公共工事を増やすなら、自らの商圏では自立出来ず、公共工事がなくなればたちまち立ち行かなくなる地方経済にばら蒔くのだけは止めて欲しい。

///本来、財政法が発行を禁じているはずの赤字国債を、政府は公債特例法の制定により、毎年発行している。小渕政権時代に景気対策名目の国債を乱発したことが一気に国の借金残高を膨らませた///

とても勉強になりました。

 年末には09年度からの基礎年金の国庫負担の引き上げ分2・3兆円の財源手当てが必要ということです。08年度の税収の落ち込みも予想されます。
 公共事業を乱発しても特定の業者が潤うだけで、意味が無い上に、国民にとって一番大事な年金の財源の事さえ頭にない自民公明党は早くどうにかしなきゃ日本が滅びると思います。
 何年も何年も赤字の上に赤字を重ねているのは、大蔵省に能力が無い、公明自民にまともにお金の計算のできる人がいないということです。どうでもいいからもう借金をやめなければ、この株価の値下がりで公的年金も、私的なものも私達団塊の世代はいただけなくなるのではないかと不安になります。
 
自公には早めに与党から消えていただきたいと願っています。

事実と異なりますね
-------------------

財務省は3か月毎に国債等の国の借金を公表していますが、
小泉政権が成立する(平成13年4月26日)直前の借金は国債等が538兆3,863億円で、政府保証債務が57兆7,565億円、
合計596兆1,428億円です。
http://www.mof.go.jp/gbb/1c020t.htm (平成13年3月末)

小泉政権終了(平成18年9月26日)直後の借金は国債等が827兆9,166億円で、政府保証債務が51兆4,519億円、
合計879兆3,685億円です。
http://www.mof.go.jp/gbb/1809.htm (平成18年9月末)

差し引き283兆2,257億円ですから
小泉政権下の5年間では283兆円余りの借金増となります。

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