「選挙の顔麻生」の目論見が外れ、困惑広がる公明党
公明党の太田代表と会談し、記者会見場に現れた麻生首相は険しい表情で「国民のための経済対策を発表させていただきます」と切り出した。
「はじめに経済の状況について。現在の経済は100年に一度の暴風雨が荒れている」。
ここを、「国民の皆さん、いま経済は」とカメラ目線で呼びかければ、“キムタク総理”のようになるのだが、そういうキャラではなさそうだ。
ただ、今後の国会で野党の抵抗を受け、緊急対策の是非を問う解散に打って出るならば、わずかな言葉遣いの違いが生きてくる。
そのときは「国民の皆さん、野党が反対している経済対策の是非を判断していただくため解散します」とでも、小泉純一郎ばりにカメラ目線で訴えればいい。
それはさておき、繰り出された緊急対策は国民の心に響いただろうか。定額給付金、住宅ローン減税、高速道路料金引き下げ…。「真水」と呼ばれる国費追加支出5兆円のうち2兆円は「定額給付金」にあてるという。
日経が掲載した経済専門家の評価は「1990年代の景気対策が役に立たなかった経験が生かされていない」「目先の対策重視で資金をつぎ込んだ印象だ」などとあまり芳しくない。
しかし現金かクーポン券を全世帯にばらまく「定額給付金」は、解散先送りを公明党に呑ますため、「定額減税」の代替として持ち出した大盤振る舞いだから、麻生首相にしてみれば仕方のないことだったろう。おそらく本意ではなかったに違いない。
それにしても、かつて同じような「地域振興券」が景気浮揚効果を生み出さず、商店の手間が増えただけだったことを思い起こすと、疑問を感じる人は多いだろう。ある米屋さんは「地域振興券がたまり、その換金のタイミングが遅いため資金繰りに困った」と嘆いていたものだ。
朝日新聞は31日の朝刊から「麻生首相泥沼論」を大々的に展開し始めた。選挙の顔として福田首相と交代した麻生首相は、自公の大方の期待に反して、解散のタイミングを逃し、求心力を失いつつあるというのだ。
とくに、公明党の落胆は激しい。太田代表と北側幹事長が26日夜、麻生首相に膝詰め談判したさい、「誰のおかげで総理になれたと思っているんだ」と迫ったというニュースが共同通信から配信された。公明党は早期解散を念頭に置き、選挙に勝つために福田から麻生への交代を働きかけた経緯がある。
それでも頑として首をタテに振らない首相に、太田代表は30日の首相記者会見直前に会って、真意を確かめようとしたが取りつくシマもない。会談後、太田代表は「今日、明日の解散がないと言うことは了解したということです」と報道陣に語るのが精一杯だった。
すでに総選挙に向かって走り出している創価学会から、太田代表らに対する風当たりが強まっているのは想像に難くない。
ただし、麻生首相は記者会見の最後に「選挙になったからといって行政がなくなるわけではなく、直ちに政治空白が起こるとは考えていない」と、解散カードを引っ込めていないことを印象づけた。
この場面をテレビで見ていたある自民党議員がうめくような声を上げる。「もう事務所経費などで1000万円かかっているんだ。このまま、解散が引き延ばされたら党に面倒みてもらわないとやっていけない」
細田幹事長も「今日、解散するはずでした」と某議員のパーティーでいささか自嘲気味にあいさつ。町村派の派閥総会では、谷川秀善が「前回は解散しないと立ち枯れになると言ったがこのままいくと落穂拾いだ」と罵り、中川秀直は「これでは福田首相と同じになる」と語るなど、危機感が広がった。
麻生首相は「9月の任期満了までの間に最適の解散タイミングが来る」と信じ、解散カードをつねにちらつかせながら何とか求心力を保持していくつもりだろうが、“とてつもなく”厳しい道のりであることは間違いない。 (敬称略)
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朝日新聞の社説は、今後状況はもっと悪くなるかもしれないのに、貴重な2兆円をこんなことに使ってよいのかと書いていました。
もっともな疑問だと思います。今日は株価も下がりましたし。
失敗に終わると思います。
投稿: ウインピー | 2008年10月31日 (金) 18時38分