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2008年10月13日 (月)

北朝鮮のエセ核放棄を「外交成果だ」と国民を欺く米政府

アメリカの一般市民のいったいどれほどの人が北朝鮮をよく知っているだろうか。まして、日本とその国のかかわりに関心を持つ人などごく一部だと思う。

中東方面に軍事的エネルギーを注がねばならない今の米国にとって、どうでもいい北朝鮮にはできるだけ現状を維持してほしいというのが本音なのだろう。

核放棄の意思などハナからないことは承知の上で、ヒル国務次官補が北朝鮮の瀬戸際外交につきあい、妥協を重ね、ついには「テロ支援国家指定」を解除した。

「外交的成果」を企図したものという新聞の解説を、日本人は理解できるわけがない。どこが成果だ。なぜ北朝鮮のウソに付き合うのだ。それが普通の感覚であろう。

しかし、拉致された人もなくテポドンの脅威も感じない多くの米国人は「米政府が北朝鮮の核開発をやめさせるのに成功した」と漠然と受け取っているのかもしれない。

イラクでもアフガンでも失敗を繰り返してきたブッシュ政権が、国民をごまかして「外交的成果」だとアピールするのに、北朝鮮の「エセ核放棄」と、その見返りとしての「テロ国家指定解除」を使うのが最も手っ取り早かった。そう考えることもできよう。

8年前、クリントン政権末期にも、米国務省は駆け込み的に北朝鮮との国交正常化をはかった。いまと全く同じである。そして、結局はその目論見を達成できず、ブッシュにバトンタッチされた。そして、歴史は繰り返されている。

振り返ってみれば、米国は北朝鮮の核カードに翻弄されっぱなしである。

秘密裏に核兵器開発を進めていた北朝鮮は1994年、国際原子力機関(IAEA)の査察で露見した「使用済み核燃料からのプルトニウム抽出」を強行し、IAEAを脱退する動きを見せた。これが国際社会への核による最初の脅しである。

クリントンはこの問題への対応を迫られた。「北朝鮮との枠組み合意」により核兵器開発放棄の見返りに、軽水炉2基の供与と、毎年50万トンの重油提供を約束した。

95年にはこの合意に基づいて、朝鮮半島エネルギー開発機構(KEDO)を発足、日韓にカネを出させて軽水炉建設を進める体制を整えたが、北朝鮮は約束を破ってウラン濃縮による核開発を続行していた。

つねに核開発というカードで脅しをかけ、核放棄のニセ約束で外国からの援助を引き出す北朝鮮の常套手段を承知しながら、何度も同じような交渉を繰り返してきた米朝の外交関係は不毛としか言いようがない。

アメリカはイラク、アフガン、パキスタンに忙殺され、ロシアとの“新冷戦”にも対応しなければならない。そのうえに、世界恐慌の危機が迫っている。

こうしたなかで、日本政府は多くの自国民が拉致されたテロ事件に対し、何ら有効な対策を打てないまま、米国の「テロ支援国家指定解除」を恨めしげに見つめるのみだ。テロ行為で連れ去られた国民を取り戻すことは、日本政府の責任である。アメリカが自発的に拉致問題解決に動いてくれるはずはない。

北朝鮮のテロによって、人生を奪われた日本人を奪還するため政府は六カ国協議という公式の枠組みだけでなく、情報戦略や関係各国へのロビー活動をより積極的に展開していくことも必要ではないか。

米国の日本無視とも思える北朝鮮政策に対し、「拉致問題が置き去りにされる」と心配する前に、日本は国家の威信をかけ「拉致被害者を取り戻す」と大声を張り上げて宣言すべきであろう。

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